フランチャイズビジネスの訴訟事例を見て、FCが抱える問題点を研究したいと思います。
●日本サブウェイFC訴訟、元加盟店側の主張退ける、東京地裁判決●(2002/10/29日経MJ)
サンドイッチ店チェーンの日本サブウェイ(東京・港、野口武社長)の元フランチャイズチェーン(FC)加盟店主ら八人が、加盟店の赤字経営をめぐって、同社と親会社のサントリーなどを相手取り計約四億五千七百万円の損害賠償を求めた訴訟で、二十八日の東京地裁は原告側の主張を退ける判決を言い渡した。
元店主らが中心となって「FC本部のサブウェイの売り上げ予測が甘く経営指導も不十分。商品開発や情報提供も不十分だったため赤字経営となり、閉店に追い込まれた」などとして「日本サブウェイ被害者の会」を結成。一九九九年にサブウェイ本部とサントリーなどを訴えた。
ロイヤルティー(経営指導料)についても、売り上げの八%をロイヤルティー、二・五%を販売促進費として合計一〇・五%を本部に支払う契約で、「加盟店の高額な負担で本部だけが利益を得る構造になっている」と主張してきた。これに対して本部側は「情報提供や経営指導はきちっと行ってきた」と反論していた。
判決後、日本サブウェイは「加盟店の主張は我々のFCシステムそのものに欠陥があるというもので、承服できないものだった。判決では我々の主張が認められ、評価している」とコメントしている。
サブウェイ訴訟を巡っては、同様の理由で来月にも別の元FC加盟店主らによる裁判の判決も予定されているが、今回の元加盟店側の敗訴が、影響を及ぼすことは必至だ。
日本サブウェイは資本金四億八千万円。サントリーと米サブウェイが九一年にマスターフランチャイズ契約を結び、設立した。現在はサントリーグループ全額出資の子会社。九二年三月に一号店を出店。現在、直営二十六店、FC七十七店の百三店ある。
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フランチャイズバブルがまだ華やかりし頃、サブウェイのような大きなチェーンにて集団訴訟になったこの件は、業界に大きなインパクトを与えました。アメリカの大手チェーンと日本の大企業が手を組んだこのビジネスは、第2のマクドナメド、ケンタッキーになるのではないかと、多くの人が参入。しかし結果は...。売上が不振だったオーナー達が、本部はFCとして不十分なパッケージで加盟店を募ったのではと訴えたが地裁では棄却されたのです。
このように加盟店が本部を訴える場合はいくつかのパターンに分かれます
・売上予測に関するもの (思ったほど売れない)
・商圏に関するもの (近くに同じ店ができちゃった)
・違約金に関するもの (やめたら高額を請求された)
・加盟金返還に関するもの(加盟をキャンセルしたい)
など。中でも売上予測に関するものは、人生のかかった問題なだけにトラブルが多発しています。そもそもまともなFCであれば、「絶対に○○万円売れますよ」などという訳はありません。しかし相手は営業マンであるから「売れますよ」とは言ってなくても、あたかも言ってるかのような状況を作るのが仕事である。そもそも本部の立地診断というのはアテにならない場合が多く、それを鵜呑みにするのも問題です。しかし多くの人は「大手だから」「実績があるから」などといった理由で、自分の目で選別する努力を怠ってしまいます。
フランチャイズ本部にとって、ビジネスの可能性を提示してそれが実現できなかったからといって、損害を賠償していては経営などできません。ビジネスの契約は常にフィフティーフィフティーなのに、いつのまにか本部に寄りかかった体制ができてしまう、これがFCビジネスの構造なのです。でも確かに10.5%は高いですよ、700万円売ったって80万くらい持っていかれちゃうんですから。でもそれは契約するときにわかっていたのだから、確認義務を怠ったほうが悪いということになります。この被害者もサブウェイのビジネスそのものを否定しにかかっちゃったから敗けたのではないでしょうか。まだ局地戦で戦っていればわからなかったのにとも思います。
この訴訟から2つの教訓が学べる。1つは、裁判も一般論も本部に明らかな逸脱行為がない限り、本部に責任追及できないということ。そしてもう1つはどんなに面倒くさくても、契約書には目を通し売上予測は納得するまで考え、すぐ判を押さないこと。相手は1枚も2枚も上手ですから。
●日本サブウェイFC訴訟、元加盟店側の主張退ける、東京地裁判決●(2002/10/29日経MJ)
サンドイッチ店チェーンの日本サブウェイ(東京・港、野口武社長)の元フランチャイズチェーン(FC)加盟店主ら八人が、加盟店の赤字経営をめぐって、同社と親会社のサントリーなどを相手取り計約四億五千七百万円の損害賠償を求めた訴訟で、二十八日の東京地裁は原告側の主張を退ける判決を言い渡した。
元店主らが中心となって「FC本部のサブウェイの売り上げ予測が甘く経営指導も不十分。商品開発や情報提供も不十分だったため赤字経営となり、閉店に追い込まれた」などとして「日本サブウェイ被害者の会」を結成。一九九九年にサブウェイ本部とサントリーなどを訴えた。
ロイヤルティー(経営指導料)についても、売り上げの八%をロイヤルティー、二・五%を販売促進費として合計一〇・五%を本部に支払う契約で、「加盟店の高額な負担で本部だけが利益を得る構造になっている」と主張してきた。これに対して本部側は「情報提供や経営指導はきちっと行ってきた」と反論していた。
判決後、日本サブウェイは「加盟店の主張は我々のFCシステムそのものに欠陥があるというもので、承服できないものだった。判決では我々の主張が認められ、評価している」とコメントしている。
サブウェイ訴訟を巡っては、同様の理由で来月にも別の元FC加盟店主らによる裁判の判決も予定されているが、今回の元加盟店側の敗訴が、影響を及ぼすことは必至だ。
日本サブウェイは資本金四億八千万円。サントリーと米サブウェイが九一年にマスターフランチャイズ契約を結び、設立した。現在はサントリーグループ全額出資の子会社。九二年三月に一号店を出店。現在、直営二十六店、FC七十七店の百三店ある。
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フランチャイズバブルがまだ華やかりし頃、サブウェイのような大きなチェーンにて集団訴訟になったこの件は、業界に大きなインパクトを与えました。アメリカの大手チェーンと日本の大企業が手を組んだこのビジネスは、第2のマクドナメド、ケンタッキーになるのではないかと、多くの人が参入。しかし結果は...。売上が不振だったオーナー達が、本部はFCとして不十分なパッケージで加盟店を募ったのではと訴えたが地裁では棄却されたのです。
このように加盟店が本部を訴える場合はいくつかのパターンに分かれます
・売上予測に関するもの (思ったほど売れない)
・商圏に関するもの (近くに同じ店ができちゃった)
・違約金に関するもの (やめたら高額を請求された)
・加盟金返還に関するもの(加盟をキャンセルしたい)
など。中でも売上予測に関するものは、人生のかかった問題なだけにトラブルが多発しています。そもそもまともなFCであれば、「絶対に○○万円売れますよ」などという訳はありません。しかし相手は営業マンであるから「売れますよ」とは言ってなくても、あたかも言ってるかのような状況を作るのが仕事である。そもそも本部の立地診断というのはアテにならない場合が多く、それを鵜呑みにするのも問題です。しかし多くの人は「大手だから」「実績があるから」などといった理由で、自分の目で選別する努力を怠ってしまいます。
フランチャイズ本部にとって、ビジネスの可能性を提示してそれが実現できなかったからといって、損害を賠償していては経営などできません。ビジネスの契約は常にフィフティーフィフティーなのに、いつのまにか本部に寄りかかった体制ができてしまう、これがFCビジネスの構造なのです。でも確かに10.5%は高いですよ、700万円売ったって80万くらい持っていかれちゃうんですから。でもそれは契約するときにわかっていたのだから、確認義務を怠ったほうが悪いということになります。この被害者もサブウェイのビジネスそのものを否定しにかかっちゃったから敗けたのではないでしょうか。まだ局地戦で戦っていればわからなかったのにとも思います。
この訴訟から2つの教訓が学べる。1つは、裁判も一般論も本部に明らかな逸脱行為がない限り、本部に責任追及できないということ。そしてもう1つはどんなに面倒くさくても、契約書には目を通し売上予測は納得するまで考え、すぐ判を押さないこと。相手は1枚も2枚も上手ですから。