日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

消失

2008-03-27 00:06:06 | 零崎
昨日の日記です。せっかく書いてた小話が消えやがりましたv
ちょ、おま! あと少しで完成だったのに!!一気にテンションダウン。あー畜生が…というわけですよ(待て)。
いつもどおりの思いつき駄文です。曲識さんと舞織ちゃんの仲が悪いです。そんなの御免だね!といわれる方は回れ右!でお願いします。




曲識は目の前の光景に、眉をしかめた。
リビング。大きいのソファ。
腰掛けるふたり――零崎双識と零崎舞織。
歓談している。
それは良い。それは良いのだ。
ただ、舞織はくっつきすぎてはいないだろうか。
身を寄せて、べたべたと触って。
――気に入らない。
そう思った。
なぜだか分からないが、そう思った。
そもそも双識は自分からスキンシップを取るタイプで。
誰かが積極的に双識に対してスキンシップを取る事はこれまでほとんどなかった。
軋識も人識も双識のスキンシップを嫌そうに振りほどいていたし。
曲識はもちろん甘受していたけれど。
感情を表に出さない曲識が、双識に懐いているのは一賊全員が知っている事実。
新しく出来た妹と兄の仲が良いのは知っているし、何より兄が楽しそうだから。
だから、それで良いと思っていたのだ。
それを見るまでは。
舞織と目が合った。
それだけなら良かったのに。
勝ち誇ったような視線を向けて、さらには双識に抱きついたのだ。
曲識はその耽美な顔立ちに苛立ちを受かべる。
ぶっちゃけると、ムカついた、だ。
つかつかと。
背後からソファに近付き、双識に手を回して、もう一方の手を舞織の顔あたりへとやって。
押しのけた。
「へ? え、トキ?」
「レンに近付くな」
「うなな! 何するんですか、オニーサン?」
手を振り解き、ぎらりと睨む。
射殺さんばかりの視線を受けて、それでも曲識は平然と。
「レンは家族が好きなんだ。君が特別なわけじゃない」
「へぇ~えぇ? そうですかー。でもお兄ちゃんだって曲識のお兄さんみたいな愛想の無い人に好かれるより、舞織ちゃんみたいな可愛い可愛い女の子に好かれた方が嬉しいですよね」
ねー、お兄ちゃん♪
にっこり。けれど目はまったく笑っていない。
「え、えと、あの…舞織ちゃん? トキ?」
おろおろと、訳が分からず二人の顔を窺う長兄。
「レンだって君みたいな腹黒に好かれても嬉しくないだろう。家族でなければ相手にされないさ」
「そうですかー? でもそれを言うなら曲識のお兄さんも同じじゃないですかぁ?」
挑発的な笑み。
双識は確かに見た。
二人の間に激しく飛び散る火花を!
曲識はやはり無表情のまま。
舞織はこれでもかってほどの笑顔のまま。
「君には目上の家族を敬うという一般常識を教える必要があるな」
「お兄さんこそ女の子には優しくしなくちゃいけないというマナーを知らないんですかぁ?」
間に挟まれ怯える兄を無視して。
得物を構え――振るった!
零崎スタート!!
どぉん!! ズバァズババッ!!
殺人鬼同士の喧嘩に、容赦なんぞ一切無かった。
「え? え? えええええぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??」
悲鳴を上げる兄の存在もどこ吹く風。
リビングのTVもテーブルも花瓶も何もかもを巻き込みながら、二人の喧嘩は激しさを増してゆく。
「どうしたっちゃか!?」
不穏な気配と轟音を聞きつけて、ドアを蹴破る勢いで駆け込んできたのは次兄軋識。
「あ、あ、アスーアスーアスー!!」
怖かったよーと、半泣きでしがみついてくる双識に戸惑いながらも慰めて。
殺しあう二人と部屋の惨状と双識を見比べて、納得した。
――ああ、またか。
曲識と舞織の仲が悪いのは知っている。
仲が悪いというか、相性が悪いというか。
さらに悪いのは二人が揃って長兄に懐いていることだ。
普段はそうでもないのだが、双識が絡むとこの二人の仲はマイナスをぶっちぎる。
しかも懐かれている本人が、どうして二人が喧嘩するのかその理由をまったく理解していない。
家族を愛するがゆえが、まさか自分を巡って争っているなどと考えもつかないのだろう。
……はぁ………。
「いい加減にしてくれっちゃ」
深い深いため息。
「レン、行くっちゃよ」
「え、でも二人を止めないと…」
「放っておくっちゃ。あれはじゃれあいみたいなもんだっちゃ」
腕を取り、ためらう双識を強引に外へと連れ出した。
付き合いきれないというのが、正直な感想。
家を出るとき、ちらりと二人の様子を盗み見る。
衝撃波が壁を砕き、ナイフが閃く。
曲識の歌で舞織がふらつき。舞織のナイフで曲識のタキシードが裂ける。
収まる気配は一向に無く。
――勝手にやっといてくれ。
軋識は内心で呟き。
困り顔の双識の手を引いて、すたすたと歩いていった。

軋識が双識を連れて行ったことに気付いた曲識・舞織に怒りの矛先が軋識に向かうまで、あと一時間。


漁夫の利? この世知辛いご時世でそんなおいしい役どころ認めませんよ?

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