blueな日々

( Art で逢いましょう)

マーラーはシュルレアリスト?

2006年02月21日 | 読書メモ

B35

『マーラーと世紀末ウィーン』 *図書館を利用
 著者:渡辺 裕 出版:岩波書店
 発行:2004.02(岩波現代文庫)
 出版社の紹介:マーラーの作品の真の新しさや
 面白さは、世紀末ウィーンの文化史全体に目を
 広げて初めて明らかになる。著者は、同時代人
 クリムト、ワーグナー、フロイト、アードラー
 らの活動をも視野に入れ彼らの夢と現実のあり
 ようを描きだす。また、現在、彼の音楽のどの
 ような側面が注目され、それが現代文化のいか
 なる状況を表現しているのかを問う.

都市の再開発、芸術運動、社会の情勢不安、世紀の
移り変わり…。マーラーがクリムトやワーグナーが
トーマス・マンやフロイトなどが、生きている世界。
著者によれば、マーラーの音楽は、精神分析的でも
あるという。世紀末ウィーンと時代の影響も大きい。
マーラーとシュルレアリスムとの関わりも気になる。
私はベスト盤で『交響曲第5番 嬰ハ短調 ー4 アダー
ジェット(終結部)』という曲(3分間)を聞いた
にすぎない。何かを語るすべがない。図書館には、
マーラーのCDがたくさんあった。今度、借りよう。

………
『風の丘を越えて~西便制』
 著者:李 清俊(イ・チョンジュン)
 翻訳:根本理恵 出版:早川書房
 発行:1994.06(文個本)   *図書館を利用
 出版社の紹介:少年の母親の若い未亡人はパンソリ
 の唄い手の子を宿し、難産の末女の子を生んで命を
 落とした。唄い手の父親は幼い兄妹に、太鼓と唄を
 教えこみ村から村へとパンソリを唄って放浪をつづ
 ける。ある時、兄は母を「殺した」義父を討とうと
 して果たせず出奔する。長い年月が過ぎ、兄は宿命
 のパンソリと盲人の唄い手となった妹を求めて全羅
 南道を旅する。韓国映画史上最大のヒット作の原作
 『南道の人』の完全訳。

中編で構成された、濃密でシュールな物語世界。
センチメンタルな読者をこばむ「ハン」の概念。
読みながら、カミユの『異邦人』と、辻原 登の
『村の名前』を連想していた。読書前の予想を
裏切る、素晴らしい内容だった。
最終章は同じ著者(他の作品)の完結部分でも
ある。実験的な手法をたえず目指す作家らしい。
映画化では、主に最初の2章を再構築している。
今度は、映画を見よう。3回目になる。
「唄」をまた聞きたい。
*サントラがあれば、欲しい。

………
『パイプオルガン~歴史とメカニズム』
(著者:秋元道雄 出版:ショパン)
あまりにも内容が専門的すぎて読み進むことが
できなかった。いったい誰のために書かれた本?
オルガニストの入門書としてなら、いい本なの
かもしれないが…。けっして一般向けではない。
他の、パイプオルガン関連の本を探すつもりだ。


2 コメント

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世紀末、気になりますねえ (Julian-Barnes-Gracq)
2006-02-22 11:44:58
世紀末、気になりますねえ
福岡で唯一見たアールデコ展
とてもよかった(チョイス抜群!?)
トーマス・マンも読まねばならないし
ちょっと時代はちぐはぐだけど
ダダイズム、バウハウス、ロシア・アバンギャルト、
そしてシュールレアリスム関係の本は以前いくつか読み
会社で書類をつくるとき
表紙はバウハウスのペーパーの表紙を真似したもんだ
世紀を超えると、第一次大戦と大二次大戦間の文化的にも
学問的にも極めて重要な時代に入り
私の卒論テーマでもあったマックス・ウェーバーが登場する
ウィットゲンシュタインもか?
世紀末から20世紀にいたるところでのクラシックはまさにシュールですね
ジュリアン
明日の夕方から夜は私はぎゅうぎゅうです
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ジュリアンさん (blueroad)
2006-02-22 15:13:45
ジュリアンさん
明日は、田舎の友人に会いに行くので、
その帰りに(閉店間際になりそうですが)
注文していた本の購入もあるので書店に
寄ります。会場を見てそのまま帰ります。
さらに別の町で「バッハのベスト盤」を
借りるつもり。楽しみです。
………
大学の勉学らしきものを、これから自宅
で出来ないものかと、近頃よく考えます。
………
明日はたぶん、6時前には家を出て友人
宅で、iPodの初期設定などを手伝います。
彼の誕生パーティも。78歳になります。
(みんな、長生きして欲しい…)
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