梅雨＝紫陽花と連想しますが、上品で雅なかな「はなしょうぶ」も梅雨の時期に咲く花の一つです。６月上旬から７月上旬が開花時期になります。現在、観賞されている「はなしょうぶ」は、日本や朝鮮半島からシベリアにかけての草原や湿原に自生するアヤメ科のはなしょうぶから生まれた園芸品種で、品種改良が始まったのは江戸時代中期からといわれ、江戸（東京）や肥後（熊本）、伊勢（三重県松阪）地方でそれぞれ独特の系統から生まれました。江戸系は、丈夫で栽培しやすく庭園用として群生美を楽しむために育成されました。肥後系は、草丈が低く、花が大きく豪華。これに比べ、伊勢系は、花弁（花被弁）が深く垂れ上品で雅やかなのが特徴です。大船植物園には、大船系（かって大船にあった神奈川県農事試験場で品種改良され、育成された品種）、江戸系、肥後系および伊勢系など約１８０品種１３００株が栽培されています。写真は、江戸系の「水の光」