転ばぬ先の独立相談所~フランチャイズアドバイスネット~

何も知らずに起業するのは危険がいっぱい!?フランチャイズ加盟や独立について考えるブログ

ブックオフ坂本会長、リベートと不正会計で引責。「トカゲの頭切り」は正しいか?

2007年06月20日 | Weblog
「ベンチャーの雄」ブックオフ会長辞任 不正会計で引責(朝日新聞) - goo ニュース


 ブックオフをここまで育てた坂本会長が辞任することになったのは、大変残念です。詳細はもちろんわかりませんが、ふだんから経営の現場に携わっていると、「企業の経営はリーダーの資質によるところが大きいなあ」と感じることが多々あります。創業から今までは、おそらくいろいろな苦労を体を張って乗り越えられてきたのだと思いますが、それがこんな形で辞任に追い込まれるのは、上場企業運営の難しさについて改めて考えさせられます。

 ブックオフの利用者でもある私は、いつもその従業員教育の徹底振りに驚かされます。私はあまり軍隊的な教育は好まないほうですが、ブックオフは1人1人が入店するたびに「いらっしゃいませ!」と元気な声が飛び交い、陰鬱なイメージのある「古本屋」を感じさせません。立ち読みも自由で、昔懐かしい「漫画の立ち読み」という光景がここでは残っており、利用者の満足を大いに得ています(これは個人的な好みですが・・)。どんな変な本でも持ち込めば快く対応してくれ、捨てるしかなかった本がいくばくかの収入になります。とかく規制に守られ、経営努力の少ない出版業界の構造に、一石を投じたといっても過言ではないでしょう。

 しかしリベートも、7億円といえば安くはありません。上場時にそれらの身辺整理をできなかったのは、坂本会長の落ち度でしょう。この手のリベートは大なり小なり多くの企業で行われており、社会的影響の少ない会社であれば問題にならないことですが、上場企業として市場から資金調達するようになればそれなりの責任を果たさなければなりません。リベートをもらっている=会社が安い製品を選択できない=会社に損害を与えている、ということでしょうから、引責辞任というのは仕方ないことかもしれません。パートから抜擢された橋本社長も、架空売上を黙認したということで辞任。世の中に明るいニュースを与えていただけに、とても残念です。

 それにしても、
 "一方で、「坂本氏がいる会議では、ほかの幹部は誰も発言出来なかった」(同社幹部)と、ワンマン経営の弊害を指摘する声も上がっていた。"
 というのは、なんなんでしょう。 発言して殴られたとかならいざ知らず、創業者に物がいえなかったというのは、どっちもどっちでしょう。幹部なんだから、自分たちがしっかり意見を言うような風土を作る責任もあるのでは?単なるイエスマンに成り下がっていた自分たちを差し置いて、「ワンマン経営は悪い」というなら、ほとんどすべての企業は悪い企業ということになるでしょう。
 今、時代はワンマン経営=悪の合唱であるが、今回のように経営不振という訳でもないのに、ワンマン経営が悪いという図式は安直過ぎるのではないでしょうか。ワンマン→誰も止められない→不正というパターンは、確かによくあることですが、必ずしもそれが原因とは限りません。今後経営者が交代してから、店がどのように変わるのか、経営がどのように舵取りされるのか、ウォッチしていきたいと思います。

 まあここで書いているのは憶測の域を出ませんので、本当は社内でものすごく問題がたくさんあるのかもしれないし、セクハラ云々もあったのかもしれません。それは知る由もありません。ただトカゲのしっぽならぬ、「トカゲの頭切り」のように、トップを叩いていればすべてが良くなるというような、ヒステリックな最近の風潮には危機を感じています。これは成功すればすぐに持ち上げ、崇め奉る日本的な現象と表裏一体です。
 ホリエモンの例を引くまでもなく、マスコミなどのイメージでチヤホヤされてきた人が、何かのきっかけで一気にバッシングを受けるということがよくあります。これは情報の受け手である我々が、もともとしっかりした基準なしに他人を判断しているから、「他人の不幸は蜜の味」という感覚で成功者の失敗を陰で喜び、「落ちた犬は叩け」とばかりバッシングに走るという、低レベルなことを繰り返しているに過ぎません。
 本当に大切なことは、日々の活動の積み重ねであったり、その活動に携わっている人々の心の中に蓄えられているものです。氾濫している情報を鵜呑みにせず、自分の中にきちんと基準を持って判断するようにしたいものです。

起業に関わる、よくある質問につきまして

2007年06月15日 | Weblog
最近、「○○チェーンの内情を教えてほしい」「もうかる商売は何か?」といった質問が良く来ます。
この場を借りてお答えしますが、そのような質問に答えることは不可能です。もし私が特定のFCに見込み先を紹介して儲けるような商売であれば大喜びかもしれませんが、このサイトで私が主張しているのは
・起業は決して簡単ではない
・自分でよく考えて納得できた事業こそが、独立して唯一続けられる事業である
ということなのです。ですから、他人にすべてを聞いてしまっては意味がありません。
また、もしいろいろな噂があるチェーンだとしても、そこに所属していない限り、実情がわかるはずもありません。デマかもしれませんし。人生をかけた選択に、いい加減な情報で勝手な意見を挟むのは本意ではありません。

ということで、それらの質問は他人に聞く前に全力で調べてみることをお勧めします。

資金調達について

2007年06月14日 | 資金調達・税務相談
 独立したての場合は金融機関からは信用度が低いために借り入れが難しく、親戚や知人に頼っている方が多いようです。金融機関に返済の実績を作るために借りる場合は別として、できる限り借金は避け、キャッシュ経営を心掛けましょう。ただ、どうしても必要な時は銀行以外に次のような申し込み先があります。
1. 国民生活金融公庫  無担保、無保証人、しかも低利で貸してくれます。(条件有)商工会議所、商工会、税理士の推薦があればスムーズに借りられます。
2. 市町村の制度融資  小規模事業者向けの融資制度で低利です。
3. ベンチャー等のための助成金  各省庁や地方公共団体等で行っており、融資と違って返済不要ですが、対象となる業種が限られており、期間限定のものもあります。

●借金を申し込む際(担保がなければ特に)は次の点に注意しましょう。
1.返済計画がしっかりしていることが必要です。→月々、資金繰り表や損益計算書(収入ー費用=利益を把握する科目別一覧表)を作っていればあわてなくて済みます。
2.理由が“運転資金”だと融資側も用心します。季節商品の仕入や設備、  車両等の支払いなどの理由で資金が必要な旨を説明しましょう。
3.納税証明か申告書が必要になります。もし、独立開業後1年以上経過して  いて無申告な場合は申告を済ませておきましょう。税務署は期限後でも  受け付けてくれます。ただし、延滞税や加算税はかかります。
4.事業のための借金はどんな場合でも、月商(売上の月平均)の3ヶ月を  超えないようにしましょう。返済は仕事の有る無しに関わらず、どんなときでもやってきますし、返済に追われると、設備や人など将来的な次への投資に余裕がなくなります。常に月商の1.5ヶ月くらいの借金までなら理想的です。

事業計画書作成について

2007年06月13日 | 資金調達・税務相談
事業計画書とは、金融機関等から資金調達する際に
「これからおこなう事業はこのようなものです」という説明をするための資料です。

そもそも、自分自身が事業をどのように成功させるかを考える上で、このような資料を作ることは当然と言えます
事業を始める際は、まず自分で綿密に計画を立てる。そしていざ他人に説明しようという時には、目に見える資料としてきちんとした事業計画書が必要となるのです。そうでないと資金の出し手も、投資に値するかどうかの判断ができません。

事業計画書の主要な内容をあげますと

売上規模と利益のシミュレーション
これからはじめる事業の市場性
商品やサービスの価格・品質
原材料、備品などの調達先
他店、他社との差別化
資本金の確保
運転資金の確保
売掛金の回収方法
従業員の確保
事業として継続することができるか
スケジュール

などです。
事業計画書の作り方は、書籍などがたくさん出ていますので、参考にすると良いでしょう。

ホームページ、コンセプトチェンジしました

2007年06月12日 | FANとは?活動の趣旨
 今までフランチャイズアドバイスネットとして、プライバシーの問題もあり個別にメールにて相談を受けて参りましたが、多種多様な相談が来て多忙となっており、また相変わらず「儲かる商売を教えてほしい」「●●チェーンは実際どうなのか?」といった、こちらが答えようのない質問が多いですので、少し趣向を変えまして、「転ばぬ先の独立相談所」として、ブログでの公開質問も受け付けいたします。気軽な質問はコメントに入れてください。
 ただし、すぐにご返事できるかはわかりませんのであしからず…。
 なお、プライベートなものは、fc-advice@mail.goo.ne.jpに、こっそりおくってください。

FC・店舗調査のポイント

2007年06月12日 | これから加盟する方向け
フランチャイズを選ぶ時に、既存の店舗を見に行くことが良くあります。また、経営者や店長と話すこともあります。そんな時、本部の営業マンはどんな店を選んでいるでしょうか。

 ・売上が非常に良い店舗
 ・オープンしたての店舗
 ・黒字の店舗
 ・モデル直営店舗

 当然のことながらこのような店を選んで案内しています。特に外食のようなオープン景気があるところは、1つ目と2つ目を組み合わせることが多い。一番油のノリきっている状態だからです。そして繁盛している店を実際に見るととても成功しそうな気になります。そこで、成功している店がある→このFCは魅力がある→自分なら成功できる、というサイクルに入る訳です。これは精神論がらみであるぶん、加盟希望者をやる気にさせる典型的な方法になっています。

 しかしもちろんですが、鵜呑みにしてはいけません。確かに成功している店舗はありますが、ほんの一部かもしれませんし、たまたま混んでいる時間帯だったのかもしれません。大事なのは「その店がなぜ好調か?」をしっかりと把握することです。本部の人間が「やっぱりうちの味が一番良いから」とか「店長の運営が良いから」など、曖昧な理由を挙げてくる場合は要注意!です。

 フランチャイズ本部の経営者はいくつかの成功事例を経て、自分の店に過大な自信を持っていることがよくあります。しかし考えてみてください。場所が良くてたまたま成功するということは、この世界ではよくあることです。それを「自分の店がすばらしいから」という理由で納得しているような人には、次に出店するときの立地診断は出来ません。立地の基準についてはそれなりの理論がありますので、調べてみるのもいいでしょう。なお学ぶべきは失敗事例であり、失敗には必ず原因があるものですが成功には偶然ということも良くあります。複数の店舗を出しているチェーンについては、必ず失敗事例も検証してください。本部が情報を出してこなければ、自分でまわってみることです。失敗談を聞いておくことによって、初めて「自己責任」で意思決定することが可能となります。成功事例だけ見ていては、心の準備が整いません。


 ただし、だからといって失敗例だけを見るのも片手落ちです。新しいことを始めるときは、根拠のない自信のようなものが必要な時も確かにあります。失敗事例をみれば「失敗しそう…」と思うものです。逆に有望なビジネスでも、失敗事例を見てしまえばチャンスを失います。この部分は必ず、十分な時間をかけるようにしてください。できれば自分だけでない、第三者の客観的な視点を入れましょう。遠方で店を見に行けないなどの場合は、調べることも可能ですので相談してください。


 未成熟なチェーンほど、好調イメージを強烈に印象づけようとします。それだけ見てしまったら反動が必ず来ます。ここは足で稼ぐことが重要な判断材料となりますので、決してイメージだけにとらわれないようにしてください。

セブンイレブン裁判に展開が…本部逆転勝訴で最高裁が差し戻し

2007年06月11日 | Weblog
コンビニ経営訴訟、最高裁が“指導料”の算定法認める(読売新聞) - goo ニュース

以下、記事内容のコピー。
大手コンビニエンスストア「セブン―イレブン・ジャパン」(本部・東京都)と加盟店契約をした店主が、不当に高いロイヤルティー(経営指導料)を支払わされたとして、同社にロイヤルティーの一部返還を求めた訴訟の上告審判決が11日、最高裁第2小法廷であった。
 津野修裁判長は、ロイヤルティーの算定方式自体は問題ないとした上で、「契約時の説明が十分だったかどうか審理を尽くす必要がある」と述べ、店主側勝訴とした2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。
 セブン―イレブンと同様の算定方法は他の大手コンビニでも採用され、同種訴訟が全国で十数件起きている。今後、契約時の説明が不十分だった場合にはコンビニ側が負ける可能性もあり、影響を与えそうだ。

■毎日新聞
 コンビニエンスストアチェーン最大手「セブンイレブン」の加盟店が経営指導料などとして同社に毎月支払う「チャージ」を巡り、埼玉県内の店主が「会社側の計算方法は契約書に記載がなく誤りで、多く受け取り過ぎだ」として、同社に返還を求めた訴訟の上告審判決が11日、最高裁第2小法廷(津野修裁判長)であった。小法廷は「詳細なマニュアルや会社担当者の説明もあったことを総合すれば、会社側の計算方法が正しい」と指摘して店主側勝訴の2審・東京高裁判決(05年2月)を破棄し、審理を同高裁に差し戻した。
 判決は4裁判官一致だが、今井功、中川了滋の両裁判官は共同の補足意見で「契約書の記載は明確性を欠き改善が望まれる」と注文をつけた。
 チャージ計算の基になる売り上げ利益に、期限切れで廃棄したり万引きされた商品の分は「含まない」とする店主側と、「その計算方法は間違い」という会社側が争った。2審は、契約書の分かりづらさなどから「会社側の方法でチャージ計算する契約上の根拠はない」と店主側主張を認め約2200万円の返還を命じていた。他のコンビニの多くは「廃棄分なども含む」と契約書に明記している。
 店主側は「チャージについて誤解したまま契約してしまったので会社側の計算方法は無効」とも主張しており、高裁でこの争点が改めて審理される。【高倉友彰】

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昨年書いた記事の続報になります。最高裁はセブンイレブン側の訴えを認めたようです。
■昨年の記事
フランチャイズ訴訟事例② セブンイレブンの場合

 これはとても難しい問題です。そもそも、もしこの手の訴えが認められた場合、セブンイレブンは全国のFCから同様の訴えを受けることになりますから、大変なリスクです。
 そもそもフランチャイズの契約など、ビデオに録画しておかない限り、現場で説明責任が果たされたかどうかは確認のしようがないですから、そうなると、契約書と説明会資料などの「紙」が重要になります。しかし契約する前は大変良好な関係ですから、加盟側もそこまでのチェックはしないものです。そして後になって「契約書にサインしたんだから」ということで、加盟者側が泣き寝入りになるのが今までのパターンでした。

 このオーナーがどのような理由で告訴に至ったのか、知り合いでないのでわかりませんが、廃棄や万引きを原価に含めるかどうかといった基本的なことが契約書にはっきり書かれていないことを、ここまで大きく問題提起したのは大きな成果だと思います。
 しかし、この喧嘩には落としどころがありません。セブンイレブン側は、万引きや廃棄といった本部がコントロール不可能なものを、本部の収益から削るような考え方は決して受け入れられないでしょう。そもそも私がいつも利用するコンビニを見ても、スタッフが真面目に在庫管理しているかどうかも怪しいものです。それはオーナーの責任も多々あるでしょう。かといって、廃棄が出ないように少なめに品揃えしていたら、本部は売り上げがたちませんし競争に負けてしまいます。

 FCはどこでもそうですが、特にコンビニは「形を変えた独禁法違反?」みたいな色合いが濃い。「夫婦で独立」「時間にゆとりのあるオーナー生活」なんて、勧誘の時だけ甘い言葉で誘って、契約するときは自立した「経営者」として法的責任を持ってもらう。でも自分の店であっても勝手に商品は置けないから、けっきょくは永遠の子飼生活~みたいなビジネスモデルには、そろそろ限界が来ているのではないでしょうか。

 真の独立とは何か、成功とは何か。考えさせられるところです。

 

独立して成功する人とは

2007年06月09日 | これから加盟する方向け
 何百人という独立開業者とお話しての経験から申し上げますと、独立して成功している人というのは、とにかく前向きな人が多いです。おしゃべりか、寡黙かということは関係なく、考え方が自立しています。
 え? 「そりゃ、成功してるんだから前向きに決まってんだろ!」って? それはそうかもしれませんね(笑)。より詳しく言うと、「成功する要因が揃っている人が成功する」ということです。
 たとえばどんなに前向きな人でも、間違った立地で商売したらそれは、うまくいきません。始めるまでにひとつひとつ、成功する要因を揃えてください。結果論ではなく、準備は緻密に、実行は大胆におこなうことが重要です。

 まず店舗ビジネスなら、とにかくいい場所を確保すること!場所が悪ければかなりの確立で商売はダメになります。逆に場所が良くて条件が良ければ、たとえ他の商売に変更してもOKということもあります。無店舗ビジネスなら自分の営業力が十分にあるのか良く考えてください。自分の努力次第で成り立つビジネスをやるために、チェーンにお金を払っても仕方ないという考え方もあります。自らの立場をじっくり考えてください。
そして周囲の意見に惑わされないこと。周囲の人間とモメてしまって、それをFC本部に持ち込む人がいますが、周りの人間を説得できないような人間はまず独立しても成功しません。何か不安ならその不安が取れるまでじっくりと考えてください。悩んでください。そして解決しましょう。
最後に、お金と人を確保すること。お金は余裕がないと続きませんから、まず初めの半年-1年は無給で働くくらいの計画で進めないと辛いです。そして資金繰りで失敗しないために、オープンした後のオープン景気があるのかないのかとか、キャッシュフローをしっかり調べましょう。一緒にやる仲間の確保も、事前にやっておきましょう。店を任せたら店のお金がなくなっちゃった…なんてことのないよう、パートナー選びは最重要課題のひとつです。

 「こういう人は必ず成功する」ということを誰も言い切れないほど、たとえフランチャイズに加盟しても、成功への道のりは一筋縄ではありません。緻密さと、商売のセンスが問われます。しかし、成功している人はサラリーマンでは味わえないような喜びを手にしています。だからこそ面白いんでしょうけれども。まずは最低限、投資を回収するのに何年かかるかをシミュレーションし、その間はどんなことがあっても耐えられる体制を作りましょう。お金のことと取り組む店舗の選定は、ひとりで悩まずに信頼できる人間と組むことをお勧めします。

FC加盟のメリット&リスク

2007年06月06日 | これから加盟する方向け
FC加盟のメリット、それはまず既存のブランドとノウハウを利用できるということですね。これに尽きます。

 たとえば飲食店を自分で立ち上げようと思っても、仕入れから物件探し、資金繰りなど大変ですし、残念ながらほとんどうまくいきません。脱サラ気分で始めたってなかなか甘くはないのです。いい立地をおさえるのも想像以上に困難です。その点、信用できるFCであれば言われたことをやっていれば開業できちゃうんですから、楽は楽ですね。ただし、FC本部の立地診断というのはあまり信用しないことをおすすめします。自分でしっかり確認して決めることをお勧めします。

 原材料の仕入れなども自分でやるのは大変ですよね。かなりの行動力と覚悟が必要です。今まで商売をやっていた人なら良いですが、やっぱりチェーンで仕入れたほうが卸側もメリットが大きい。立ち上がったばかりの、零細FCはあてはまりませんが、一般的なFCチェーンのメリットです。

 ではなぜ訴訟にまで発展してしまうのか。 これは 
1.営業的な観点
2.世の中の情勢
によるものが多いですね。

そもそもFC本部は開業と運営のノウハウしか持ってないのに、立地診断から業態の浮き沈みの回避まであれこれ期待するのが間違ってます。残念ながら本部の営業マンはそこまでわかっていません。彼らもノルマがあるのだから「うちに入れば皆でバックアップしますよ」みたいな話しかできない訳です。当たるも八卦、みたいな世界をどんなに緻密に見せたところで、商売に正解はないということです。それが過度に本部に期待することからトラブルは始まります。そして予定通りに売上があがらないと、トラブルは現実のものとなります。

ちなみに私は以前フランチャイズ本部で働いていた際、上司が大反対した立地に「ぜひ出したい」と主張していた加盟者に対し、社内の反対を押し切って出店させたことがあります。その根拠は、加盟者が地元でバリバリのたたき上げ経営者で、社内の立地判断を上回るノウハウがあると考えたからです。結果、そのお店は過去最大の売上を記録し、いまだに売上トップです。そんなことはよくあります。本部は神ではありませんので、大手チェーンであっても立地診断は勘に頼っているところが多いのです。

 また世の中の情勢として、特定の業態がブームになったり、一気に店舗が増えたりすることがよくあります。たとえば「まんが喫茶」や「ビデオ安売店」など、一時期は大きなブームとなりました。しかし、ブームが下降線になったり競争が激しくなると、閉店する店が出て訴訟問題に発展することが増えてきます。本来は「自己責任」とも言うべき事態ですが、強引な契約や契約書の不備など、いろいろな要素がからまって最後は「訴訟」にまで発展するのです。

フランチャイズの見分け方

2007年06月06日 | これから加盟する方向け
フランチャイズの見分け方、というのは雑誌などにたくさん出ているので、ある程度それを読んだことを前提に書きます。よく言われるように、営業を無理にせかされたとか契約書が曖昧だとか、営業マンがチンピラ風だったとかいうのは、フランチャイズの見分け方としては------正しいです。まともにビジネスを考えていない人たちのやることは、素人にも判断がつくほど怪しいものです。そんな人たちにゆめゆめひっかからないよう、お願い申し上げます。
 経験上、重要だと思われるポイントを申し上げます。まず、その企業がもともとどんなことをやっていたか、ということを徹底的に調べるのは有効です。

 フランチャイズビジネスを始めるきっかけパターンはいくつかあり、
 ・異業種企業による参入
 ・もともと個人だが多店舗化した
 ・大手資本による参入
 ・別のチェーンを経営している企業による新業態
 ・外国にあったチェーンの輸入
 ・フランチャイジーだった企業が本部となって立ち上げた業態
 ・零細企業経営に毛の生えた程度
 などです。

この経緯を調べればその企業の発想がわかります。まったく知らない人が見ると、コツコツと商売を続けていた人が、賛同者を経て大きくなったように見えるかもしれませんが、多くの場合はさにあらず。まったく経験のない企業が、なんとなく儲かると思って始めた場合や、1店舗だけしかやっていないオーナーが、野心に目覚めてフランチャイズをよくわからずに始めている場合などがあります。加盟金がない(あるいは安い)、ロイヤリティーゼロなどとうたっている所は、たいてい後者です

くどいようですが、大手だから安心であるとか、聞いたことなければダメだとかそんなことを言いたいのではありません。ただひとつ言えるのは、商売目的か理念ありきかという部分は、しっかり見ないといけないでしょうね。たくましい人は、フランチャイズに加盟して安い料金でノウハウだけ入手し、次に生かせばいいという考え方もありますが、ここではあくまでまともなビジネスを考えている人に向けたアドバイスです。 海外のブランドや大手だからといって安心してはいけません。最近訴訟になった某チェーンだって、運営は日本の大企業の子会社でかつアメリカでは名の知れた大手チェーンなのに、訴訟が続発しましたからね。

とにかく、ノウハウを頼るなら、相手を調べる労力を惜しまないことです。