山の夜は静かだからチョットした音でも大きく聴こえることは、私でも知っている。
特に朴の葉が落ちる音は一際大きく聴こえ、ソロキャンプのときなどは恐怖心を湧き上がらせるのには充分だ。
ただ、山でのソロキャンプを数年やってきて判った事は、山での『音』の殆どは説明出来る音であるということと、其れ以外は、どう説明していいか判らないモノが在るということ。
3号が体験した、聴く方の不思議な話。
文字で何処まで伝えられるか不安ですが、テントを張った場所の説明から。
山の中腹まで林道で行き、林道がΛ型になった頂点の外側にあるスペースにテントを張りました。
そのスペースの山肌側は、小さな沢が小さな谷を造っています。。
谷と云っても、ほんの2~3mの深さしか無く、丁度V字の屏風が立っているような感じを想像してみて下さい。
水が流れ落ちる小さな段差の向こう側は藪が濃く、見通すことが出来ません。
おまけに、水の流れが少ないので、この沢の水は生臭く、飲用には適していないんですな。
そんな場所でキャンプを始めたのは、ある夏の盆休み。
前々日から雨が降り続いているので、タープの下、湿った薪を乾かしながら焚き火を楽しんでいました。
背中には、沢の音。
雨に濡れた土の香り、木々の葉やタープに落ちる雨音を聴きながら、酒を呑み、薪が爆ぜる音を楽しんでは、また、薪をくべる。
そんな時間が大好きで、この場所には、よく通っていました
携帯電話に友人から電話が掛かり、数年ぶりに留学先から帰国した友人と集まっているから「来ない?」の電話。
前もって連絡が無かった事にガッカリしながらも独りキャンプ中であることを告げたら、追い討ちを掛けるように、電話の向こうは大爆笑。
集まった一通りのメンバーに代わる代わる笑われ、傷心のまま電話を切り、切れば切ったで増す寂寥感・・・
どんな仕返ししてやろうか、無言で考えていた時です。
どこかで人が話している声が、かすかに聴こえてきたんです。
楽しんでいた自然の音達に混じり、それらよりも遥かに小さい音・・・
「どこから聞こえて来るんだろう今の場所より上には、誰もいないはず・・・」
耳を澄まし、目を細め集中し、聴こえて来る余計な音を排除していくと・・・どおも、背後の小さな谷の方から。
でも、そこは、若干の傾斜を伴った、濃い藪なんです。
「この山に、幽霊?」
「いや、何か理由があるはず。 」
だって、それ以上何も起こらないから よ~く耳を傾けると・・・・女の人の声。
そして、もっとよく聴いてみると、女の人2人が会話して、時々笑っていました。
もぉ、こうなると怖くなんか有りません。
この谷の山の斜面の内角の延長線上の家で窓を空けて会話している声が、谷を何回も反射して増幅を繰り返し、本来なら聞こえない空気の振動が静かな場所なら聞こえるくらいの微かな声になっていたのでしょうと、結論付けてみましたが、去年、この山を知る人達に「それは無い」と、あっさり否定されました。
否定された瞬間、無理やり納得しようとしているのに気付いてしまい、当時、現場で抑えていた怖さも加わってゾ~~~っとしました。
そりゃそうでしょう。
柔らかい腐葉土が音を反射したとしても、あんな距離を伸ばすとは思えません。
麓の家までの距離は、間に大きな河川が流れ、ゆうに1KMは超えているんですから・・・
これって、なんなんですかねぇ?
「誰も居ない草原に一人で居ると、霊の声が聴こえる」って、昔聞いた事がるんですがまさか、それ?
いや、それは無いよな。
幽霊が、あんなにはっきり楽しそうに会話しないでしょ。
ただ、この一件が有って以来、この場所でのソロキャンは出来なくなってしまいました。
2015年の秋キャンプの話もありますし・・・
っていうか、熊さんが、大分下まで降りてきているので、やはり、テントで独りってのは・・・
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