夏の終わりのある朝．十姉妹の子．カゴの底の網に足を取られていた．
伸びた爪が、網に絡まっていたのだ．何故か不思議と外れなくなって
しまい．どれくらいの時間、じっとしていたのか．足を痛めていない
のだろうか．すぐに私はカゴの中に手を入れ、ばたつくがどうしても
逃げられない、かわいそうなこの子を救い出す．伸びた爪はカール状
に丸まっていた．金網に絡まっても、なんの不思議ではないほどに．
世話を怠った私の責任である．ネットの里親募集で、すでに巣立って
しまった若鳥を譲り受けたので、私には馴れていない．ゆえに普段の
世話が手間取ることも．そんなわけでこんな事態に．すぐに爪切りで、
伸びた爪を切り落とす．もちろん注意深く慎重に．以前、インコの爪
を深く切りすぎて、出血させてしまったこともあるから．当時は私は
煙草を吸っていたので、火がついているその先端部分を傷ついた爪に
押し当てて止血を．インコはさぞや苦しかったことだろうな．そんな
ことも思いだしながら．…こんな適当な世話ではいけないと私は反省
をしている．十姉妹の鳥カゴは汚れはじめていたので、きれいな予備
の別のカゴに移すことに．この子の足は大丈夫だった．今新しいカゴ
も怖がらずに．以前使っていた三角屋根の鳥かごは洗って熱湯消毒を
してよく乾かし、以後また使うことになる．小柄なこの子用なので．
