山蟻狩猟日記

狩猟の日記です。狩猟、有害鳥獣駆除、個体数調整、射撃、罠猟、銃猟、獲物の利活用についての備忘録です。

カモシカの錯誤捕獲

2010年03月31日 | 狩猟日記
カモシカの足はシカ、イノシシの足とほとんど同じ形のようです。




カモシカが立っていたところに行って、雪の上の足跡を観察したことは10回以上ありますが、未だにシカの足跡との違いが分かりません。



イノシシとカモシカは明白に違いますから、雪の上なら99%見分けられます。



カモシカはシカに比べて丸っこい足跡と言われていますが、



何十回と足跡を見比べても同じようにしか見えません。



いづれは見分けられるようになるにしても、シカとカモシカを足の形状から捕り分けられるほど大きな違いではないようです。



ちなみに、足首の太さはシカよりもカモシカの方が少し太いようで、締め付け防止金具による捕り分けは無理です。



カモシカとイノシシの足首の太さは、ほぼ同じくらいなようです。



なので、普通のシカは掛からないがカモシカとイノシシ、大きいシカが掛かるくくり罠は作れそうです。

くくり罠でのツキノワグマ錯誤捕獲

2010年03月30日 | 狩猟日記
くくり罠の輪の内径の最小値を12cm以下にするとツキノワグマは掛からないというのが、くくり罠の内径規制の理由だそうです。



雪の上の足跡を観察したところ、ツキノワの掌球長(手のひらの幅)は、ほとんどの個体が11cm以下で、12cmを越えるような個体は見たことがないし、いたとしたら、よほどの大物です。



ではくくり輪の内径が12cmだとクマは掛かるのかと言われたら、掛からないと思います。



11cmのものが12cmの円の中にすっぽり入ることは稀だからです。



また、クマの手のひらの長さは、幅よりは少し長いようです。



足跡を見ても、どっからどこまでを長さとしていいのか分からずデータが取れませんでした(爪含む?踵の定義は?)。



クマが罠の端っこを踏んだら跳ね上げるような罠は指先を括ってしまう気がします。



なので、跳ね上げ式のくくり罠は使わないようにしていますが、実際はどうでしょう?



それと、12×18cmの楕円形の罠もあるようですが、これを獣道に対して縦に設置すると、クマが足を突っ込むような気がします。



捕獲効率アップのために来シーズンは楕円形の罠を導入しようとしていますが、錯誤捕獲対策が課題です。

罠が作動する荷重

2010年03月30日 | 狩猟日記
昨シーズンのくくり罠猟での課題が「選択した獲物だけを捕る」こと。



まず狩猟鳥獣と非狩猟鳥獣を捕り分けること。



非狩猟鳥獣でくくり罠に掛かりそうなのは、カモシカとサル、それにツキノワグマは罠猟が禁止。



それに人間と犬も掛かってはいけません。



とりあえず体重によって捕りわけることを考えると、作動荷重を重くすればサルは掛からないでしょう。



カモシカはどうでしょう?



成獣の最大体重はシカやイノシシよりは軽いようです。



かといって、カモシカが掛からず、シカ、イノシシだけが掛かるという絶妙な作動荷重はないと思います。



なぜならイノシシなら30kg程度でも食材として魅力的ですし、シカも小さいほうが美味しいという人もいます。



55kg以上の獣が乗らないと作動しないようにすれば、ほとんどのカモシカは掛からないはずですが、それによって取れなくなるシカ、イノシシもいるわけです。



それに絶妙な作動荷重にしても、勢いよく踏めば作動するわけで、カモシカとシカ、イノシシを捕り分けるのは効率が悪いと思います。



犬は体重が10-30kgくらいなようです。



では作動荷重を何kgにしたらいいかというと分かりません。



4本の足に均等に体重が掛かっているわけではなさそうだし、歩いたり走ったりしているときはなおさら分かりません。



とりあえず、犬の体重の1/2に安全をみこんで+5kgを基準に罠を作ってみようと思います。

シャープの空気銃

2010年03月29日 | 射撃
ベレッタを買った銃砲店の店長が、シャープのエースハンターを安くしてくれると言っています。



自分は基本的に単独での大物猟をやるので、今までは空気銃の必要性を感じたことがありませんでした。



しかし、午前中に用事があって、午後から暇なときなどは大物猟に出るにはおっくうで、



家の裏で空気銃でヒヨドリなんか撃ったら楽しいのではないか?



とか思ったりもしました。



それにエネルギーは17-20ft/lbpくらいあるようですが、罠猟の止めさしに使えないか考え中です。



罠の止めさしに空気銃を使っている人はエネルギーが30-40ft/lbpのプレチャージを使っているようですが、17ft/lbpではダメかな?

ベレッタ:AL391

2010年03月28日 | 射撃
新しい銃が手元に来ました。



ベレッタAL391



まだ撃ってみてないのですが、



とにかく軽いです。



スイングしたときに、銃の質量由来の慣性が少ない気がします。



初心者の感想ですが、レミントン1100とかのほうが重くて扱いやすい気がします。



上級者にとって、AL391はバランスのよい銃だそうです。



何事も練習次第なので、自分の体の一部となるまでいぢくってやろうと思います。



買った日に1000回、昨日は2000回肩付けをしてみました。



軽いので、これくらいできてしまいます。



撃ってみたらどうなるのだろう?とワクワクしてしまいます。


銃の廃棄

2010年03月26日 | 狩猟日記
新しい銃を買うにあたり、古いほうの銃を廃棄しました。



警察で廃棄してもらっても手数料無料だそうです。



今から新しい銃を取りに行きます。



当たる、当たらないを銃のせいにしてはいけませんが、



よい銃で一生懸命練習するのがいいと思ったので新しい銃を買うことにしました。

肉の冷却

2010年03月13日 | 野生鳥獣の利活用
魚もそうですが、獣肉も捕獲後の冷却処理によって品質が変わるようです。



しかしながら、多くの赤身魚よりはシビアには温度管理する必要はないようです。



捕獲から冷却までの時間が肉の味に及ぼす影響は、血抜きや内臓摘出が肉の味に及ぼす影響よりは少ないようです。



冷却方法ですが、内臓摘出後の個体を冷水に浸けるやり方と、沢が無い場合は雪を腹腔内に入れるやり方、直ちに解体して枝肉の状態で冷蔵庫に吊すというやりかたがあります。



沢に浸けるやり方のときは、解体前に獲物の全身をタオルでよく拭いてあげないと、解体中に水滴が滴って、肉が汚染されたり、ふやけたりします。



また、あまりに長時間水に浸けると、目の廻りや口、肛門などの粘膜がふやけて、見た目がグロテスクになります。



腹腔内も皮がないので、激しくふやけます。シカなどは腹の肉などはあまり利用しないので大した問題ではありませんが、シシの場合は腹の部分を1kgくらい切り取るはめになります。



皮に包まれている限りは、モモやロースまで水が進入することは少ないよいです。



水は獲物からよく熱を奪ってくれます。


ほ乳類では実験したことがありませんが、魚では気温-18℃の空気と、水温1℃の水が同等、あるいは水のほうが冷却が高いように感じます。



そして、冷水のほうがムラなく芯まで冷えます。



しかし、水でふやけることなどを考えると、ただちに解体して皮をはがした状態で、冷蔵庫に入れるのも冷却に適していると思います。



解体することで、保温力のある皮が取り除かれ、表面積が大きくなる上に、切断面から血抜きができるというメリットもあります。



ただし、切断面が増えるほど空気に触れて酸化し、また細菌などに侵されやすくなるという欠点もあります。



しかし、ただちに解体できない場合は沢水で冷却することは効果があるはずです。



どのような方法も長所と短所があり、それを状況によって使い分けるのがいいと思います。



上記の話は、必ずしも実験によって確かめられたわけではなく、いろいろな人の経験から主観的に決められことなので、長所、短所を客観的に評価できるように、実験をやってみたいです。



自分で納得するまで。

腹部に被弾した場合

2010年03月12日 | 野生鳥獣の利活用
弾頭がニホンジカの腹部に命中したときは、腹腔内が汚物によって汚染されます。



内臓を出す作業で自分の手や刃物が、ちょっと洗ったくらいでは落ちそうにないぐらい著しく汚れます。



刃物は熱湯で消毒できますが、手はそうもいきません。



作業開始の時点で厚手のゴム手袋を付けておいて、熱湯消毒しろとガイドラインに書いてあります。



しかしながら、汚物まみれの手をいきなり熱湯に突っ込んでも効果半減なので、普通は水道で洗ってから熱湯に突っ込むと思います。



それまでに水道の蛇口やら、なにやら、うっかりするとエプロンにも汚物が付いてしまいます。



食品衛生の三大原則は

(雑菌を)

1付けない



2増やさない




3殺してしまう



でしたね。



ということは、シカもツキノワグマのように内臓を出さずに解体をすれば、汚染されずに済むような気がします。



まだやったことはありませんが、来年の猟期にやってみようと思います。



内臓に弾を当てなければいいと言うツッコミはなしで(あくまで当たってしまったときの話)。



ちなみにガイドラインでは内臓に被弾した個体は自家消費することになっているので、上記の話は自家消費するときの話で。

ツキノワグマの解体

2010年03月12日 | 野生鳥獣の利活用
ツキノワグマについては、内臓を出さずに解体をする地域があるようです。



モモ、前足、背、胸、腹、などの肉を取る過程で内臓、腹腔、胸腔には一切手をつけません。



この場合、内臓を出してからやる方法に比べて、肋骨の間の肉が胸肉にくっつかないという欠点があります。



最終的には腹をあけて内臓を出し、利用する場合にはきれいに処理して利用します。



シカやイノシシと逆の順序です。



この方法の最大の利点は、銃弾によって消化管を傷つけてしまい、腹腔内が汚物まみれでも、作業の途中で肉にまで汚染が広がるのを防げる点です。

血抜きとガス抜き

2010年03月12日 | 野生鳥獣の利活用
ツキノワグマは、必ずしも、捕獲後にすぐに内臓を出す必要はないようです。



もちろ程度の問題もありますし、地域によっても違う考え方もあると思います。


少ない経験ですが、血抜き、内臓摘出せずに、捕獲後10時間以上経過してから解体しても、品質が落ちることはなかったように思います。



と、いうか、血抜き、内臓摘出をただちに行った肉を食べたことがありません。



捕獲後にすぐに処理をしたものと食べ比べてみたいのですが、なかなかその機会がありません。



イノシシはシカとツキノワの中間ぐらいでしょうか?



もちろん、ただちに処理をするほうがいいと思います。



シカの処理を難しくしているのはルーメン、つまり第一胃で猛烈に発酵が進んで、常にガスが発生し続け、本体が死んだが、微生物が生きているためにガスが抜けなくなることだと思います。



シカの捕獲後、すぐに処理できない事情があるときは、腹に少しだけ穴を開けてガス抜きをすると、少しはマシなようです。



しかし、その方法だと、運搬中に胃内容物が体外に出たり、内臓摘出のときに腹腔内にこぼしてしまったりします。



口から水道のホースを突っ込んで胃の中のガス抜きをするというのを思いついたので、今度やってみようと思います。

獲物の処理

2010年03月11日 | 野生鳥獣の利活用
野生鳥獣の肉を美味しく食べるには捕った後の処理が重要だと思います。



臭い肉かそうでないかというのは、その鳥獣の種全体が臭いかどうかではなく、ほとんどが処理の善し悪しによって決まると思います。



獲物をただ撃つ、捕らえるのではなく、その後の利用のために「きれいに捕る」のも奥が深いものだと思います。



主観的には、鹿がいちばん扱いが難しいです。



調理した際に肉から血が滴るほど出るのは、血抜きの問題のようです。



捕獲現場で血抜きをしっかりして、精肉後は血を吸収するキッチンペーパーなどに乗せて冷蔵すると、加熱したときに血が滴るほど出てくるのがマシになるようです。



そのとき、筋膜に包まれている部分からは血が抜けないようなので、切り口のほうを下にしてます。



血を洗ってやればよいと思い、精肉を水で洗ったら、ブヨブヨにふやけて、なんとも不味そうな肉になってしまったことがあります。



また、肉に付着した落ち葉や毛をとるために水洗いしたところ、同じようにブヨブヨにふやけてしまい、味にも影響しました。



筋膜に包まれた肉を短時間(10秒以内くらい?)洗うぶんには、影響なさそうでしたが、



落ち葉や毛が着いてしまった部位は切り取って捨てています。



現場で解体するにしても、施設で解体するにしても、始めからゴミを付けないというのは、その後の処理にとても影響してくるようです(洗ってもダメだから)。

食肉として

2010年03月10日 | 野生鳥獣の利活用
野生鳥獣を食肉として流通させるには、主に「食品衛生法」をクリアしなくてはいけないようです。



「と畜場法」もそうかと思いましたが、と畜場法では牛、豚、馬、羊、山羊が対象なので、鹿、猪、熊、野鳥などは法の範囲外なようです。



「食品衛生法」を読む限りは、ハードの面では、ふつうの規模の肉屋さんの設備に、「と体」を受け入れるための部屋を付ければOKなように見えます。




ソフトの面では、「食品衛生責任者」を設置する必要があります。




もちろん、施設、資格だけではなく、肉を安全、適切に扱う技術が必要ですが。



鹿や猪、(とくに鹿)は野外で止めさし、内蔵摘出、場合によっては皮剥ぎ、解体までやるのが普通だと思いますが、食肉として流通させるためには、内蔵摘出以後の作業は施設で行わなくてはならないようです。



長野県(保健所)、東京都(保健所)、北海道(エゾシカ協会)のガイドライン書いてあります。



鹿などを美味しく食べようとしている狩猟者は、血抜きと内蔵摘出の早さが風味に大きく影響すると主張します。



私もそう思います。


問題は止めさし後に施設にいかに早く運びこむか、ということになってきます。

罠改良

2010年03月09日 | 狩猟日記

昨シーズン使ったくくり罠は、



半分自作のものだったのですが、なかなか調子がよくお気に入りでした。



何がいいかというと。



コンパクトで設置が簡単なこと。




設置しているときに誤って弾いてしまうことが少ないこと。




横に弾く方式なので、バネで怪我をすることがないこと。




構造上、どうがんばっても内径が12cm以上にはならないこと。




安価に作れること。





です。




以前は完全にオリジナルで自作だったのですが、




オリモ製作という会社が、ほぼ同じ理屈のものを出しているのを発見。




自作では満足に作れなかった部品だけを買って、使っています。





とはいえ、いくつかの欠点も見つかったので、春のうちに改造しようと思います。