ちょっとよくわかんない天気です。
出来れば晴れて欲しいんだけどなー。
いや布団干したいですよ。布団干すことしか考えてないわけではありませんが。
誰だってふっかふかの布団で寝たいじゃないか!!
ほい、前々回からの続きの虎&兎でっす!
今月に出るゲームでとーきょーじゃんぐるってあるじゃないですか?
あれ、ちょっと欲しい。
宣伝PV見たけど面白そうw
ところで土佐犬はわかるし、ネコも大丈夫でしょうけれど…ポメラニアンとひよこは生き残らせる気ないだろ?
捕食される側じゃねぇか、完璧に…。
タイガー&バニー。
つづきです。
スカボロー・フェアに終曲を
1部HEROと2部HERO。トレーニングルームは同じジャスティスタワー内にあり、けれど使用フロアは当然ながら異なっている。
更に規模や器具にも違いはある。
HEROTVのメインである1部のフロアは広々として、トレーニング用の器具も最新のものばかり。
対して2部のフロアは狭く、器具だって旧式、というかお下がりの様なもの。
しかしそれでも2部の彼らは腐ること無く妬むこと無く、日々トレーニングに励んでいる。
そんな2部のフロアに、いないはずの人物たちがいた。
1部のHEROだ。
彼らはここ最近毎日の様に顔を出す。入り浸る。
目的は虎徹。
つい先日まで毛嫌いしていたくせに。アレだけ悪し様に罵っていたくせに。
今ではとても親しげに誰よりも近しい者であると言わんばかりに、彼に接している。
ある日突然押しかけてきて肩を震わせ、目を潤ませ、嗚咽で言葉を詰まらせて。中には真っ赤に泣きはらした目をした人もいた。
すまなかった!ごめんなさい!と、謝罪を口にして。
それだけで、まるで全てを無かったことの様にして、虎徹に笑いかけるのだ。
正直、どうかしているとしか思えない。
容易く掌を返した態度に、後輩HEROたちはますます不信の目を向ける。
彼らには恥じ入るという感情が無いんだろうか?
どうしてこうも堂々と、彼の前に顔を出せるのだろうか?
それでも渋々彼らがここいることを許すのは、虎徹が受け入れたからに他ならない。
謝罪の言葉を、透明な笑みを湛えた虎徹が受け入れたから。
でなければ例え先輩であろうとも、たたき出している。
そんな心情にも気付かずに、彼らはそれは嬉しそうに虎徹に話しかけている。
「ねぇねぇ、タイガー。今度一緒にご飯食べに行こうよ! 僕美味しいお店を見つけたんだよ!」
「あ、あの僕も! そ、の美味しい和食の店を見つけたんです。良かったら、その、僕とも…」
「……お店、来ないの? あ、勘違いしないでよ!? 別に歌を聴きに来て欲しいってわけじゃなくて、その最近見ないから…!」
「おう、虎徹また呑みに行こうぜ。お前の好きそうな店を見付けたんだ」
「ワイルド君! 私とジョンの散歩に行こう。そして行こう! ジョンも会いたがってるよ!!」
纏わり着く彼らに、虎徹はやはり笑うだけ。
気付かない。気付いていない。
ドラゴンキッドの頭を撫でることも、折り紙サイクロンに笑いかけることも、ブルーローズに軽口を叩くことも、ロックバイソンの背を親しげに叩くことも、スカイハイの肩を抱くことも、彼は何もしていない。
壁際でその光景を眺めているファイヤーエンブレムに自分から話しかけることは無い。バーナビーの熱を帯びた視線を受け止めない。
彼らはその事実に気付けない。
放っておけばいつまでも留まる彼らに、どんどん2部HEROたちのフラストレーションが溜まってゆく。
彼らが騒ぐ所為で集中出来ず、狭いフロアが更に狭くなる。これではまともにトレーニングも出来やしない。
可愛い後輩たちの様子を察したのは虎徹。
彼は遠慮がちに、しかし怒りに近く眉尻を上げて。
「あのな、会いに来てくれるのは嬉しいんだが、お前たちには専用のトレーニングルームがあるだろう?
いつまでもここにいると2部のこいつらに迷惑が掛かる。お前らは先輩なんだから、考えろよ?」
子供を諭すような声音に、当のHEROたちは顔色を変えた。
真っ先に叫んだのはバーナビー。
掴みかからんばかりの彼に、傍観していた白虎が虎徹の前に進み出る。
騎士を思わせる態度にバーナビーは舌打ちして、虎徹を見詰めた。縋る様に。
「どうしてですか虎徹さん? どうして来てはいけないんですか!?」
「どうしてって…だからなぁ、ほら先輩のお前たちがいつまでもここにいると2部の奴らが集中出来ないんだって。
それにここって、狭いだろ? こんなに人数いたらまともなトレーニングにならないしな。
ああ、だからそんな顔すんなよ? 別に会えなくなるわけじゃないんだからさ」
聞き分けてくれよと、彼は言う。
HEROたちは傷ついた顔を隠そうともせずに、しかし正論ゆえに言い返すことも出来ずに項垂れた。
本当に、どうして彼らは被害者みたいに振舞えるのか。
嫌々ながらに出てゆく背中を見送って、虎徹はまるで自分が悪いかの様に頭を下げた。
「なんか、悪かったな。俺の所為で…」
「いや、違いますよ!? タイガー先輩の所為じゃないですから!!」
「そうですよ、タイガー先輩は悪くありません!」
「先輩が謝ること無いですから、そんな顔しないで下さいよ!!」
逆に慰められて虎徹は頭を掻き、傍らの白虎は微笑んだ。
「ねぇ虎徹さん、どうして戻ってきてくれないんですか? 僕たちバディでしょう」
「もう俺は2部でやってるし、バディは解消しただろ?
それにお前だって知ってるだろ、俺の能力減退のことは」
「それはわかってますけど、でも虎徹さんの分まで僕が頑張れば! バディなんだから僕が貴方をフォローすれば何の問題も無いでしょう?」
「何言ってんだ、俺のフォローなんて現場でそんなことしてる暇があると思ってんのか!?
お前はKOHだろ! 個人の感情で動くな! HEROってのはそんなもんじゃないだろ!!」
「す、すみません…。でもせめて、部屋だけでも戻しませんか? 僕の記憶は戻ったんだし、もう部屋を分けておく必要は無いはずです」
甘えを含む声音でまるで玩具を強請る子供みたいに。虎徹に懇願するバーナビー。
しかし虎徹は頑として首を振らず、やんわりと拒否の言葉を吐き出した。
「う~ん、それもなぁ。もう俺こっちで慣れてるし。向こうの無駄に広い部屋ってなんか落ち着かないんだよ。
それにほら、1部と2部じゃ出動のタイミングだって違うから、やっぱり分けたままの方がいいかもな」
「そんな! 虎徹さん、僕は嫌です!! 貴方と逢えずに過ごすなんて、さび…」
「バーナビー、いい加減にしろ」
目を伏せて悲哀をアピールするバーナビーを遮ったのは白虎。
「いい年した大人が我が侭を言うな。お前が記憶を失っている間ずっと虎徹や周りの人間は迷惑していたんだ。
これ以上迷惑をかけるな」
ぴしゃりと言われてバーナビーは唇を噛む。
悔しそうに白虎を睨みつけるが、彼はさして気にした風もなく傍の虎徹に書類を差し出していた。
席を立ち荒々しく出て行くバーナビーに虎徹は苦笑し、白虎はやはり無表情のまま。
おかしなものだと白虎は思う。
記憶を改竄されている間は自分の所有物の様に執着と同情を込めて白虎を見ていたはずなのに、現在は忌々しい敵としてバーナビーの目に映っているらしい。
虎徹と触れ合う機会が殆どなくなったのも全て白虎の所為だと思っている節がある。
そんな態度だから、家を訪ねても楓に門前払いにされるんだと笑ってやりたくなった。
最も、門前払いは彼だけではなくて1部HERO全員だけど。
ベッドの上で向かい合うそっくりな男二人。
「なぁ虎徹。虎徹は1部に戻るのか? バーナビーのバディに戻るのか?」
「何言ってんだよ、俺は戻らないし、バディは白だろう? ほぉ~ら、そんな顔すんなって、な?」
不安に顔を歪める白虎を抱きしめて、虎徹は笑う。
その背中を抱き返して、白虎は虎徹の肩に顔を埋めた。
「本当に? 俺がバディで良いのか? 虎徹は戻らなくて良いのか?」
「当たり前だろ。そんなこと気にしなくて良いんだよ。白が俺のバディで、俺たちは2部HEROだ。
――それに、お前ならきっとい俺のことを忘れないし」
虚無に満ちた呟きを、白虎は背に回した腕に力を入れることで答えた。
犯した罪には罰が下る。その罰さえも気が付かないと言うのなら。
HEROたちは笑いあう。
幸せに眼が眩み、過去はもう過去でしかなった。
取り戻した真実の中に、確かに自分たちの罪はあるというのに。
「ねぇ、タイガーいつこっちに戻ってくるのかな?」
「能力の減退って言ったものねぇ」
「あいつの性格なら、俺たちの足を引っ張るわけにはいかないって言いそうだよなぁ」
「バーナビー、あんたバディなんだからちゃんとタイガーを説得しなさいよね」
「タイガー殿は、本当に優しい人ですから…」
「私たちに気を遣っているんだね! しかし私ももう一度ワイルド君と共に戦いたい! そして戦いたいよ!!」
「そうですね、僕も早く虎徹さんとバディに戻りたいです」
キラキラと彼らは笑う。
大好きなあの人が自分たちの元へ戻ってくると信じて。
大好きなあの人は自分たちを優先してくれると信じて。
バーナビーも信じている。
彼とバディに戻れると。恋人に戻れると。再びバニーと呼んでくれると。
いつかきっとくるだろう日を思い描いて、笑いあう。
その姿を見るものがいれば滑稽と言うのだろうけれど。
彼らは気付かない。
目を逸らしているのではなく、ただ視界に入らない。
過去は過去でもう終わった。些細なこと。それだけのこと。
だから、笑う。
みらいを、しあわせをしんじて。
愛されたいなんてご冗談! 育んだ愛しいもの全て、投げ捨てたのは何処のどなたかお忘れで!?
出来れば晴れて欲しいんだけどなー。
いや布団干したいですよ。布団干すことしか考えてないわけではありませんが。
誰だってふっかふかの布団で寝たいじゃないか!!
ほい、前々回からの続きの虎&兎でっす!
今月に出るゲームでとーきょーじゃんぐるってあるじゃないですか?
あれ、ちょっと欲しい。
宣伝PV見たけど面白そうw
ところで土佐犬はわかるし、ネコも大丈夫でしょうけれど…ポメラニアンとひよこは生き残らせる気ないだろ?
捕食される側じゃねぇか、完璧に…。
タイガー&バニー。
つづきです。
スカボロー・フェアに終曲を
1部HEROと2部HERO。トレーニングルームは同じジャスティスタワー内にあり、けれど使用フロアは当然ながら異なっている。
更に規模や器具にも違いはある。
HEROTVのメインである1部のフロアは広々として、トレーニング用の器具も最新のものばかり。
対して2部のフロアは狭く、器具だって旧式、というかお下がりの様なもの。
しかしそれでも2部の彼らは腐ること無く妬むこと無く、日々トレーニングに励んでいる。
そんな2部のフロアに、いないはずの人物たちがいた。
1部のHEROだ。
彼らはここ最近毎日の様に顔を出す。入り浸る。
目的は虎徹。
つい先日まで毛嫌いしていたくせに。アレだけ悪し様に罵っていたくせに。
今ではとても親しげに誰よりも近しい者であると言わんばかりに、彼に接している。
ある日突然押しかけてきて肩を震わせ、目を潤ませ、嗚咽で言葉を詰まらせて。中には真っ赤に泣きはらした目をした人もいた。
すまなかった!ごめんなさい!と、謝罪を口にして。
それだけで、まるで全てを無かったことの様にして、虎徹に笑いかけるのだ。
正直、どうかしているとしか思えない。
容易く掌を返した態度に、後輩HEROたちはますます不信の目を向ける。
彼らには恥じ入るという感情が無いんだろうか?
どうしてこうも堂々と、彼の前に顔を出せるのだろうか?
それでも渋々彼らがここいることを許すのは、虎徹が受け入れたからに他ならない。
謝罪の言葉を、透明な笑みを湛えた虎徹が受け入れたから。
でなければ例え先輩であろうとも、たたき出している。
そんな心情にも気付かずに、彼らはそれは嬉しそうに虎徹に話しかけている。
「ねぇねぇ、タイガー。今度一緒にご飯食べに行こうよ! 僕美味しいお店を見つけたんだよ!」
「あ、あの僕も! そ、の美味しい和食の店を見つけたんです。良かったら、その、僕とも…」
「……お店、来ないの? あ、勘違いしないでよ!? 別に歌を聴きに来て欲しいってわけじゃなくて、その最近見ないから…!」
「おう、虎徹また呑みに行こうぜ。お前の好きそうな店を見付けたんだ」
「ワイルド君! 私とジョンの散歩に行こう。そして行こう! ジョンも会いたがってるよ!!」
纏わり着く彼らに、虎徹はやはり笑うだけ。
気付かない。気付いていない。
ドラゴンキッドの頭を撫でることも、折り紙サイクロンに笑いかけることも、ブルーローズに軽口を叩くことも、ロックバイソンの背を親しげに叩くことも、スカイハイの肩を抱くことも、彼は何もしていない。
壁際でその光景を眺めているファイヤーエンブレムに自分から話しかけることは無い。バーナビーの熱を帯びた視線を受け止めない。
彼らはその事実に気付けない。
放っておけばいつまでも留まる彼らに、どんどん2部HEROたちのフラストレーションが溜まってゆく。
彼らが騒ぐ所為で集中出来ず、狭いフロアが更に狭くなる。これではまともにトレーニングも出来やしない。
可愛い後輩たちの様子を察したのは虎徹。
彼は遠慮がちに、しかし怒りに近く眉尻を上げて。
「あのな、会いに来てくれるのは嬉しいんだが、お前たちには専用のトレーニングルームがあるだろう?
いつまでもここにいると2部のこいつらに迷惑が掛かる。お前らは先輩なんだから、考えろよ?」
子供を諭すような声音に、当のHEROたちは顔色を変えた。
真っ先に叫んだのはバーナビー。
掴みかからんばかりの彼に、傍観していた白虎が虎徹の前に進み出る。
騎士を思わせる態度にバーナビーは舌打ちして、虎徹を見詰めた。縋る様に。
「どうしてですか虎徹さん? どうして来てはいけないんですか!?」
「どうしてって…だからなぁ、ほら先輩のお前たちがいつまでもここにいると2部の奴らが集中出来ないんだって。
それにここって、狭いだろ? こんなに人数いたらまともなトレーニングにならないしな。
ああ、だからそんな顔すんなよ? 別に会えなくなるわけじゃないんだからさ」
聞き分けてくれよと、彼は言う。
HEROたちは傷ついた顔を隠そうともせずに、しかし正論ゆえに言い返すことも出来ずに項垂れた。
本当に、どうして彼らは被害者みたいに振舞えるのか。
嫌々ながらに出てゆく背中を見送って、虎徹はまるで自分が悪いかの様に頭を下げた。
「なんか、悪かったな。俺の所為で…」
「いや、違いますよ!? タイガー先輩の所為じゃないですから!!」
「そうですよ、タイガー先輩は悪くありません!」
「先輩が謝ること無いですから、そんな顔しないで下さいよ!!」
逆に慰められて虎徹は頭を掻き、傍らの白虎は微笑んだ。
「ねぇ虎徹さん、どうして戻ってきてくれないんですか? 僕たちバディでしょう」
「もう俺は2部でやってるし、バディは解消しただろ?
それにお前だって知ってるだろ、俺の能力減退のことは」
「それはわかってますけど、でも虎徹さんの分まで僕が頑張れば! バディなんだから僕が貴方をフォローすれば何の問題も無いでしょう?」
「何言ってんだ、俺のフォローなんて現場でそんなことしてる暇があると思ってんのか!?
お前はKOHだろ! 個人の感情で動くな! HEROってのはそんなもんじゃないだろ!!」
「す、すみません…。でもせめて、部屋だけでも戻しませんか? 僕の記憶は戻ったんだし、もう部屋を分けておく必要は無いはずです」
甘えを含む声音でまるで玩具を強請る子供みたいに。虎徹に懇願するバーナビー。
しかし虎徹は頑として首を振らず、やんわりと拒否の言葉を吐き出した。
「う~ん、それもなぁ。もう俺こっちで慣れてるし。向こうの無駄に広い部屋ってなんか落ち着かないんだよ。
それにほら、1部と2部じゃ出動のタイミングだって違うから、やっぱり分けたままの方がいいかもな」
「そんな! 虎徹さん、僕は嫌です!! 貴方と逢えずに過ごすなんて、さび…」
「バーナビー、いい加減にしろ」
目を伏せて悲哀をアピールするバーナビーを遮ったのは白虎。
「いい年した大人が我が侭を言うな。お前が記憶を失っている間ずっと虎徹や周りの人間は迷惑していたんだ。
これ以上迷惑をかけるな」
ぴしゃりと言われてバーナビーは唇を噛む。
悔しそうに白虎を睨みつけるが、彼はさして気にした風もなく傍の虎徹に書類を差し出していた。
席を立ち荒々しく出て行くバーナビーに虎徹は苦笑し、白虎はやはり無表情のまま。
おかしなものだと白虎は思う。
記憶を改竄されている間は自分の所有物の様に執着と同情を込めて白虎を見ていたはずなのに、現在は忌々しい敵としてバーナビーの目に映っているらしい。
虎徹と触れ合う機会が殆どなくなったのも全て白虎の所為だと思っている節がある。
そんな態度だから、家を訪ねても楓に門前払いにされるんだと笑ってやりたくなった。
最も、門前払いは彼だけではなくて1部HERO全員だけど。
ベッドの上で向かい合うそっくりな男二人。
「なぁ虎徹。虎徹は1部に戻るのか? バーナビーのバディに戻るのか?」
「何言ってんだよ、俺は戻らないし、バディは白だろう? ほぉ~ら、そんな顔すんなって、な?」
不安に顔を歪める白虎を抱きしめて、虎徹は笑う。
その背中を抱き返して、白虎は虎徹の肩に顔を埋めた。
「本当に? 俺がバディで良いのか? 虎徹は戻らなくて良いのか?」
「当たり前だろ。そんなこと気にしなくて良いんだよ。白が俺のバディで、俺たちは2部HEROだ。
――それに、お前ならきっとい俺のことを忘れないし」
虚無に満ちた呟きを、白虎は背に回した腕に力を入れることで答えた。
犯した罪には罰が下る。その罰さえも気が付かないと言うのなら。
HEROたちは笑いあう。
幸せに眼が眩み、過去はもう過去でしかなった。
取り戻した真実の中に、確かに自分たちの罪はあるというのに。
「ねぇ、タイガーいつこっちに戻ってくるのかな?」
「能力の減退って言ったものねぇ」
「あいつの性格なら、俺たちの足を引っ張るわけにはいかないって言いそうだよなぁ」
「バーナビー、あんたバディなんだからちゃんとタイガーを説得しなさいよね」
「タイガー殿は、本当に優しい人ですから…」
「私たちに気を遣っているんだね! しかし私ももう一度ワイルド君と共に戦いたい! そして戦いたいよ!!」
「そうですね、僕も早く虎徹さんとバディに戻りたいです」
キラキラと彼らは笑う。
大好きなあの人が自分たちの元へ戻ってくると信じて。
大好きなあの人は自分たちを優先してくれると信じて。
バーナビーも信じている。
彼とバディに戻れると。恋人に戻れると。再びバニーと呼んでくれると。
いつかきっとくるだろう日を思い描いて、笑いあう。
その姿を見るものがいれば滑稽と言うのだろうけれど。
彼らは気付かない。
目を逸らしているのではなく、ただ視界に入らない。
過去は過去でもう終わった。些細なこと。それだけのこと。
だから、笑う。
みらいを、しあわせをしんじて。
愛されたいなんてご冗談! 育んだ愛しいもの全て、投げ捨てたのは何処のどなたかお忘れで!?
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