去年、フィンガーマークスにやってきた大きなフレームのソファ。
フィンガーマークスの大切な在庫として、
これは修復すればかっこよくなりそう!という期待をしていましたが、
木枠がぐらついていて、生地も擦り切れていたので、
これは大きな作業になりそう…という予感がしていたのでした。
まずは張替から。
フレーム本体の上に大きな座面とクッションが載っているという構造です。
座面をはがすと、しっかりと組まれたコイルバネがありました。


「これ、糸が8本に組んであるやろ。コイルバネの組み方で一番丁寧な方法やねんで」と張り職人の高居さん。
驚くことに、フレームは接着がはずれていたものの、座面の底落ちはなかったのです。
釘で張地が留められているのは40年以上が経過している証拠。
丁寧な手しごとはこんなにも家具を長持ちさせるのだと、改めて感じます。

コイルバネは金属製なのでその錆は経年変化によるもの。
これをそのまま使うことはできないので、
今回は一般的なソファで本体の底によく使われているSバネとウェビングの組み合わせでしっかりと組みなおすことになりました。

選んだ張地は海外製の生地!
このストライプ、出来上がりのラインが座面と背面でうまく流れるように、
出来上がりをイメージしながら裁断していく必要があります。
カットしたあとも、縫製でズレがでないように慎重にミシンをかけます。
小さなずれがラインに表われてしまうため、ストライプの生地はとても難しいと、高居さんはいいます。

何度か座りながら試して、仕上げのクッションを作ります。

しかし!
仕上がりに納得がいかず、もう一度背クッションを作り直していただくことに。
こだわるスタッフで申し訳ありません!


一方、こちらはフレームの組み直しと、再塗装。
今回はフレームを一旦解体し、組み直したあと、
肘を中心に塗り直しをしていきました。


そして完成したリメイクソファ。
大人が横になっても余裕のあるゆったりしたサイズ。
ビンテージならではのデザインです。

昔の職人のこだわりがたくさん詰まったビンテージソファ。
職人の丁寧な手しごとで作られたものだからこそ、
こうしてよみがえらせることができました。
新しいものを作るとき、古いものを修復するとき、
ずっと先のことを考えていくことが大切なのだと感じさせられたリメイクでした。
修復の写真はfacebookアルバムでもご覧いただけます。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.325391590873230.78018.129502090462182&type=1
こちらのソファを店頭で販売しています。
リメイク・ストライプビンテージソファの商品ページ
http://www.fingermarks.net/hanbai/used/items/s-56/index.html
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