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アンナプルナ・ダウラギリ展望紀行(15)
タダバニへ(2)
2001年3月28日(水)(つづき)
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←これまで公開したアンナプルナ紀行(1)~(14)の記事
をご覧になる場合は左の『CATEGORY』欄から
『アンナプルナ紀行』を選んでクリックして下さい。
<コラパニは遙か雲の先>
■シャクナゲの林を行く
デオラリのレストランで昼食を摂る。ここには珍しく電気が通っている。テレビもある。
昼食を済ませた私達は,12時丁度に出発する。やがて,泥んこで急坂の上り道になる。やがて道の両側に沢山のお店が建ち並んでいる。辺りにはチンチョウゲが沢山咲いている。綺麗な花のトンネルを潜って,先へ進む。
やがて登り坂が終わってなだらかな道になる。標高は3,100メートル程になっている。ここで,12時25分から12時41分まで休憩を取る。その後,登り坂が続く。そして,12時44分に峠に到着する。日本の里山に似た風景が続く。12時46分に標高3,125メートルの高度に達する。
13時頃,標高3,145メートルの地点から,下り坂になる。この辺りから見通しの良い尾根道になる。辺りに霧が出始める。暫くすると,ポツン,ポツンと雨粒が当たるようになる。そして,辺りが段々と暗くなり始める。
進行方向左手は,断崖のような急傾斜の下り斜面が続いている。そして,遙か下にシャクナゲの林が雲海のように広がっている。すごい情景である。どこからともなく,チンチョウゲの花の匂いが漂ってくる。
13時12分,見晴らしの良い峠(3,100m)に到着する。進行方向左手から右手に向かって,広々とした裾野が幾重にも下っている。シャクナゲの林も見下ろせる。現地ガイドに,
「コラパニはどの辺りですか」
と聞いてみる。ガイドは,遙か先を指さしながら,
「あの霧の向こうですよ・・」
という。なるほど,今日の宿泊地,コラパニは,まだ,まだ先である。
<コラパニは,向こうの山の霧の中>
■コラパニへ向けてひたすら歩く
13時21分に峠を出発する。雨が降りそうだったが,幸いなことに,辺りがだんだん明るくなり始めた。13時33分,シャクナゲに囲まれた広場に出る。余りに沢山のシャクナゲに,同行のTKさんが,
「わぁ・・・凄い!」
と大きな声をあげる。ここで再び休憩を取る。大きなシャクナゲの木の下で,何人かの仲間が,写真を撮っている。

<シャクナゲの林が広がる>
13時43分に広場を出発する。かなり急な下り坂が続く。次々と三つの広場を通り過ぎる。やがて,長い石段に出る。13時53分,石段を下り終えると,大きな看板が眼に入る。看板には,
“Welcome to CHOTERAPANI and PUNHILL”
と書いてある。ここが,今日私達が宿泊するコラパニ(2,830m)である。

<トレッキング寸景>
左上:途中で通過した集落 右上:緩やかな上り道を行く
左下:シャクナゲの林 右下:コラパニの市街地
<コラパニの午後>
■大都会のコラパニ
コラパニは,これまでの集落に比較すると,大都会である。私達が宿泊するテント場の周りには沢山の家が建ち並んでいる。広場の片隅には,大きなパラボラアンテナが地面に直置きされている。
14時38分から,コラパニの中心街を散策する。テント場の端から,数十段の石段を登ると,広い道が広場のようになっている。この広場を囲むように,10軒ほどの店が並んでいる。どの店も照明がなくて薄暗い。ほんの数十冊の本を並べた本屋もある。民芸品や衣料を売っている店もある。結構,観光客が辺りをぶらついている。白人が意外に多い。
私も数軒の店をハシゴしてみるが,勿論,特段に欲しい物はない。
<コラパニのテント場:片隅にパラボラアンテナがある>
■3時のティータイム
14時55分にテント場に戻る。戻った途端に雨が降り出す。アッという間に雨足が強くなる。テントに雨粒が当たって,パタパタと音を立てる。
15時から食事後屋でティータイムになる。雨は止んだが,気温が大分下がり,寒くなる。温かいお茶を飲みながら,雑談に耽る。30分ほどで流れ解散となるが,HAガイド,仙人,私の3人が,そのまま居残って雑談を続ける。山男の仙人から終始山の話題が出てくる。
■大音響の雷
17時頃,自分のテントに引き揚げる。シュラフに入ったまま,テントの中から,お茶を飲んだ食事後や辺りをスケッチする。
兎に角,寒い。私は,明日の朝,かなり寒いのではないかと,気になり始める。そこで,先ほどブラブラした街まで出て,防寒頭巾を買うことにする。街には,照明がないので,辺りは真っ暗である。どの店も,暗闇の中で商売をしている。私は,何となく不格好だが,手編みの防寒頭巾を200ルピーで購入する。
テントに戻る。途中,食事小屋の前を通ると,中で何人かの仲間が雑談している。私は,一旦テントに戻ってから,直ぐに食事小屋に向かう。小屋の中央にはストーブが赤々と燃えている。
18時10分,突然,ドスンという大音響が響き渡る。雷鳴である。同時に,猛烈に激しい雨が降り出す。辺りが真っ暗になる。暗い中で身動きもできないので,椅子に座ったままジッとしている。雷が落ちてから,10分ほどで,食事係がランプを持ってくる。柱にランプを吊すと,辺りは生き返ったように明るくなる。
<食堂小屋とキッチン>
※左側の青い建物が食堂小屋,右の木製の粗末な小屋がキッチン
<コラパニの夕食>
■美味しい夕食
18時30分から夕食である。午後のティーブレークと同じ食事小屋で夕食を摂る。
メニューは,チャーハン,ガーリック入りスープ,フライポテト,サラダ,ポプコーンなど。それにパイナップルのデザートである。どれも美味しい。日本人の口に合うように,良く研究されている。

<コラパニの夕食>
■明日の予定
夕食後,HAガイドから,明日の行動予定の説明がある。
明日は,早朝,4時45分に歩き出し。非常に寒いので,防寒対策をバッチリしてくれと注意される。約1時間登って,プーンヒル山頂に到着する。そこで日の出を見ながら,アンナプルナ,ダウラギリなどの山々を見物する。
その後,テントに戻って,朝食を摂る。朝食後,明日の宿泊地,ヒレを目指して出発するとのことである。
19時15分にお開きになる。直ぐに自分のテントに戻り,シュラフに潜り込む。20時頃,就寝。
(つづく)
アンナプルナ・ダウラギリ展望紀行(15)
タダバニへ(2)
2001年3月28日(水)(つづき)
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<コラパニは遙か雲の先>
■シャクナゲの林を行く
デオラリのレストランで昼食を摂る。ここには珍しく電気が通っている。テレビもある。
昼食を済ませた私達は,12時丁度に出発する。やがて,泥んこで急坂の上り道になる。やがて道の両側に沢山のお店が建ち並んでいる。辺りにはチンチョウゲが沢山咲いている。綺麗な花のトンネルを潜って,先へ進む。
やがて登り坂が終わってなだらかな道になる。標高は3,100メートル程になっている。ここで,12時25分から12時41分まで休憩を取る。その後,登り坂が続く。そして,12時44分に峠に到着する。日本の里山に似た風景が続く。12時46分に標高3,125メートルの高度に達する。
13時頃,標高3,145メートルの地点から,下り坂になる。この辺りから見通しの良い尾根道になる。辺りに霧が出始める。暫くすると,ポツン,ポツンと雨粒が当たるようになる。そして,辺りが段々と暗くなり始める。
進行方向左手は,断崖のような急傾斜の下り斜面が続いている。そして,遙か下にシャクナゲの林が雲海のように広がっている。すごい情景である。どこからともなく,チンチョウゲの花の匂いが漂ってくる。
13時12分,見晴らしの良い峠(3,100m)に到着する。進行方向左手から右手に向かって,広々とした裾野が幾重にも下っている。シャクナゲの林も見下ろせる。現地ガイドに,
「コラパニはどの辺りですか」
と聞いてみる。ガイドは,遙か先を指さしながら,
「あの霧の向こうですよ・・」
という。なるほど,今日の宿泊地,コラパニは,まだ,まだ先である。

<コラパニは,向こうの山の霧の中>
■コラパニへ向けてひたすら歩く
13時21分に峠を出発する。雨が降りそうだったが,幸いなことに,辺りがだんだん明るくなり始めた。13時33分,シャクナゲに囲まれた広場に出る。余りに沢山のシャクナゲに,同行のTKさんが,
「わぁ・・・凄い!」
と大きな声をあげる。ここで再び休憩を取る。大きなシャクナゲの木の下で,何人かの仲間が,写真を撮っている。

<シャクナゲの林が広がる>
13時43分に広場を出発する。かなり急な下り坂が続く。次々と三つの広場を通り過ぎる。やがて,長い石段に出る。13時53分,石段を下り終えると,大きな看板が眼に入る。看板には,
“Welcome to CHOTERAPANI and PUNHILL”
と書いてある。ここが,今日私達が宿泊するコラパニ(2,830m)である。

<トレッキング寸景>
左上:途中で通過した集落 右上:緩やかな上り道を行く
左下:シャクナゲの林 右下:コラパニの市街地
<コラパニの午後>
■大都会のコラパニ
コラパニは,これまでの集落に比較すると,大都会である。私達が宿泊するテント場の周りには沢山の家が建ち並んでいる。広場の片隅には,大きなパラボラアンテナが地面に直置きされている。
14時38分から,コラパニの中心街を散策する。テント場の端から,数十段の石段を登ると,広い道が広場のようになっている。この広場を囲むように,10軒ほどの店が並んでいる。どの店も照明がなくて薄暗い。ほんの数十冊の本を並べた本屋もある。民芸品や衣料を売っている店もある。結構,観光客が辺りをぶらついている。白人が意外に多い。
私も数軒の店をハシゴしてみるが,勿論,特段に欲しい物はない。

<コラパニのテント場:片隅にパラボラアンテナがある>
■3時のティータイム
14時55分にテント場に戻る。戻った途端に雨が降り出す。アッという間に雨足が強くなる。テントに雨粒が当たって,パタパタと音を立てる。
15時から食事後屋でティータイムになる。雨は止んだが,気温が大分下がり,寒くなる。温かいお茶を飲みながら,雑談に耽る。30分ほどで流れ解散となるが,HAガイド,仙人,私の3人が,そのまま居残って雑談を続ける。山男の仙人から終始山の話題が出てくる。
■大音響の雷
17時頃,自分のテントに引き揚げる。シュラフに入ったまま,テントの中から,お茶を飲んだ食事後や辺りをスケッチする。
兎に角,寒い。私は,明日の朝,かなり寒いのではないかと,気になり始める。そこで,先ほどブラブラした街まで出て,防寒頭巾を買うことにする。街には,照明がないので,辺りは真っ暗である。どの店も,暗闇の中で商売をしている。私は,何となく不格好だが,手編みの防寒頭巾を200ルピーで購入する。
テントに戻る。途中,食事小屋の前を通ると,中で何人かの仲間が雑談している。私は,一旦テントに戻ってから,直ぐに食事小屋に向かう。小屋の中央にはストーブが赤々と燃えている。
18時10分,突然,ドスンという大音響が響き渡る。雷鳴である。同時に,猛烈に激しい雨が降り出す。辺りが真っ暗になる。暗い中で身動きもできないので,椅子に座ったままジッとしている。雷が落ちてから,10分ほどで,食事係がランプを持ってくる。柱にランプを吊すと,辺りは生き返ったように明るくなる。

<食堂小屋とキッチン>
※左側の青い建物が食堂小屋,右の木製の粗末な小屋がキッチン
<コラパニの夕食>
■美味しい夕食
18時30分から夕食である。午後のティーブレークと同じ食事小屋で夕食を摂る。
メニューは,チャーハン,ガーリック入りスープ,フライポテト,サラダ,ポプコーンなど。それにパイナップルのデザートである。どれも美味しい。日本人の口に合うように,良く研究されている。

<コラパニの夕食>
■明日の予定
夕食後,HAガイドから,明日の行動予定の説明がある。
明日は,早朝,4時45分に歩き出し。非常に寒いので,防寒対策をバッチリしてくれと注意される。約1時間登って,プーンヒル山頂に到着する。そこで日の出を見ながら,アンナプルナ,ダウラギリなどの山々を見物する。
その後,テントに戻って,朝食を摂る。朝食後,明日の宿泊地,ヒレを目指して出発するとのことである。
19時15分にお開きになる。直ぐに自分のテントに戻り,シュラフに潜り込む。20時頃,就寝。
(つづく)