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中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ポーランド訪問記(7) 旧市街とキューリー夫人の生家

2011年06月30日 16時20分59秒 | ポーランド;クラコフ訪問記

         ポーランド訪問記(7) 旧市街とキューリー夫人の生家
                       (スケッチ旅行)
           2001年6月16日(土)~6月25日(月)

第2日目;2011年6月17日(日).
 つづき

 私たちは,日本語通訳のアンナクネルト祐野さん(以下アンナさん)の案内でワルシャワ市内1日観光に出かけた.ワルシャワ駅近くのFORUMホテルに宿泊している私たちは,リムジンに乗り込んで,9時20分にホテルを出発した.最初は市内を南下して,ヴィラヌフ宮殿とワジェンキ公園を見学した.
 そそくさと足早にワジェンキ公園の見学をした私たちは,12時44分に再びリムジンに乗り込み,今度は新世界通りを真っ直ぐに北上した.出発後,しばらくするとFORUMホテルが位置しているジェロゾリムスキ通り(Al. Jerozolimskie)を通り越す.新世界通りはワルシャワを代表する目抜き通りである.広い車道の両側に広い歩道が続いている.道路の両側には,コペルニクスの像,ワルシャワ大学のキャンパス,ラジヴィウ宮殿などたくさんの見学スポットが立ち並んでいる.


 調和のとれた町並みが,なんともいえない雰囲気を醸し出している.観光客らしい人たちが大通りをそぞろ歩きしている.そんな活気に満ちた素晴らしい大通りを一直線に北上する.そして,12時55分に旧市街の入口に到着する.
 旧市街と新市街の境界には煉瓦作りの城門がある(添付スケッチ参照).
 新市街側の小さな広場の向こうに城門が建っている.城門は直径20~30メートル,高さ10メートルほどの円筒型の建物である.建物の右側には三角のトンガリ帽子が付いた円筒形の建物がくっついている.円筒形の建物の真ん中に旧市街へ通じる出入口が作られている.この出入口はハートの形上下半分に切って,下の部分を逆さにしたような紡錘型をしている.屋上は「凹」の字をたくさん並べたような凸凹が連なっている.その「凹」の字の先端のトンガリと真ん中の凹みに,いちいち小さなトンガリ屋根を付けたような面倒くさい造りになっている.たくさんの観光客が出入口を往来している.


 私は,この城門をスケッチしたかった.だが,今は団体行動なので,自分の希望を,誰に言うでもなしに,自分の心の内に飲み込んだ.そして,ザザザ~ァ・・・っと,城門のアウトラインをスケッチして,皆の後を追った.夜,ホテルに帰ってから,このスケッチを仕上げるつもりである.

 私はとにかくアンナさんを見失わないように,やや慌てながら後を追った.
 城門を入ると旧市街の小さな広場に出た.広場の中心には,どんな由来があるのか知らないが,左手に丸い楯を構え,右手で剣を振りかざした裸の女性らしい像が飾られている.人魚のようにも見える.

     ※ この像,顔立ちは男性のようだが,肝心の所の逸物が見あたらないので, 私が勝手に女性だと判断したまでで,
         本当は男性の像かも知れない.何れNさんの写真で性別ははっきりするだろう.

 広場の周辺には赤白の大きな日傘を立てた露天の飲食店が並んでいる.広場を囲む建物は中世の雰囲気をそのまま私たちに伝えてくれる.しかし,残念なことに,これらの建物は第2次世界大戦の後,再現されたものだという.戦争中に殆どの建物が瓦礫になるまで破壊され尽くしたが,戦後,破壊された建物を完全に再現した.それこそ,昔から有った建物の傷まで,一つひとつ再現したというから恐れ入る.
 それにしても,戦争は全く無意味なものだと,つくづく思い知らされる.

 私たちも昼食を摂らなければならない.アンナさんに,
 「どこか適当なところで昼食を摂りませんか・・・」
と伺う.
 アンナさんのご推薦のレストランは,広場に面していて,私たちが入ってきた出入口とは反対側にある「ウデルタ(U Delka)」というところである.
 このレストランは,しゃれた造りのビルの地下1階にある.アーチ状の荘厳な造りの入口から地下にはいるようになっている.入口にはレストランの看板が掛かっている.この看板は濃緑色をした楕円の板である.真ん中に正面から見た赤牛の顔がイラスト風にかいてあり,その顔の真ん中に装飾文字で「D」という字が白抜きで書いてある.
 「ウデゲルタって,どういう意味ですか?」
と私がアンナさんに聞く.
 「これの意味ですか? 『デゲルトさんの所』という意味です・・」とアンナさんが答える.何となくドイツ語に似ている響きがあるが,ドイツ語とはまるで違うなという印象を受ける.それにしても,ゴツゴツした印象の名前である.ウデゲルタなんて,まるで,腕に下駄を逆さにして履かせたような印象を受けるから妙である.

<右の写真がウデゲルタ入口;左は次のブログ記事で記述する夕食>

 席に着くと,メニューが配られる.幸いなことに英語のメニューが書き添えられている.アンナさんのコメントを頼りに,それぞれが思い思いに料理を注文する.
 お昼だというのに,皆,食前のアルコール類も注文する.私も何となくその場の雰囲気や,割り勘負けしたくないという心情も手伝って,ポーランドの地ビール,クルレフシキエ(Kroluwskie,ただし,3字目の”o”はウムラウト付き)を,グラス1杯だけ注文する.私は,普段,昼間にアルコールなど飲んだことがないのに,ついついその場の雰囲気に乗せられてしまう.これこそ,私が自覚する悪い癖,優柔不断なところである.
 例によって,クルレフシキエとはどういう意味かが気になる.早速,アンナさんに聞く.これは「王様の・・」という意味だそうである.ビールの味は・・・良く覚えていないが,とてもよく冷えていて美味しかった.
 食事のメニューは迷ったが,結局,”Salmon in fennel sauce with rice”,価格45ズロチを選んだ.何を隠そう・・・ライスの字が目に入ったので,米食べたさだけで,意地汚く選んだのである.
 やがて注文した品物が来る.大皿と小皿に盛りつけられた昼食が私の前に並ぶ.大皿のメインディッシュには,サーモンの蒸し焼き,ブロッコリー,サヤインゲンの茹でたもの,キャロット,グレープフルーツ数切れ,粉の海苔をまぶしたほんの一握りのライスが並んでいる.そして,小皿には小さな四角い黒パン一切れと,輪切りにした切り口円形のパン一切れが乗っている.料理を見て,ライスは「おかず」の一種と見なされていることに初めて気が付く.


 お金のことばかり言うのは卑しいかも知れないが,もう一度言うと,私が注文した料理の値段は45ズロチ,日本円で約1,300円である.日本の物価水準から考えると安いと思うかも知れないが,ポーランドの物価水準から考えるとバカ高である.観光地値段で仕方がないかも知れないが,ビンボー旅行をしている私には,たかが昼食に1.300円も掛けるのは贅沢すぎる.本当に気になる値段である.

 14時32分にウデゲルタを出る.
 広場を一巡りした後,私たちが入ってきた出入り口とは反対側に位置する出入り口から広場を後にする.狭い路地が続く.路地に入るところにあるSPOZYWCZY(Zの上に左右逆のチョンが乗っかっている)という名前の雑貨屋へ入って見る.この名前,何と読むのか分からないが子音ばかりが連なっているような変梃な印象を受ける.ここで,地場の銘柄の飲料水を購入する.1.5リットル入りのボトルが0.2ズロチ(約5円)である.これは「バカに安い」.

 路地をほんの数十メートル歩いた右側にキューリー夫人の生家がそのまま残っている.周りの建物と大差がない平凡な建物である.ショパン,キューリー夫人,ライプニッツ・・・私がちょっと思い出すだけでも,ポーランドからは素晴らしい人物が排出している.こういうのを本当の文化国家というのだろうなと私は勝手に決めつけている.



 14時57分,私たちはリムジンに乗り込み,一路,新世界通りを南下する.
 広い新世界通りを観光自動車(列車かな?)が走っている.先頭には昔の汽車を模した自動車が付いている.そして小さな客車を3両ほどつないで,ゆっくりくねくねと走っている.昔風の長い煙突,その後ろに「ぽっこり」としたコブと鈴を背中に乗せたお釜(つまりボデー),さらにその後ろに運転席が付いている.青い色のお釜がかわいくて印象的である.


 私たちを乗せたリムジンは,やがて,ジェロゾリムスキ通りの交差点に差し掛かる.この交差点を右折し,15時15分にホテルFORMへ帰り着く.ここでガイドのアンナさんとお別れである.本日のガイド料は・・・おっと,公表するのはやめておこう.
 さて,ここで一旦解散となるが,その前に私はホテルの横で今朝見た「殺戮現場」を一行に是非見て貰いたかった.そこで,皆を促して102人殺戮の碑を見学に行った.

 15時27分,再びホテルへ戻る.
 何事に付けて小回りの利くH氏が,ホテルのフロントに問い合わせながら,さっそく夕食の手配をする.その結果,18時30分に再びロビーへ集合して,H氏の選んだ場所へ夕食を食べに行くことにする.そして一旦解散.

 15時40分,部屋へ戻る.
 特段,歩いたわけでもないのに,時差もあって,何となく疲れた.私はすぐに風呂に入り,洗濯をする.そして,ついつい,いつの間にか寝てしまう.
                                          (つづく)

「ポーランド訪問記」の前回の記事
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「ポーランド訪問記」の次回の記事
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