非常に状態のいい個体．電池を入れれたら、露出計は正常な範囲で動作を．
シャッターも絞り他の各部の機能にも問題はない．ミラーなどをブロアや
綿棒で慎重に掃除してみたら、ファインダー内部も見違えるほどきれいに．
これは気分がいい．ピント合わせや構図決めに、ほとんどストレスを感じ
ないで済むから．つまりニコンの MF一眼レフカメラが、レンズはついて
いないが、ただみたいな値段で買えたということ．隣の県からの発送なの
で送料も安く．信じられないほどの安値で入手できた．本体に純正のスト
ラップやボディキャップが付属して、390円＋送料＝千円以内で．動作は
未確認だったが、きれいな個体でシャッターは切れるという商品説明だけ．
何故か私は機能が今でも正常だと判断した．出品者がこぎれいな品を取り
扱う古物商らしいのでそう思ったのかもしれない．そんな店では、カメラ
などの精密機械もかなりの確率で動作品が多いのだ．私の経験上の理解で．
そして実際もそのとおりだった．
Nikomat FTn
●形式：露出計内蔵35㎜
フォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ?
●シャッター：上下走行式・メタルフォーカルプレーンシャッター
? ●シャッター速度：B,1,1/2～1/1000秒 ファインダー内にも表示?
●ファインダー：ペンタプリズム使用アイレベルファインダー
マイクロプリズム式距離計内蔵 マット面とフレネルレンズ使用
? ●ファインダー視野率・倍率：約92％
50mm標準レンズ使用で無限遠の場合 約0.86倍
? ●ミラー：クイックリターン式
? ●絞り込み：ボデー上部の絞り込みボタンによる?
●巻き上げ：レバー式 1作動 155度 露出計回路用スイッチと連動?
●コマ数計：自動復元順算式 ●巻きもどし：クランク式
? ●シンクロ接点：MおよびX接点
1/125秒以下の低速においてスピードライトに同調
? ●露出計：中央部重点測光 水銀電池1.3V1個使用?
シャッター速度と絞りに両連動する定点式CdS露出計(TTL方式)
●サイズ：148×95×545 765ｇともにボデーのみ
●当時価格：30000円 ボディのみ ●発売：1967年
●製造中止：1975年 ●製造台数：約100万台?
動作には全く問題がなさそうな個体．さらに現在でもかなりきれいな状態
を保っており、すばらしく幸運な買いものだったらしい．自宅にある同社
のレンズを装着する．被写体が明瞭に見える．シャッターの切れる感触も
一眼レフならではの、重みがあり確かで安心感のあるなじみの音であった．
?
この機種は巻き上げレバーだけがボディとは色違いで、全体の黒と部分的
なシルバーがちぐはぐに感じてしまう．故障してしまった後継機のたぶん
同じサイズのそのレバー～黒色を持っているので、交換するつもりだった．
しかしよく見ると専用の工具でもなければ、簡単には取り外せない作りに
なっていた．あきらめるしかないだろうか．自宅にある小型のペンチでは
ねじ穴のない部品はとても開けられそうにない．たぶん傷を付けるだけに．
?………
レンズは、他の同社の一眼レフカメラで使ってきたものを兼用する．
「Nikkor-S Auto 50mm/f1.4」という標準レンズ．その存在感に改めて
驚いているころだ．今更だが、このレンズに興味がわいたので、ネットで
調べてみた．…1962年に発売．76年にモデルチェンジするまで14年間に
わたり生産されたニコンの標準レンズ．レンズ構成は 5群7枚モノコート．
最短撮影距離は0.6m．絞りは1.4～16．フィルター径52mm．球面収差
が大きく開放ではフレアが目立ち、甘い描写を．しかし１段から２段ほど
絞り込めば、シャープな描写にかわる．カラーフィルムがまだ一般的では
なかった時代のレンズゆえに、そのバランス性があまり考慮されておらず、
経年劣化も加わって発色はやや黄味が強いものに．そんな記事が集まった．
私が持っているこのレンズには裏面にわずかな曇りや拭き傷などがあるが、
今のところ撮影結果に影響はしていない軽度のものだ．ボケや甘い描写も、
あるいはシャープさも兼ね備えた、いいレンズだと感じている．露出など
の撮影センスの問題でもあるのだが．まだ失われず私の中にあるのかも．