日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

携帯代が高い!!

2012-05-05 14:04:29 | 小ネタ
うわ、凄い久々に一万を越えました…。
なんのなのこれ? うーあー。ちょっと失敗したな。
やりすぎたよ、畜生。
今月は気を付けます。
はい、虎&兎ですよー。

明日は薄くて高い本を買いに行きます!
ひゃっほう、お目当ては久々の旬ジャンルでメジャーキャラだから、買いあさってくるぜー!!
そして帰ってきたら頭痛で無気力になるんですね、解ります。

ホントにこれはどうしたものか…。


タイガー&バニー。

マヨエビに滾った結果、何故かにょた兎が可哀想になった話。虎が無意識に酷い。
どうも私は虎を攻めにするときは兎をにょたにしたがるらしい。


埋没したのは僕の声


嬉しそうにソレを抱き寄せて、その人は笑う。
バーナビーは思い知る。
足元が崩れ落ちると言う感覚を。

シュテルンビルド全体を混乱させたマーベリック事件。
しかし各企業そしてHEROたちの尽力で、収束を見せた。
そんな時シュテルンビルドを愛し、シュテルンビルドに愛されたワイルドタイガーとKOHバーナビー。
初のバディHEROの引退宣言にまた別の意味で騒動が巻き起こったけれど。
辞めるにあたって事後処理やら色々あって、結局正式に引退するのに一ヶ月かかったのは、いい思い出かもしれない。
虎徹はオリエンタルタウンへと戻り、バーナビーは一人旅に出た。
女性の、しかも彼女のように飛びぬけて美しい容姿をした人間が一人で旅立つことに不安を憶える者もいたけれど、彼女自身は心配ないと決意を変えなかった。
実際HEROとして活躍したバーナビーは並の男では相手にならないくらいに腕が立つし、例え相手が銃器を持ち出しても捻じ伏せる自信があったから。
様々な土地を廻り、様々な人に触れて。自分はなんて世間知らずだったんだろうと思い知った。
確かに知識は豊富かもしれないが、しかしそれだけなのだ。
薄っぺらくて、中身が無い。上辺ばかりのバーナビー。
自分は何処までもマーベリックの人形だったのだと項垂れることもあった。
けれど、その度に虎徹のことを思い出した。
彼と過ごした日々の記憶は本物で、彼に対するこの気持ちだけは真実バーナビーのもの。
そう思えば、不思議と元気付けられる気がした。
幾つもの国を廻って、やはりシュテルンビルドに帰りたいと思った。
望郷の念なんてものが自分にあることにも驚いたが、思うよりもずっとあの街が好きになっていたらしい。
折りよくロイズから連絡が入ったのはそんな頃。
虎徹が2部リーグでHEROに復帰した。だからバーナビーにも帰ってこないか、と。
二つ返事で頷いた。
また虎徹と一緒にHEROを出来る! 今度こそ彼に相応しいHEROに、バディになろう!!
彼に甘えるだけじゃ無い、彼を支えることが出来る相棒に!!

華々しいと言えば華々しい復帰。
壊した高級車の賠償金は、公平に虎徹とバーナビーで折半となった。
それに笑いあって、再会を喜んで。
また宜しくな!と、差し出された彼の手を力強く握り返した。

「疲れた…」
どさりと自室のベッドに倒れこむ。
2部リーグとはいえ、バーナビーは元KOH。
彼女は取材にTVにパーティに引っ張りだこ。
折角復帰したと言うのに、まともにHERO活動も出来ない。
これでは何のためにこの街に戻ってきたのか。
「虎徹さん、逢いたいな」
もちろん会社で顔を合わせる、だが、合わせるだけで会話なんて無い、そんな暇も無い。
元KOH。電撃引退からの復帰。しかも2部リーグ。
その容姿も相まって、彼女がTVに映らない日は無く雑誌だってこぞって彼女を取り上げる。
ゴールドステージの高級マンション。
眺めは最高、設備は一級でセキュリティだって万全。
空調だって当然のこと完璧なこの部屋が、酷く寒く感じるのは何故だろうか。
暫く薄暗い天井を眺めて、そうかと思い至る。
虎徹がいないからだ。
ジェイクのテロ以降は頻繁にお互いの家を行き来していた。
特に酒の種類が豊富に揃っているバーナビーの家はただ酒には最適だと、虎徹は笑いながらつまみ持参で良く訪れていた。
ソレは友人と呼べる相手が殆どいない彼女を気遣ってのことだと、後に気付いたけれど。
共に夜を過ごしたこともあった。
もちろん二人の間に艶めいたものは何も無い。
ただあの人は、寂しがり屋の可哀想な子供に温もりを与えていただけにしか過ぎない。
そんなこと、バーナビーが一番知っている。
それでもこの胸が熱く脈打つのを止められない。
虎徹のことを考えただけで、心臓が跳ねる。頭を撫でられれば頬が高潮する。その体温を身近に感じれば感じるほど熱が上がってしまう。
ブルーローズが彼に対してつっけんどんな態度を取ってしまうのも解る、が、バーナビーは自分の態度を偽ることに慣れていた。
だから平静を装っていられたが。
本当は、泣きたくなるくらいに彼が好きだった。
これが恋かと、生まれて始めて知った。
虎徹の顔が見たい。声が聴きたい。触れたい。触れて欲しい。
胸を焦がす想いに息が詰まりそうだ。
復讐を誓った日から、女であることは捨てたのに。容姿なんて利用するだけの道具だったのに。
この身が女であることを思い出させたのは間違いなくあの人で。
優しく逞しい腕で、力一杯に抱きしめて欲しいと願うようになったのは一体いつの頃からか。
「逢いたいなぁ」
切ない呟きは、暗い部屋に沈んでいった。

ようやく休みが取れたのは更に一ヵ月後。
待ち望んだ休日。
バーナビーは事前に虎徹に連絡を取り、家を訪れる許可を得ていた。
いきなり行って驚かせるのも楽しそうだったのだが、不在だった場合目も当てられない。
「まったく、ロイズさんは仕事を入れすぎだ」
上司の顔を思い浮かべてぼやくも、久しぶりにゆっくり虎徹と過ごせるかと思うと頬が勝手に緩んでしまう。
手土産はこの日のためにオリエンタルタウンから取り寄せた、虎徹の好む焼酎。
「喜んでくれるかな、虎徹さん」
うふふっと、唇から零れ落ちる軽やかな音。
踊る様な足取りで向かうのは、シルバーステージのアパートメント。
もう娘に正体を隠す必要はなくなったから、楓も以前に比べると頻繁にシュテンルンビルドに遊びに来るようになったらしい。
愛しい一人娘のために、治安の良いシルバーで家を選んだのだと聞いた。
チャイムを押して、ドキドキしながら返事を待つ。
「お、よくきたなバニー!」
ドアを開けた虎徹の笑顔に心臓が跳ねた。
「お久しぶりです、虎徹さん。これ、お土産です」
「この焼酎、高いやつだろ? ありがとなバニー。一緒に呑もうぜ!」
「はい、是非」
焼酎のラベルに相好を崩す虎徹に相変わらずだと苦笑する。
正直なところ焼酎は辛くてバーナビーの好みではないのだが、虎徹と一緒に呑むのなら悪くない。
「バニーちゃん、驚くなよ?」
「? 何ですか?」
また何か企んでいるのかと眉をしかめるバーナビーに、虎徹は悪戯っぽくウィンクしてみせる。
通された室内。
静かにソファに座るソレを見て、彼女の体はその場に立ち尽くしてしまう。
『虎徹』がいた。
特徴的な髭と色違いなだけで同じ服装。全体的な色素は虎徹より薄く、左耳に銀色のリング型のピアスが光る。それでも確かに。
目深に被ったハンチングの所為で表情は窺えない。
静かに座る彼の姿を目に焼きつけつつ、傍らの虎徹に乾いた声で問うた。
「こて、こてつさん…あの人は、ご家族ですか?」
「偽タイガー憶えてるだろ? 黒いヤツ」
固まってしまったバーナビーに苦笑を浮かべ、ぽんと背中を叩かれた。
「は、はい。……まさか!?」
「正解。こいつはそのアンドロイドさ。中身の方のな」
ソファに腰を下ろすと、虎徹はソレの肩を抱き寄せ。
「そんな! あのアンドロイドは全て廃棄処分になったんじゃ!?
いや、そもそもどうして虎徹さんの所にいるんですか! こいつは虎徹さんを、皆を殺そうとした敵ですよ!!」
叫びに近い糾弾。震える指でソレを差しても、虎徹は眉を下がるだけ。
隣に座るソレは先ほどから微動だにしない。
「あー、使ってる技術は凄いからって斉藤さんが何体か引き取ったんだって。色々プログラムを組み直してセーフティかけ直して。
だからもうこいつは安全だよ。で、日常生活の中でどこか不具合が無いかどうか見て欲しいからって俺が預かってんるんだよ」
「で、でも…! どうして虎徹さんと同じ姿なんですか!!」
よりにも寄って! 虎徹を殺しかけたものが虎徹と同じ姿など!!
冗談にしても笑えない。
「それは斉藤さんなりのジョークと言うか。俺をモデルにしてるから俺そっくりにしやすかったらしいぜ?」
「そんな…理由で!」
怒りで言葉が出てこない。それともこれは呆れだろうか。
斉藤の感性が常人離れしているのは知っている。しかし、これは無いだろう?
苦々しい表情でソレを睨みつければ、虎徹は哀しい様な困った様な顔をする。
「そんな怖い顔すんなよ、こいつが怖がってるだろ?」
そう言って、ソレを抱き寄せるけれど。
怖がる? アンドロイドが? そんな感情あるわけが無い。
「……虎徹、やはり私はバーナビーに会うべきではなかった」
一瞬、誰の声かわからなかった。
口を開いたのはアンドロイド。
虎徹と同じ声。しかし、幾分かトーンが低く、落ち着いたそれ。
「だ! またそんなこと言って。俺はバニーにもわかって欲しいんだよ」
眉を下げた虎徹がソレの頬に手を添えて。
あやす様に背中に片手を回しソレを胸に抱き寄せる。
その光景に、何かがよぎる。
「ほら、バニーがそんな怖い顔するから、こいつが気にしてるだろ。ちょっと人見知りでさ。
まだ他の、アントニオとかにも会わせてねぇの。嫌がるから。
今日バニーに会わせるのだって、説得するの大変だったんだぜ?」
小さく笑って、ソレの髪を優しい手つきで撫でてやる。
なんだ、これは? この、空気は?
「こいつ琥珀って言うんだ」
ソレを抱きしめる虎徹の姿に、眩暈がした。
「ほら、バニーの両親の造りたかったのは人の役に立つアンドロイドだろ?
琥珀はそのための第一歩てとこなんだ。な?」
「ソレが私の存在意義だ。しかし、私がお前やHEROたちを傷つけたのも事実だ。バーナビーはそれを許せないだろう」
「だから、暗くなるなって。何でお前はそんなに後ろ向きなんだよ」
無表情に――所詮レンズでしかない――その名の通りの琥珀の双眸を沈めるソレに、彼は慈しみに満ちた顔を向けてやる。
そんなことないよな?と同意を求められて、バーナビーは小さく喘ぐしか出来なった。
なんだ、これは? この人が優しいのは知っている。
だからと言って、これは、この空気は。
酷く――甘ったるい。
ソレを呼ぶ声も、撫でる仕草も、見詰める眼差しも、向ける顔も。
全て、バーナビーが欲しかったもの。
何故、その人を傷つけた凶器がそんなものを向けられるのか。
声が、舌に張り付いて出てこない。
虎徹に何を言えばいいのかも解らない。
「どうしたんだよ、バニー? 顔色が悪いぜ」
心配そうにバーナビーの顔を覗くけれど、彼の腕はやはりソレに回されたままだから。
ああ、ああ…。
そんな風に腰を抱いて欲しかった。胸に抱き寄せて欲しかった。吐息が触れるほど近くで見詰めて欲しかった。――甘やかな囁きが、欲しかった。
どうして?
その場所は、僕が望んだ場所なのに!!
「バニー? なぁバニー、琥珀はもう人を傷付ける兵器じゃないんだ。
俺の大事な家族なんだよ。だから、仲良くしてくれないか? なぁ?」
そんな優しい声で言わないで!
叫びだしそうになる自分を抑え付ける。
結局バーナビーは虎徹には逆らえないのに。
強張る表情筋を無理矢理に動かして、歪んで不自然な笑顔を見せた彼女に虎徹は嬉しそうに笑った。
浮かべた自分でさえ強張った表情だとわかるのに、気付かぬ虎徹に泣きそうになる。
涙の代わりに乾いた笑いを漏らして。
――僕の想いなんて、貴方にはどうでもいいんですね?
理解した瞬間、彼女の恋は砕けて散った。


咲いた裂いた、割かれて跳んだ! 寂しい恋は故意無き請いに飛んでった!!

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