川畑です。
気がつくと、長い間ジュエリーに関わるお仕事をしています。
リフォームのご相談も承るようになって結構になりました。年も取りました。
以前も少し書きましたが、リフォームのご相談を承る際、
そのジュエリーの経緯というかプロフィールのようなお話を伺うのが大好きです。
もちろん、差し障りのない程度でです。(家政婦は見た!も好きではありました)
ジュエリーを譲り受けられた方は、その贈り主のお話を...
その方が、「いかにジュエリーがお好きだったか」「どうしてこちらを買われたのか...」などなど
ご自身で買われた方は、その ”経緯” や ”なぜリフォームに至ったか” を...
意外とみなさんたっぷりお話してくださいます。
去年購入したものをリフォーム、ということはあまりないので、
長い年月を経て、いろんな思いやドラマ(あえてこの言葉を!)を抱えてやってきたジュエリーのお話。
このお話を伺うのがとても楽しい。
昨年、横浜の髙島屋さんで ”crochet” ピアスをご購入くださったMさんが、
お手持ちのジュエリーのお修理のご相談に、ピエスへご来店くださいました。
ですが、ちょうどまたもや横浜髙島屋さんのイベント中で、
修理ご相談担当の私も不在で、店内も商品が全くなくガランとした状態でした。
その際、ピエスで今澤さんの着けていた私物の『Délice』のレッドルチルと
諸事情で、唯一残っていた『also』さんのリングを気に入って頂いたとのことで、
髙島屋さんの POP UP の店頭へ、リングのオーダーにお立ち寄り頂くことになりました。
それを聞いて私は...
「ピエスの店内に商品が何もなかったので、今澤さんは自分のリングをご案内したんだー!」
しかし、唯一あった私物をご覧頂いてのオーダーとは...
気を遣わせてしまったのではないだろうか...
と、勝手に申し訳ないと思いましたので、他の石も色々ご案内させて頂きました。
...が、結局今澤さんと同じ『レッドルチルクオーツ』に落ち着きました。
最初にご覧頂いたものに落ち着くのはよくあることなのです。
そして、お渡しが済み、改めてお手持ちのジュエリーのお修理と
リフォームのご相談でピエスへご来店頂きました。
使わなくなったジュエリーは、お下取りさせて頂くので、
片方だけのピアスや使わないものなど、一緒にお持ち頂きました。
その中に面白いデザインのピアスがあり、
「これかわいいですねー」と私。
「気に入っていたんですが、
片方落としてしまって、作ってもらい...また落として、
そしてまた作ってもらったんですが、また落としてしまって...
好きなブランドだったんですが、ブランド自体なくなってしまって」
「ンンン?!」
あれれ?
このボリューム...なくなったブランド...?
ちょっと待ってくださいよ!
「もしかして ”ルジアダ” ですか?!!!!」
「そうです」
そしてアトリエへ向かって、
「今澤さーーーーーーーん!!!!!」と叫ぶ。笑
※ここで解説です!
『RUGIADA』は4℃と同じ会社のジュエリーブランドで、
フランス在住のフランス人のデザイナーがメインで、
カラーストーンを使ったりボリュームあるフォルムが特徴の、
いわゆる ”自分向け” の ”自家需要ジュエリー” ブランドでした。
その RUGIADA の、他のブランドにはないデザインや、ボリューム感を気に入られて、
毎年ご購入されていたそうです。
ですが、華奢ジュエリーの台頭と地金高騰もあり、時代とともに素材やスタイリングも変化していき…
だんだんと購入もやめられてしまったそうです。
そして、そこからジュエリー自体も買われなくなってしまったそうです。
Mさんが頻繁に購入されていた頃の全盛期の『RUGIADA』。
その頃の、日本のデザインチームの企画マネージャーが、
なななななんと!今澤さんだったのですーーー!
今は、 SNSの影響からか、空前の作家ものブームで、
百貨店やSCの POP UP で、気軽にデザイナーと会うことは多いと思いますが、
●店舗も展開していたブランドのデザイナーと会うことは、
存在自体というか、名前自体知ることはないと思います。
Mさんのものすごい嗅覚というか審美眼、ブレないセンスによって、
髙島屋のたった一週間の POP UP から、
こうやっていま、ピエスのテーブルで『RUGIADA』のご縁が繋がるとは!!
Mさんご自身の、お好きなものを見分けるブレないセンスもすごい!
そして今澤さんのデザイン体幹!
こちらがしっかりしているおかげで、
こうやってMさんと出会えたのではないでしょうか!みなさん!
『Mさんのブレないセンス』と『今澤さんの®️デザイン体幹』が導いたご縁。
”ご縁” って言葉は、若干危険な気がして、気軽に使わないようにしている言葉なのですが、
これはもう紛れもなく『THE ご縁』!
「これをご縁と言わずして何をご縁と言う!」レベルです。ご縁度MAX。
だからブレずに今澤さんの Délice のレッドルチルだったんだ。
あのデザインは、RUGIADAの系譜にあってもおかしくないかもです。
そして、もうひとつ気に入ってくださった、ピエスお取り扱いの『also』さんも、RUGIADA のデザインメンバーだった方なのです!
いやぁ、面白いですよね。
このものすんごい巡り合わせに、猛烈に感動してしまいました!
私がバク転できたならば100回くらいしてしまうくらいの感激です。
Mさんも今澤さんも、嬉しそうではありましたが、
おふたりともあんまり感情を表に出すタイプではないようで、
個人的に若干物足りなくはありましたが、そこがまたステキです!
私の中の『ジュエリー良い話BOX』の上段にくる
ステキなステキなお話をなのでした。
長文失礼しました!
今年もピエスをよろしくお願いいたします!
レッドルチルクオーツリングです。
【 Délice シリーズ 】はこんな感じのオーダーリングです。