耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

一時停止違反

2013年03月27日 10時28分04秒 | 都会の風景
 市川のローカルな道で一旦停止の取締りに引っ掛かってしまった。
正式には指定場所一時不停止というらしい。

 一旦停止標識の影に警官が二人隠れていたらしく、次の路地の入口
で停められた。

スピードとか駐車違反は、悪いことをしたという後ろめたさが有るが、
今回は取締り中だと言うことに気が付かなかったという、不注意は反省
するが、全く罪悪感は無く、お役所仕事に対する憤りが残るだけだ。

 今反省しているのは、私の違反を摘発した警官を尋問し損なったこと
である。身分証明を確認し、顔写真を撮影した上で、違反の事実を説明
させるべきであった。
 停止すべき位置で私が何をしたのか、しなかったのか、その時の時速
はどの位で、どういう運転をしていたのか。それが取り締まりの対象と
して妥当かどうか、客観的に判断出来る材料を呈示させるべきであった。

 いや、そうではないかもしれない。
 悪法も法なりと言う。杓子定規な一旦停止でも停止しないのは違反だ。
交通違反で争っても勝ち目はないという。警官が違反を確認したと言えば、
よほどの証拠を提示しない限り裁判に負ける。

 私が違和感を感じて、取り締まりの若い警官に主張したのは、違反の
事実の有無ではなかった。端的に言えば、私は標識を見落としたし、
だから一旦停止の動作を怠った、のだと思う。しかし、だからどうなんだ、
と言いたい。

 全ての一旦停止違反を摘発しているか?そんなことはできないし、
もしできていたら大混乱になって居るだろう。そこを裁量して、悪質な
違反だけを摘発するのが、法の執行者の務めであろう。

今日の取り締まりは、その意味で公務員としてあるべき姿を逸脱して
いた、と言わざるを得ない。


 知らない道だからスピードは出して無いし、交差点だから左右を確認
して超安全運転だった。
 一旦停止しなかったのはいけなかったと思うが、ゆっくりと左右を
確認して居るんだから、そこにお巡りが居るんなら、止まれと何故言わ
ない、と言ってやったら、その事には答えられず、道交法に基づいて
取り締まる、の一点張り。安全や円滑な交通等、本当に守らなければ
成らない事ではなく、便宜的に決められたルールを盾に取り、違反を
摘発する事だけを目的にしている。
 違反を犯しそうなら、止めるのも警官の職務だろう、と言っても、
今は取締り中だと言うばかり。

 違反を無くすことが目的ではなく、うっかり規則を守らなかった
善良な市民を摘発することが目的なのだ。

 私は法律に違反したかもしれない。多分彼がそう主張するのだから、
一旦停止違反を犯したのだろう。しかし、ドジを踏んだとは思っても
悪いことしたとは思っていない。法律の目指すところを侵していない
からである。
  安全は確認して居る。それはそのお巡りも認めた。ただ杓子定規な、
形式的な手続きを怠っただけである。



 公僕としての警官は、一旦停止違反を摘発することと、停止しない
ことによって生じる安全上の問題と、どちらを優先すべきか。
 もし安全を優先するなら、コソコソ隠れていないで、停止しない車を
停めさせるとか、するべきことがあったのではないか。
 今ここで殺人が起きようとしたら、一旦停止なんか放り出して殺人の
防止に駆け付けるだろうし、ぜひそうして欲しい。

 安全は確認していた、と警官も認めているのに、形式的な停止のふり
をしなかったことは、7千円の罰金に相当する程、凶悪犯なのか。

 法の執行者には裁量権が預けられていると思う。
だって少々制限速度を超えても、それで安全が保たれて、法の目指す
ところが守られていたら、捕まえたりしないじゃ無いか。


 あの若い警官には是非、悪いことをしてしまったと、反省して欲しい。
何故なら上司の命令を守ることによって、公務員としての責任を放棄し
義務に反したからである。
公務員は、法を規範にすべきではあろうが、法の精神を何より大切に
するべきである。法を執行する時に、法に盲従してはいけない。

 NETには、姑息な交通取締への不満が溢れている。公務員は国民の
ために何をしなければならないか、優先課題は何か、を常に追求して
欲しい。
 それが欠如するから、原発事故や地震災害復旧の遅れが発生してい
るのではないか。


 孔子は言った。七十而從心所欲不踰矩(心の欲する所によりて矩を
こえず)と。ここに言う矩(のり)とは便宜的な法律では無くて、人の
道である。

 恣意的に法を振りかざせば、誰でも捕まえることが出来るだろうし、
戦前のオイコラ警察、特高警察に逆戻りすることも、簡単なことだろう。

 国民から力を預けられた者は、その力を悪用しないよう、常に心して
もらいたいものである。






最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (崇仁)
2013-03-27 18:04:57
ご愁傷様でした。
もっと国家権力と戦って欲しかったですね。
返信する

コメントを投稿