「ベンチャーの雄」ブックオフ会長辞任 不正会計で引責(朝日新聞) - goo ニュース
ブックオフをここまで育てた坂本会長が辞任することになったのは、大変残念です。詳細はもちろんわかりませんが、ふだんから経営の現場に携わっていると、「企業の経営はリーダーの資質によるところが大きいなあ」と感じることが多々あります。創業から今までは、おそらくいろいろな苦労を体を張って乗り越えられてきたのだと思いますが、それがこんな形で辞任に追い込まれるのは、上場企業運営の難しさについて改めて考えさせられます。
ブックオフの利用者でもある私は、いつもその従業員教育の徹底振りに驚かされます。私はあまり軍隊的な教育は好まないほうですが、ブックオフは1人1人が入店するたびに「いらっしゃいませ!」と元気な声が飛び交い、陰鬱なイメージのある「古本屋」を感じさせません。立ち読みも自由で、昔懐かしい「漫画の立ち読み」という光景がここでは残っており、利用者の満足を大いに得ています(これは個人的な好みですが・・)。どんな変な本でも持ち込めば快く対応してくれ、捨てるしかなかった本がいくばくかの収入になります。とかく規制に守られ、経営努力の少ない出版業界の構造に、一石を投じたといっても過言ではないでしょう。
しかしリベートも、7億円といえば安くはありません。上場時にそれらの身辺整理をできなかったのは、坂本会長の落ち度でしょう。この手のリベートは大なり小なり多くの企業で行われており、社会的影響の少ない会社であれば問題にならないことですが、上場企業として市場から資金調達するようになればそれなりの責任を果たさなければなりません。リベートをもらっている=会社が安い製品を選択できない=会社に損害を与えている、ということでしょうから、引責辞任というのは仕方ないことかもしれません。パートから抜擢された橋本社長も、架空売上を黙認したということで辞任。世の中に明るいニュースを与えていただけに、とても残念です。
それにしても、
"一方で、「坂本氏がいる会議では、ほかの幹部は誰も発言出来なかった」(同社幹部)と、ワンマン経営の弊害を指摘する声も上がっていた。"
というのは、なんなんでしょう。 発言して殴られたとかならいざ知らず、創業者に物がいえなかったというのは、どっちもどっちでしょう。幹部なんだから、自分たちがしっかり意見を言うような風土を作る責任もあるのでは?単なるイエスマンに成り下がっていた自分たちを差し置いて、「ワンマン経営は悪い」というなら、ほとんどすべての企業は悪い企業ということになるでしょう。
今、時代はワンマン経営=悪の合唱であるが、今回のように経営不振という訳でもないのに、ワンマン経営が悪いという図式は安直過ぎるのではないでしょうか。ワンマン→誰も止められない→不正というパターンは、確かによくあることですが、必ずしもそれが原因とは限りません。今後経営者が交代してから、店がどのように変わるのか、経営がどのように舵取りされるのか、ウォッチしていきたいと思います。
まあここで書いているのは憶測の域を出ませんので、本当は社内でものすごく問題がたくさんあるのかもしれないし、セクハラ云々もあったのかもしれません。それは知る由もありません。ただトカゲのしっぽならぬ、「トカゲの頭切り」のように、トップを叩いていればすべてが良くなるというような、ヒステリックな最近の風潮には危機を感じています。これは成功すればすぐに持ち上げ、崇め奉る日本的な現象と表裏一体です。
ホリエモンの例を引くまでもなく、マスコミなどのイメージでチヤホヤされてきた人が、何かのきっかけで一気にバッシングを受けるということがよくあります。これは情報の受け手である我々が、もともとしっかりした基準なしに他人を判断しているから、「他人の不幸は蜜の味」という感覚で成功者の失敗を陰で喜び、「落ちた犬は叩け」とばかりバッシングに走るという、低レベルなことを繰り返しているに過ぎません。
本当に大切なことは、日々の活動の積み重ねであったり、その活動に携わっている人々の心の中に蓄えられているものです。氾濫している情報を鵜呑みにせず、自分の中にきちんと基準を持って判断するようにしたいものです。
ブックオフをここまで育てた坂本会長が辞任することになったのは、大変残念です。詳細はもちろんわかりませんが、ふだんから経営の現場に携わっていると、「企業の経営はリーダーの資質によるところが大きいなあ」と感じることが多々あります。創業から今までは、おそらくいろいろな苦労を体を張って乗り越えられてきたのだと思いますが、それがこんな形で辞任に追い込まれるのは、上場企業運営の難しさについて改めて考えさせられます。
ブックオフの利用者でもある私は、いつもその従業員教育の徹底振りに驚かされます。私はあまり軍隊的な教育は好まないほうですが、ブックオフは1人1人が入店するたびに「いらっしゃいませ!」と元気な声が飛び交い、陰鬱なイメージのある「古本屋」を感じさせません。立ち読みも自由で、昔懐かしい「漫画の立ち読み」という光景がここでは残っており、利用者の満足を大いに得ています(これは個人的な好みですが・・)。どんな変な本でも持ち込めば快く対応してくれ、捨てるしかなかった本がいくばくかの収入になります。とかく規制に守られ、経営努力の少ない出版業界の構造に、一石を投じたといっても過言ではないでしょう。
しかしリベートも、7億円といえば安くはありません。上場時にそれらの身辺整理をできなかったのは、坂本会長の落ち度でしょう。この手のリベートは大なり小なり多くの企業で行われており、社会的影響の少ない会社であれば問題にならないことですが、上場企業として市場から資金調達するようになればそれなりの責任を果たさなければなりません。リベートをもらっている=会社が安い製品を選択できない=会社に損害を与えている、ということでしょうから、引責辞任というのは仕方ないことかもしれません。パートから抜擢された橋本社長も、架空売上を黙認したということで辞任。世の中に明るいニュースを与えていただけに、とても残念です。
それにしても、
"一方で、「坂本氏がいる会議では、ほかの幹部は誰も発言出来なかった」(同社幹部)と、ワンマン経営の弊害を指摘する声も上がっていた。"
というのは、なんなんでしょう。 発言して殴られたとかならいざ知らず、創業者に物がいえなかったというのは、どっちもどっちでしょう。幹部なんだから、自分たちがしっかり意見を言うような風土を作る責任もあるのでは?単なるイエスマンに成り下がっていた自分たちを差し置いて、「ワンマン経営は悪い」というなら、ほとんどすべての企業は悪い企業ということになるでしょう。
今、時代はワンマン経営=悪の合唱であるが、今回のように経営不振という訳でもないのに、ワンマン経営が悪いという図式は安直過ぎるのではないでしょうか。ワンマン→誰も止められない→不正というパターンは、確かによくあることですが、必ずしもそれが原因とは限りません。今後経営者が交代してから、店がどのように変わるのか、経営がどのように舵取りされるのか、ウォッチしていきたいと思います。
まあここで書いているのは憶測の域を出ませんので、本当は社内でものすごく問題がたくさんあるのかもしれないし、セクハラ云々もあったのかもしれません。それは知る由もありません。ただトカゲのしっぽならぬ、「トカゲの頭切り」のように、トップを叩いていればすべてが良くなるというような、ヒステリックな最近の風潮には危機を感じています。これは成功すればすぐに持ち上げ、崇め奉る日本的な現象と表裏一体です。
ホリエモンの例を引くまでもなく、マスコミなどのイメージでチヤホヤされてきた人が、何かのきっかけで一気にバッシングを受けるということがよくあります。これは情報の受け手である我々が、もともとしっかりした基準なしに他人を判断しているから、「他人の不幸は蜜の味」という感覚で成功者の失敗を陰で喜び、「落ちた犬は叩け」とばかりバッシングに走るという、低レベルなことを繰り返しているに過ぎません。
本当に大切なことは、日々の活動の積み重ねであったり、その活動に携わっている人々の心の中に蓄えられているものです。氾濫している情報を鵜呑みにせず、自分の中にきちんと基準を持って判断するようにしたいものです。