少なくとも私の周辺は。
休業してるお店も少ないんだよなぁ。いや店自体が少ないと言うのもあるんだけど…。田舎じゃないよ!?
はい、二次創作。
スーパーとかそういう、日常に必要なお店がメインなのもあるし。
休業が少ないの。
流石にヘアサロンは締めてるけど。それ以外はね。
そんな感じです。
身近に感染とか出てないから。危機感が無いのよ。
ですまーく。
ご当主様とぽやってる探偵の話。
レテの泉に愛は映る
八敷一男の書いたメモ帳は大いに役に立った。
特に印人について。
彼らはよくこの九条館へと訪れる。
陰鬱で、幽霊屋敷だのといわれる九条館へ訪れ自分に向かって親しげに話しかける。
いや、彼らが親しげにしているのは八敷一男ではあるが。
九条の人生ではこれまで無かった経験ゆえ、妙な気持ちになってしまうのだ。
記憶が戻ったとは告げていない。面倒なことになるのが目に見えているし、彼らにとっての九条正宗は八敷一男なのだ。否定などされたくは無い。
もとより八敷一男もそれほど社交的ではなかったようで、聞き役に徹し適当に相槌を打っていれば気付かれることはなかった。
改めて九条館の中を見回る。
使用されている一部の部屋以外は手付かずで、サヤの部屋も同様だった。
何も変わりの無いサヤの部屋へと足を踏み入れたときは少しほっとした。
なにせ怪異との戦いで手に入れた様々な品を飾っている部屋を見たときは頭を抱えたし、キッチンの戸棚にぎっしり詰まった大量の砂糖の袋には狂気を憶えたから。
八敷一男の精神状態には何がしかの問題があったのではなかろうか。
だが、何よりの問題は。
「・・・八敷?」
真下のことだ。
ここ数日、彼は九条に世話をされながらも普通に過ごしていた。同じベッドで眠るのも戸惑いはあったが受け入れた。一人でベッドに寝かせると寂しそうな顔をしたから。
だから今日も同じように眠るつもりだった。
だが、これは無い。さすがにまずい。
現在九条は真下によってベッドに押し倒されている。
しかもご丁寧に九条の寝衣に手をかけて。
彼はいつものぼんやりとした表情のまま首を傾げて、
「・・・しない・・・のか?」
尋ねるのだ。
待て、本当に待て。
今の状況の意味がわからないほど九条は純粋ではない。
だが、だとしたら。
八敷と真下はそういう関係だったのか? むしろこんな状態の人間に手を出したのか。
ほとばしりそうな叫びを飲み込み、かわりに真下の手を引き剥がす。
「・・・やめろ!」
思ったよりも低い声が出る。
ぴくり、と。真下の肩が怯えた様に揺れた。
とにかく九条に取っての危機的状況を何とかするために、まず衣服を整え真下をベッドへと横たえると窺うように見上げる彼を優しく撫でてやった。
幼い頃よく妹にそうしたように、眠気を誘うためにリズムをつけて。
そのうちにうとうとし始め真下の瞼が下がりだして、そのまま寝息となり。
それを見届けて、九条は安堵の溜息。
本当に、本当に助かった。
メモ帳から読み取った八敷一男という人間は多少感覚のずれはあるものの、九条正宗とはそれほど遠くない人間であったはずだ。
記憶が戻らないことが原因で自分が九条正宗とは思えないと綴ってはいたが、それでもまったくの別人というわけでは無い。
なのに、これは無い。
九条は男に興味は無い。
成人をとっくに過ぎた男であるからそういった行為は経験済みだが。相手は全て異性だ。
これまでの人生で一度だって男に欲情したことは無いのだ。
確かに、日常のふとした瞬間に真下の仕草に何かを感じることはあった。それは認めよう。
だがそれは九条自身の感情というよりは、身の内にいる別の誰かから湧き上がるようで。
八敷一男のものであったのだろうかと、いまさら判断する。
「勘弁してくれ」
くしゃりと前髪を掻き揚げ、いささか躊躇ったものの九条もベッドに横になる。
視界に入る真下の寝顔は穏やかで、なんの憂慮も感じておらず。
なんだか理不尽だと思った。
ちょいっと指を伸ばして頬を突いて、彼が眉を顰めたのを見ていくらかすっとしたからか欠伸がこぼれ。
九条も目を閉じた。
休業してるお店も少ないんだよなぁ。いや店自体が少ないと言うのもあるんだけど…。田舎じゃないよ!?
はい、二次創作。
スーパーとかそういう、日常に必要なお店がメインなのもあるし。
休業が少ないの。
流石にヘアサロンは締めてるけど。それ以外はね。
そんな感じです。
身近に感染とか出てないから。危機感が無いのよ。
ですまーく。
ご当主様とぽやってる探偵の話。
レテの泉に愛は映る
八敷一男の書いたメモ帳は大いに役に立った。
特に印人について。
彼らはよくこの九条館へと訪れる。
陰鬱で、幽霊屋敷だのといわれる九条館へ訪れ自分に向かって親しげに話しかける。
いや、彼らが親しげにしているのは八敷一男ではあるが。
九条の人生ではこれまで無かった経験ゆえ、妙な気持ちになってしまうのだ。
記憶が戻ったとは告げていない。面倒なことになるのが目に見えているし、彼らにとっての九条正宗は八敷一男なのだ。否定などされたくは無い。
もとより八敷一男もそれほど社交的ではなかったようで、聞き役に徹し適当に相槌を打っていれば気付かれることはなかった。
改めて九条館の中を見回る。
使用されている一部の部屋以外は手付かずで、サヤの部屋も同様だった。
何も変わりの無いサヤの部屋へと足を踏み入れたときは少しほっとした。
なにせ怪異との戦いで手に入れた様々な品を飾っている部屋を見たときは頭を抱えたし、キッチンの戸棚にぎっしり詰まった大量の砂糖の袋には狂気を憶えたから。
八敷一男の精神状態には何がしかの問題があったのではなかろうか。
だが、何よりの問題は。
「・・・八敷?」
真下のことだ。
ここ数日、彼は九条に世話をされながらも普通に過ごしていた。同じベッドで眠るのも戸惑いはあったが受け入れた。一人でベッドに寝かせると寂しそうな顔をしたから。
だから今日も同じように眠るつもりだった。
だが、これは無い。さすがにまずい。
現在九条は真下によってベッドに押し倒されている。
しかもご丁寧に九条の寝衣に手をかけて。
彼はいつものぼんやりとした表情のまま首を傾げて、
「・・・しない・・・のか?」
尋ねるのだ。
待て、本当に待て。
今の状況の意味がわからないほど九条は純粋ではない。
だが、だとしたら。
八敷と真下はそういう関係だったのか? むしろこんな状態の人間に手を出したのか。
ほとばしりそうな叫びを飲み込み、かわりに真下の手を引き剥がす。
「・・・やめろ!」
思ったよりも低い声が出る。
ぴくり、と。真下の肩が怯えた様に揺れた。
とにかく九条に取っての危機的状況を何とかするために、まず衣服を整え真下をベッドへと横たえると窺うように見上げる彼を優しく撫でてやった。
幼い頃よく妹にそうしたように、眠気を誘うためにリズムをつけて。
そのうちにうとうとし始め真下の瞼が下がりだして、そのまま寝息となり。
それを見届けて、九条は安堵の溜息。
本当に、本当に助かった。
メモ帳から読み取った八敷一男という人間は多少感覚のずれはあるものの、九条正宗とはそれほど遠くない人間であったはずだ。
記憶が戻らないことが原因で自分が九条正宗とは思えないと綴ってはいたが、それでもまったくの別人というわけでは無い。
なのに、これは無い。
九条は男に興味は無い。
成人をとっくに過ぎた男であるからそういった行為は経験済みだが。相手は全て異性だ。
これまでの人生で一度だって男に欲情したことは無いのだ。
確かに、日常のふとした瞬間に真下の仕草に何かを感じることはあった。それは認めよう。
だがそれは九条自身の感情というよりは、身の内にいる別の誰かから湧き上がるようで。
八敷一男のものであったのだろうかと、いまさら判断する。
「勘弁してくれ」
くしゃりと前髪を掻き揚げ、いささか躊躇ったものの九条もベッドに横になる。
視界に入る真下の寝顔は穏やかで、なんの憂慮も感じておらず。
なんだか理不尽だと思った。
ちょいっと指を伸ばして頬を突いて、彼が眉を顰めたのを見ていくらかすっとしたからか欠伸がこぼれ。
九条も目を閉じた。
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