懐かしい声
バイからの電話がないまま不安な夜が明け、南国の鳥の鳴き声に目覚めると、
朝焼けに輝く海と心地よい潮騒がクリスマスイブの始まりを教えてくれた。
午前7時過ぎ部屋の電話が突然鳴った。
英語で「メリー・バイさんからお電話が入ってます」と言ったように聞こえた。
すぐ繋いでもらうと懐かしいバイの声である。
「おはようございます、バイですロッキーさんから聞きました、とても嬉しかったです。
いつ来たんですか。今日は何をしますか?」と立て続けに尋ねてきた。
日本にいたときより日本語が上手になっているような気がした。
妻に代わると昨日までの不機嫌な声とは別人のように、明るく楽しそうに笑顔で話している。
彼女も不安な夜を過ごしたのだろう・・・。