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家具修理&リメイクの、京都市【家具クリニック】のブログ

京都市、家具修理専門【家具クリニック】から、家具修理・リメイク・オーダー家具をご紹介します

古いソファの中に残された手しごと

2012年06月09日 | 新着情報



去年、フィンガーマークスにやってきた大きなフレームのソファ。

フィンガーマークスの大切な在庫として、
これは修復すればかっこよくなりそう!という期待をしていましたが、
木枠がぐらついていて、生地も擦り切れていたので、
これは大きな作業になりそう…という予感がしていたのでした。





まずは張替から。

フレーム本体の上に大きな座面とクッションが載っているという構造です。

座面をはがすと、しっかりと組まれたコイルバネがありました。









「これ、糸が8本に組んであるやろ。コイルバネの組み方で一番丁寧な方法やねんで」と張り職人の高居さん。

驚くことに、フレームは接着がはずれていたものの、座面の底落ちはなかったのです。



釘で張地が留められているのは40年以上が経過している証拠。
丁寧な手しごとはこんなにも家具を長持ちさせるのだと、改めて感じます。










コイルバネは金属製なのでその錆は経年変化によるもの。
これをそのまま使うことはできないので、
今回は一般的なソファで本体の底によく使われているSバネとウェビングの組み合わせでしっかりと組みなおすことになりました。










選んだ張地は海外製の生地!

このストライプ、出来上がりのラインが座面と背面でうまく流れるように、
出来上がりをイメージしながら裁断していく必要があります。


カットしたあとも、縫製でズレがでないように慎重にミシンをかけます。
小さなずれがラインに表われてしまうため、ストライプの生地はとても難しいと、高居さんはいいます。








何度か座りながら試して、仕上げのクッションを作ります。






しかし!
仕上がりに納得がいかず、もう一度背クッションを作り直していただくことに。
こだわるスタッフで申し訳ありません!










一方、こちらはフレームの組み直しと、再塗装。


今回はフレームを一旦解体し、組み直したあと、
肘を中心に塗り直しをしていきました。













そして完成したリメイクソファ。

大人が横になっても余裕のあるゆったりしたサイズ。
ビンテージならではのデザインです。








昔の職人のこだわりがたくさん詰まったビンテージソファ。

職人の丁寧な手しごとで作られたものだからこそ、
こうしてよみがえらせることができました。


新しいものを作るとき、古いものを修復するとき、
ずっと先のことを考えていくことが大切なのだと感じさせられたリメイクでした。






修復の写真はfacebookアルバムでもご覧いただけます。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.325391590873230.78018.129502090462182&type=1



こちらのソファを店頭で販売しています。
リメイク・ストライプビンテージソファの商品ページ
http://www.fingermarks.net/hanbai/used/items/s-56/index.html



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職人のいる家具店・フィンガーマークスのサイトはこちら
http://fingermarks.net/


家具クリニックのサイトはこちら
http://www.kaguclinic.net/



椅子を張り替えるワークショップ!

2012年06月03日 | 新着情報


お客様からのお声の多かった「椅子の張り替え」のワークショップを
6月23日(土)に開催します!

「自分の椅子を張り替えるワークショップ」



いつもにこにこ、やさしい椅子張り職人・高居さんが講師です。


はじめての方でももちろん参加いただけます。

椅子の張り替えをご検討の方、ぜひお問い合わせくださいね!


詳しくはこちらのページで⇒「自分の椅子を張り替えるワークショップ」







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私たちが目指すもの

2012年06月01日 | 新着情報

日々、家具修理をしている私たち。

私たちが家具修理に取り組む理由は、
あるところにありました。

今日、サイトにアップした「私たちが目指すもの」。

私たちの考えるモノへの想いを、
ひとりでも多くの人に共感していただけるとうれしいです。


http://fingermarks.net/finger/company/concept.php




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テーブルのキズを直す塗り直し

2012年05月14日 | 新着情報




お客様からお預かりしたのはこたつの天板
一見、新品のように見える天板ですが、角度を変えると現れるキズが気になられていました



何やら塗装を重ねたような跡もありました。











さっそく天板の塗装をはがしていきます。











しかし、今回は剥離溶剤が効かない塗装だったため、ヘラで少しずつこそぎ落としていくことになりました












数mmずつ前に進む、地道な作業が続きます。








作業場にキラキラとした塗装の塵が美しく舞います。
職人にとっては目に入ると痛い作業のようですが…


一日かかってようやく下地が全面に見えてきました。










次は機械をつかってサンディングしていきます。











縁も丁寧に。
細かい部分は手作業です。




すみません、塗装中の写真がありませんが…

塗装完了です!








一枚目の写真とは違う艶を取り戻しました。




それまであまり見えなかった美しい木目も現れて
前よりもぐっと雰囲気を増したテーブルになりました。











角のほんのりとした艶も光に照らされて輝きます。








リビングに新しい風が吹くような、艶を取り戻した天板。

美しいものほど、隠れてしまう作り手の影。
人の手が作り上げたように見えない仕上がりにこそ、
職人の誇りが垣間見えるのです。







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食卓テーブルのこげ跡を修復する

2012年05月11日 | 新着情報


こげ跡の目立ってしまったテーブルが、
美しいテーブルが仕上がるまでの、隠れた物語をご紹介します。




焦げあとが目立つ大きなダイニングテーブル。
すべて削って塗り替えることになりました。











まずは剥離溶剤を使って手作業で塗装をはがしていきます
ヘラを使ってひと掻きひと掻き、全身を使って作業します。










表面の分厚い塗装がほぼはがれたら、
今度はペーパーが高速回転している機械でサンディング
焦げあとが消えるのはこのときです
なかなか深くまで焦げ跡がのこっているときは、何度も何度もサンディングを繰り返します。











表面の調整が終了したら、今度は下地となるクリアのウレタンを塗布します。色がついているように見えますが、透明のウレタンを塗布すると写真のように少し濡れ色になります。









そしてこの次は、この下地を手作業で削っていきます。










クリアのウレタンを削っていくので、職人は全身粉まみれ
頭も手も、真っ白になって作業をしていきます。

この作業が仕上がりのなめらかさに影響するため、
このサンディングがとても重要なのです。




このあと、ほんの少し着色をしたウレタンを重ねていきます。
写真にはありませんが、このあともう一度手作業でこのウレタンをサンディングしていくんです。











塗装完成です。

焦げあとがあったことさえ忘れさせてしまう、つやのある仕上がりになりました。

職人の手が作り出したことも隠してしまうような、美しい仕上がりです。




テーブルの塗り替えはサイズや形を問わず、
修復が可能
ですので、お気軽にご相談くださいませ!




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