UKのジェイミーベルなので購入。とても印象に残る良いスクリプトで・・久しぶりに完訳しちゃった。(Fuck'n等除く)
1万5千字超え・・それだけズンと来るスリラーでございました。
皆が被害者で、誰も嘘は言ってない。それだけに怖い。
ジェイミーベル巧い!・・巧い!と何度感心した事か。その辺の薄っぺらな若い男優はついていけそうも無いですな。
次ぎはMan on a Ledge ですな。
アイリッシュマンのキリアンマーフィーいつの間にか小父さん役をやる年になってるんですね。じき36ですね。
奥様役の方はザンビアの血を引く美人。
★★★
海を行く小型のクルーザー(いや漁船風の渡し船)でマーティン(キリアン)が携帯電話で話しています。
「聞けよ、サイモンに伝えるんだ。Toyahはいい案を持っている。僕は10日ほどで戻るし、そしたら計画を検討できる。悪い時には次々と用事が重なるもんだ・・ダン!聞こえてる?」
「いつもこのあたりは何かあるんだ」と船長のダグ。
「使えるはずなんだけど・・」マーティン。
「ちっぽけな世界から数日離脱するんだね」
「そう、実際、平和な逃避だよ」
マーティンは建築家。奥様ケイトはジャーナリスト。
巧く行かない夫婦生活に、以前訪れた事のある無人島の貸しコテージにやってきて、都会の喧騒を忘れてお互いを見つめなおそうというご主人の計画です。
陰なヴァイオリンとセロ。ぽつんとある島を目指す船が上空から映されています。ストーリーを象徴するかのように。
小さな船着場に上がると、ダグが
「もし、助けが必要なら、無線を使って連絡してくれ、何も無かったら土曜日に迎えにくるよ」
「有難う、ダグ」
二人は島に上陸し、船長はボートで船に戻ります。
「楽しんで!」船長に手を振る二人。
ウェルカム看板。
Blackholme島のファイアーウェザーコッテージにお帰りなさい!!
古いレンガ作りのコッテージ
マーティンが朝食を作ってます。玉子焼き・・油たっぷりにトマトときのこ?
「ケイト。朝食の後、散策しないかい?」
返事が無い。聞こえなかったみたい。
「ちょっと待ってて、コレだけ見ちゃうから、良い?」
PCに向かってるケイト。
「ああ、いいよ」とちょっと凹むマーティン。
風雨がきつくなってきた外、黄色いバケツと釣竿をもったマーティンがやって来ます。
まどから覗くとケイトがお皿拭いてます。
どんどんと窓を叩く音に驚くケイト。
陽気に奥様に見せるバケツの中には魚が二つ。まるで子供のよう。
「まだ赤ちゃんよ」
「何言ってんだよ。レモンと一緒にグリルで焼いて~う~ん!美味しいよきっと」
アウトドアのご主人に、インドアの奥様、お家でワイン片手に本を読む・・
ご主人はノートを見つけて・・
ここのペンションを借りた人たちの残したものみたいです。
「わお、これ見て!」一人ではしゃいでいますが、奥様あまり笑顔見せません。
翌朝
波打ち際をジョギングするご主人。あれ、へラー吸ってます。喘息持ちなんですね。ご主人。
お家では奥様がPC開いてます(笑
記事でしょうか?仕事に行き詰まって、病院へ行き・・・
しかめっ面でキーボードを叩居ていると停電。バッテリーの電源がおちたみたい。
シャワーも冷たかったみたい。
「ダグが明日の朝には来てくれる」
「よかった」
「以前はこんな事無かったのに」
翌日やってきてくれたダグは、取り扱い上の注意をして行きます。
奥様からの差し入れを渡すダグ・・クッキーでした。
「食べたら、ちゃんと歯を磨くんだぞ」
「わざわざ有難う。奥様に宜しくダグ」とマーティン。
「いやぁ、彼女の趣味さ。楽しんでいるかい?」
「ええ」
「ホームシックにならないかい?」
「いえ、僕たちはこの島が好きですから」マーティン。
「それじゃ、またね。マーティン」
奥様は顔も出しません。
リアクターが治ったので、早速お風呂に浸かってのんびりするケイト
呼んでも返事がないので、バスルームにやってくるご主人。
「まって」
バスルームから追い出されるご主人はとても心外。
「あ~~夕食の用意が出来てるよ」とドアごしに伝えるマーティン。
聞こえて居るのに返事をしない奥様。
ちょっと遣る瀬無いご主人。
散歩から戻る奥様。見当たらないマーティンを呼びます。
「下だよ」
またバッテリーがダメになったみたい。
「ダグが言うとおり、3秒まってから再起動したんだけど起動しない・・ドライバーがいるかな?えっと・・遮断機を使って・ジェネレーターをオフにする・・誤動作を避ける為に・・で、どれがドライバー?」
取説を読み上げるご主人。機械電気系統はイマイチみたい。
トライしますが・・ショートしちゃいます。
無線でダグに、ジェネレーターが爆発してマーティンが負傷したと伝える奥様。
「そいつは古いからなぁでも話だけじゃどこが悪いのか解らないよ。怪我は酷いかい?」とダグ
「大丈夫だよダグと」マーティン
「でも、どこかで医者を捜して明日には行くよ。私たちが行くまでジェネレータに触らないでくれ」
「解った」
マーティンは肩にアザと頭に怪我をしたみたいです。
翌日。海岸で船の到着を待つケイト。諦めてコテージに戻ります。
「こないわ。無線でもう一度呼んでみるわ」とケイト。
フライパンのお品を丸コゲにしたご主人。
「やっぱり直火で調理するのは難しい。チーズとパンでいいかな?」
モロ不満そうなケイト。
「大丈夫だよ心配しないで、僕がやるから・・」と優しいご主人。
ため息ついてPCに向かうケイト。
午後、海を見つめるケイト・・でもダグは来ません
家に帰ると、ご主人が納屋でライフルを手にしています。
「何してるの?」
「マキを捜していたら、コレをみつけて・・」
「私たちはダグが来るのを待つしかないいわ。でも彼来ないわ。すぐ暗くなるわ。早くここから出て行きたいわ」
ため息をつくご主人。
奥様無線でダグを呼びますが・・応答はありません。
「落ち着いて・・」とご主人。奥さん苛立ってます
「ねぇ本土までボートこいで行ける?」
「遠いよ。凍えちまう」
「ええ、そうね。ここで座礁してるしかないのね」
「バカな事は言わない。諦めよう」
「で、ここから戻ったらどうするつもり?問題を解決しなくちゃどうにもならないわ」と奥様。
「大丈夫だよ、何も問題・・ないし」
「やめてよ、私には拷問よ。帰りたいわ」
「ケイト!僕はここでベストを尽くしてみたいんだ。もし、君が謝辞が欲しいなら何度でも謝る。ここでのことも、ジェネレーターが壊れた事も。ここから出られないことも」
「あなたは彼に来て欲しくないのね」と嫌味な奥様。
「やめてくれよ頼むから」と興奮気味の奥様をなだめるご主人。
泣きじゃくる奥さん。頭を抱え込むご主人。
朝、外では撒き割りのご主人。
二階から見下ろす奥様。そのはるか向こうに誰かが居ます。よたよたと歩いて倒れてしまいます。
奥さん慌てて向かいます。
そこには血まみれの男が倒れています。
連絡を取ろうとするマーティン。無線に応答はありません。
「よく考えるんだ、彼は本土から来た、きっとビーチにボートがある」
「行って見てきて、私無線の返答を待ってるわ」
「ああ、すぐ戻る」
男は居間のソファーに寝かされています。
奥さん、男のベルトにさしてある拳銃を見つけてしまいます。
そこにボートを捜しに出たご主人が戻ってきます。拳銃を指差すケイト。
「ねぇ、すぐ出て行かなくては・・」とケイト
「ケイト、聞くんだ、ボートは無かった、ここからは出てはいけない。アレを取り上げよう」
「そんな」
「彼が軍人なら武器を奪えばこの状況を解ってくれる。もし違うなら危険だ」
銃を取り上げようと、そっと引き抜きます。マーティンは銃を中二階のベッドルームのチェストの中に隠します。
目覚める男。部屋を見渡して、無線を確認。女性がキッチンに・・
キッチンに入ると男は水をくれと・・まっすぐ立っていることが出来ません。
自分が怪我をしている事を知ります。
水をさしだして、「何があったの?」と聞くケイト
「自然水を探していたんだけど、僕のボートが岩に当たって、もう一杯下さい」比較的紳士的な兵士。
「マーティン!・・あ、あなたのお名前を知らないわ」夫を呼びます。
マーティンが部屋に・・「大丈夫?」
「私はジャックコーマン戦術対応二等兵です。お二人とも助けてくれて有難う。ケイトさんにも話したのですが・・ボートが壊れて・・」
「海軍?陸軍?」マーティン。
「陸軍です。このエリアで調査活動をしてました」
「皆が捜しているんじゃない?」ケイト
「ええ あなたの無線は使えますか?」
「ここ2日動かないんです。オーナーのダグにも連絡が取れなくて・・」とマーティン。
「私が直せればいいんですが・・あの・・ここの島にはお二人だけですか?」
「ええ、オーナーのダグは本土に・・」
奥様とても不安な表情です。マーティンも緊張しています。
淡々と問うジャック。余計怖い~~
夫婦はジャックに一部屋与え、バスルームを使っていいといいます。
「少し休んだ方が良いよ」マーティン。
「ええ、有難うございます」ケイトが先に去り、ドアを閉めようとするマーティンに、ドアを蹴って、君と二人で話したい。とジャック。迫力負けのマーティン。
チェストから銃を取り出すマーティン。
「彼に渡すの?」とケイト
「いや・・と力なく応えるマーティン。
「ちょっと彼と話をしてくる」
「大丈夫?」
「ああ」
ちょっとどころかかなりビビって居るマーティン。
部屋を覗くとジャックは居ない。
一瞬恐怖が走りますが、そこに、工具箱を抱えて戻ってくるジャック。
「なにしてるの?」と聞くマーティン。
「私にイスを取って欲しい?マーティン?」と茶化すジャック。
「いや大丈夫さ」
「話しておかなくちゃならないことがある。君は聞かなくてはならない。そして、私の言った通りにしなくてはならない」イスに座るとそう静かに言うジャック。
「これは君と君の奥様にとって、安全を守る必須事項だ。ここまでは解るね?」
「あ・・ああ」気圧されているマーティン。
「コレは突発事件だ。南アメリカで広範囲の感染が始まった。R1N16Argromoto インフルエンザと呼ばれている。呼吸器系で重篤な被害をもたらす菌が飛行機によって広まってしまった。感染すると助からない。しかも急速に広がっている。ここに来るのも時間の問題だ。もし君の無線が働いていたら、知る事が出来ただろう」
淡々と話すジャック。
当惑するマーティン。俄には信じられない。
「我々ができる最善の方法は、ここを安全に保っている事」とジャック。
「まって、まってよ、どうしてそんなことを僕に話すの?」
「とても重篤なウィルスなんだ。僕らは自分たちを保護しなくちゃならない。軍の公式見解は自分の家にとどまり、ウィルスが入らないように覆う事。外出して感染者と接触しない事がウィルスから身を守る最善の手段だと言っている。すぐ手立てを始めるべきだ」とまくし立てるジャック。
「どうして君は感染していない?」露骨な不信に、金槌をとって脅そうとするマーティンですが、あっけなく押さえつけられてしまいます。
「ああ、それは、簡単さ。イギリス陸軍の気密服とマスクのお陰さ。陸軍はこの事を数週前から知ってた。我々は手立てを講じようとしたが、制御不可能だった。我々は秩序を維持する為に展開している」
「そう、君のその防護スーツは?」
「ボートが壊れた時に脱ぎ捨てた・・着ていたら溺れてしまうところだった・・奥さんには言うなよ。信じろ、俺は誰も傷付けたくない」
「マーティンどうしたの」長い話に不安になったのか奥様がやってきます。
「いや大丈夫だよこっちに来て」と言って部屋から連れ出すマーティン。
「どうしたの震えて?」
「ケイト聞くんだ、彼が外で病気が流行っていて、皆が死んでいると。だから家をシールドするって」
「何の話?」
ケイトは夫のいう言を聞かず、ジャックに直接話をします。既にジャックは窓の目張りを始めています。
「私たちはそんな話し聞いてないわ。ダグが着たら教えてくれるでしょうけど」
「望むらくは、彼が皆と同じに家を囲っているといいけどね」再びシールド作業を始めます。
「馬鹿じゃない!?」
「もし出て行きたいなら、僕がこの家をシールドする前にしてよね。だって、閉めてしまったらドアも開けられないもちろん、二度と開けない」とジャック。
憤慨して部屋に帰るとバックを取り出し荷物を詰め始めるケイト。
「気違いだわ!」
「僕にはわからないよどうしたらいいか。少しの間だし。どうせ、島から出られないのだから」
「私は家に帰りたいの。彼とこれ以上ここに居たくないわ」
「僕には彼の銃がある。でも、僕は誰も傷付けたくないし、彼もそういってる」
朝、相変わらす作業中のジャック鼻歌まじり。
「おはよう。ケトルはそこ、お茶飲むなら」とジャック。
ケイトは無線をとって話しかけますが、応答はなし
「バッテリーは残ってるよでも、応答は無い。僕が昨夜チェックした」とジャック
ドアと窓を封鎖しているジャック。
「でさ、ジェネレーター見たいんだけど」
かなり楽天的に見えるジャックで、奥様はイラつく事この上ない。
凄んで「どうしてドアを塞ぐ必要があるの?!」とヒステリー。
「だって、誰だって感染したくないでしょ。だれかがここに病原菌を持ってくるかもしれないんだ」とジャック。
「それでウィルスを塞げると考えているのか?」とマーティン
「リスクは最小限にしたい。ウィルスから逃れなくちゃ。この家に武器はあるの?ハンティングライフルとか防御できる武器は?」とジャック。
「いや・・」
「そんなものここには無いわ!」奥様
「解った・・僕が何か即席で作るよ。手伝ってよ。団結しないとダメだ」とジャック。
「どうして私たちがよそ者だとわかったの?」ちょっと落ち着いたのか奥様が切り出します。疑っているのは露骨です。
「咳もしてないし・・」とジャック。
「咳・・それが初期症状なの?
「そう、微生物はまず肺に取り付く。宿主の細胞を破壊して、主はそれを追い出そうと咳をする。そして次ぎの宿主の元へさ」
「私・・・家族とコンタクトを取るべきだわ。無線でも・・」泣きながら訴えるケイト。かなり情緒不安定。
「外には君の為になるものは何も無い。今、僕は君の助けが必要なんだ。食べ物の仕分けを始めて欲しい」
「自分でやれば!」と憎憎しげに言い放つケイト。
ヒスを起こしているケイトの様子に、ジャックはマーティンに問います。
「彼女なにか葛藤があるの?僕の彼女も時たまある。でも君にはハードじゃない?何でも仕切りたがって」
立ち入ってほしくないマーティンは態度でしめす。カチンときたのかジャックはマーティンに斧を投げて、
「そのイスも壊して!」
マーティンが再び無線を試しています。
「悪いニュースを聞かせてしまって申し訳ない」とジャック。
ケイトはそっぽを向いたきり。
「子供は居るの?」
「いいえ」
「本当?てっきり居るんだと思ってた」
「あなたに関係ないわ」涙声のケイト
「僕の何が怖いの?怖がる必要は無いよケイト。僕たちはここが安全なように、カヴァーしている。家族のようにね。不安なら、二階にいた方がいいだろう」
・・・怖い・・・
眠るケイト。その脇でイスでうとうとするマーティン。
いきなりジャックが後ろから口を封じて・・
「島に人が居る。2,3人このコッテージを偵察している。見たのは2,3人だけどもっと居ると思う。彼らを入れるわけには行かない」
頭を下げさせ、外を見ることが出来ないマーティン。斧を取り出してコレを使うんだとジャック。
マーティンは走って寝室に拳銃を取りに行きます。
「これ君の銃」差し出してしまいます。
「さがって。銃をよこせ」ジャックは武器を手にしました。
指示は常にジャック。
外を見るのもジャックだけ、拳銃を2発発射。
銃がジャックの手に渡った事でケイトは落ち込みます。
「基地はこの近く?」
「そう」
「どうして基地を呼ばないの?」不満炸裂のケイト。
「やってみたけどだれも・・彼女混乱してる?」と笑うジャック。
でもそれどころじゃないケイトとマーティン。
「質問が終わりなら次にやりたいことがある」とジャック。
キッチンを出て行ったジャック。奥様ご主人に不満の矛先を向けます。
「どうしてあなたは座っているだけで何も言わないの?」
「多分君が彼に対して抵抗してるから」
「あなたは何か提案できるの?プランはあるの?」
「いつも君は脅しにはのらないね」
「ええ、そうよ。どうして彼に銃を返したの?」
夫婦喧嘩はいつものことですが、マーティンは黙ってしまいます。
ジャックがテーブルに帰ってきて、
「彼女をこのままにしておくと我々の安全の脅威だ。わかるよな、お互い協力しなくちゃならない。違うか?」
二人に責められるマーティン。
夜、嵐です。
ジャックが無線を使っています。
翌朝、すっかりいい天気。目覚めるとベッドに居ないケイト。
台所に下りるとジャックとケイトが話をしています。
「今朝は寒いね。すぐジェネレーターを見よう。手を貸してくれるかい?」
「ええ手伝えるわ」とケイト
「見直したよ」とジャック。3人で暗い地下に。
「そのスクリュードライバー取ってくれる?」
「これ?」
「そう」
「作動しないよ」と拗ねたようなマーティン。
「え?」ジャック。
「動かないよ」
「配線を新しくして、それだけさ接触が悪いんだ。火を起こしに行くんじゃないのマーティン」とジャック。
「どうしたの?何故行かないの?」と奥様
「ここ照らしてケイト」ジャック。
ドスドスと上に上がり、目いっぱい力を込めてイスを壊すマーティ。
実用的じゃない自分に苛立ちを感じているのかも。
すぐに地下から上がってくるジャック。台所のスイッチを入れると点灯。
明かりに気づいて見上げるマーティ。無言で立ち去るジャック。
モロに、どや顔!!!
「どうやったんだケイト?」マーティン
「ジェネレーターを固定しただけよ」とケイト
「ジェネレーターの事じゃない」
「私長いこと一人でいたわ」きっとお仕事で忙しいご主人は留守がちだったんですね。
「僕はここにいるよケイト」使えないご主人でげんなりな奥様なんですよ。
「お湯が使えるの」彼のお陰よ・・と言いたげなケイトの視線に
「頼むからやめてくれ」
夕食の支度をするケイト。
一風呂浴びてさっぱりしてくるジャック。マーティンの服を着ています。
「マーティンが彼の物を使って良いと言ったの?」
「彼がそんなこと気にするとは思わなかった。いいにおいだね」
近づいてくるジャックに牽制する奥様。ジャックを懐柔しようと画策してるみたいですね。
「アレ切ってくれる?」
「ええ、奥様」にっこり。
窓をおおいながら泣きじゃくるマーティン
「軍隊は長いの?」
「18の時に入隊したから、6,7年だね」
「腕に傷があるのが見えたわ。」
「友好的なもんじゃないよね」
「痛そうだったわ。結婚してるの?」
「かつて、一度だけ」
「子供は居ないの」
「ああ、チャンスが無かった」
「なぜ?」
「病気でね」
「奥様どんな人だったの?」
「信用していると表情は言うけど、現実的な彼女はとても脆くて、いい人だとは思うけど、黒い肌、黒い髪、彼女は美しかったよ。面白かったし」
とほぼケイトの事ですね。
「良いわね」
「彼女はもう、過去の事さ」
スキを見てテーブルの上の拳銃を取ろうとするケイト。手を押さえられてしまいます。
「何するんだい?」
「何も」
再度手をだすケイトですが・・・そりゃ軍人さん相手に敵うはずも無く
「奪えるわけ無いだろう。そんなに追い詰められているのかい?まだ彼を拒否するのかい?」
「腕が折れるわ」と泣き声。
「彼とは夫婦じゃないんだろう?どのぐらい関りが無いんだ?僕の妻の事をじゃない君たちさ」
「ごめんなさい」
「そう、もし、僕が本当に君のズボンを脱がして・・」
「ええ」
「ええ?・・君の事が少しわかったよ。俺ならそうはしないけど、彼は本当に君の事を知らないのかい?」
泣きじゃくるケイト。
寝室にはマーティン
「少し話がしたいわ。私あなたに対して正直じゃなかったわ。私薬を飲むのをやめたの。妊娠したかったから。あなたは君が用意できていないと言っていたけど。御免なさい。私が悪いのよ。御免なさい」
「愛してるよ、僕たちはやり直せる」なんて優しいご主人でしょう・・(V)o¥o(V)
うち壁を壊してマキにしようとするジャック。
荷作りをして降りてくる二人。
「ケイトと二人でここを出ることにしたよ。リスクが外にあるにしても。僕らは本当に家族に会わなくちゃいけない。もう、トラブルはごめんだ」
「やり掛けの仕事はどうするんだ?彼に話したのか?どうしてマーティンに話さない」とジャック
「彼は全てを知ってるわ」
「そう」
「コレで終わりだ。板を外して、荷物を詰めた僕らは行く。」とマーティン。
打ちとめた板を外そうとするマーティン。ジャックは天上に向けて発砲。ケイトはパニック。
二人を床に膝まづかすジャック。
「床に顔をつけろ。俺の後について言え。どこにも行かないと言え!3人で居ると。以前、君たちには出て行くチャンスを与えた。でも、行かなかったよな!」
部屋にカギを掛けて夫妻を軟禁。
夜、バスルームの天井裏の窓を開けて外へ逃げ出す。マーティン。
海岸に出てダグの遺体をみつけます。銃で額を撃ち抜かれていました。
朝、朝食と呼びに来るジャック
「スイートハート。君の為に用意したんだよ」とおふざけ。
宿泊ノートを開いて、君も書いたのかい?とジャック。
「ああ」
「ジャーナリストと建築家・・僕たちはここを忘れないだろう・・また来よう。そう、また戻ってこよう。2002年」くすくす笑うジャック。
マーティンがジャックに向けて沸騰したナベの湯をかけ、包丁でケイトが襲おうとしますが、ジャックの方が早かった。銃を抜きます。
「まって、ケイト落ち着いて!」マーティン。
ジャックはマーティンの頭に拳銃を押し付けます。
「彼に触らないで!」
「何でこんなことした!この民間人」
「私たちはあなたが誰か知ってるわ!」ケイト
「え?何だって!言ってみろよ。俺が誰だって?!」
「ジャック、僕らはおびえているんだ」とマーティン。
再度電源が切れます。
「ちくしょう」とジャック。
「僕らは本当におびえているんだ」とマーティン。
「なんてこった、一人になりたいのか?畜生」
また部屋に監禁。夜、マーティンは外へ。
物音で目覚めるジャック。
マーティンは納屋に出向きライフルを取り出します。
外の音に気がつくジャック。
ああ、ジェイミーベルとってもいい表情。
ジャックの影が窓に映り、慌てて隠れるマーティン。
沈黙が怖い。
二階にあがり、夫妻のベッドを確かめるとマーティンは辛うじて戻る事が出来ていました。
あははは。本当に怖い。翌日泥まみれのベッド見たらばれちゃうじゃん。
ベッドの下にはライフル。
翌日拳銃をかまえて部屋にやってくるジャック。
「二人とも階下にいけ・・」
「なぜ?」
「下に下りろ」
「コッテージの一回は既に廃墟。使えるものは全てバリケードに、そしてマキにしちゃってます。
バリケードを作っていると、マーティンが喘息の発作。
「早くしろ。どうした?」
「彼、喘息持ちなのよ。ちょっと待って。あなた、インへラーはどこに?」ケイト
「ベッドルーム」
取りに行こうとするケイトを呼び止め、
「全員で行く。こいつに手を貸してやれ!俺に見えるように手を上げていろ」
「どこに置いたの?」
「バスルーム」
待て!先にジャックがバスルームに入ると、窓とその下にイス。
昨日の物音の正体を悟ります。
すぐうしろで、ライフルを構えるマーティン。安全装置をはずす音。
必死のマーティンに、無表情のジャック。
「手を上げて、ケイト銃を奪って」マーティン。
「え?」落ち着き払ったジャックは「外に出た?・・ああ、そうか外に出て何を見た?」
「ああ、見たよ、ダグとダグの奥さんの死体を」とマーティン。
「だから、言っただろう?この島には他の誰かが居ると」
「だれがやったんだ?」とマーティン。
「話しただろう。奴らさ」
緊張が高まって奥さんは拳銃を発砲。
「コレで弾丸が全部なくなったわ」
「私の方へ後ずさりするんだ。ゆっくりと。そう・・」マーティン。
「最後にな」
「あの男(ダグ)みたいに撃たないでくれよ・・建築家には惜しいなぁ」とジャック。
怒ったマーティンはジャックを蹴飛ばします。床に倒れるジャック。
「これからどうするんだ。マーティン。君の計画は?どうせ、何も無いんだろう?俺を撃つのか?」
銃口を向けるマーティンの隙を見て、銃口を反らすジャック。
カッとしたマーティンは殴りつけ・・短い小競り合い。
銃を離さなかったマーティンはまたジャックに銃口を向けます。
「ああ、撃つよ」と一言。
「解ったよそれが良いかもね」
「縛るんだ」とケイトに言うマーティン。
「そう、それもいいね」と茶化すジャック。
「後ろに手を回して!」とケイト
マーティンが咳き込みます。
「それ・・そうだよ・・初期症状だよ。彼は感染してる!」
え?虚偽じゃないの?本当なの?!ちょっと混乱の頭アハ体験(笑
「違う!」倒れこむマーティン
「だから言っただろう!!喘息ってこんな風なのかよ」慄くジャック。
血を吐くマーティン。
「奴は感染してる、外へ出すんだ!」ジャック
「ケイトドアを開けて・・」力なく言うマーティン。
斧を持って戻るとマーティンは倒れ、ライフルを手にしたジャックが!
「何したの?!ジャック彼を助けてあげて」
「彼を外に出さないとだめだ。忠告したのに」
錯乱したケイトはジャックに飛び掛り、なれたジャックは簡単にケイトをのしてしまいます。
「何てこった!」
「ケイトがこんな事になるのを見たくないだろう。君はすぐに逝ったというよ」とマーティンを別室に運ぶジャック。そして顔に布を掛けて・・既に虫の息のマーティン。
「コレで君と二人だ」
「彼を助けなくちゃ」と頭を壁に討ち付けてふらついているケイト。
「外に誰か居るんだ。誰が二人を助けてくれる?外に出たらバン。おしまいだ。後ろに手を回せ」とジャック。
「彼は死んでないわ」ケイト。
「僕らも死んだも同然さ。朝がきたら・・」
後ろからジャックの首を絞めるマーティン。ケイトの手を縛る為に置かれたライフルを拾い構えるケイト
暫らく足掻いてから、抵抗しなくなるジャック。
「あなた彼を殺したわ」マーティンは喀血します。
「マーティン、助けが必要よ。必ず道はあるわ。ここから出なくちゃ」
無線で救援を連呼するケイト。気がつくとジャックが居ません。
よたよたしながら部屋から出てくるジャックに絶句するケイト・・
「ジャック・・私たちはこのままここでは死ねないのよ!」
「感染は外じゃないよ。この中さ」そういって自分を指すジャック。
「うそつき!」後ずさりながらキッチンへ・・
ケイトは包丁を握り叫びながら、ジャックの左肩に突き立てます。
いざとなると女性は怖い・・・ジャックを殴り倒して銃を取りに走りだすケイト。
ジャックにライフルを向けて気丈に問うケイト。
「あなたは一体何者なの?本当の事が知りたいわ。主人が死ぬのよ。話して!」
「奴らは僕に選ばせた。囚人となるか、軍病院に行くか。病院では新しい薬の実験が始まっていて、俺は被験者になった。奴らは俺に嘘をついたんだ!」
怒りの爆発。巧い!
「奴らはこの致命的な伝染病を俺に奴らがコレを感染させて・・」
「あなたは逃げ出したのね?」
「いや、奴らは俺を歩いて行かせたのさ。奴らは間違いを犯した。俺は解任されたのさ。奴らから、俺を引き取る為に妻がトリートメントセンターに来た。自分が伝染病になっているなんて知りようがない。俺が彼女にうつした。妻に感染させてしまった。彼女を死なせたんだ!」悲しそうな男の顔・・
「あなたを信じられると思う?ダグと奥さんを殺したのはあなたでしょう?」
「俺が本島からたどり着いたボートを見つけて、俺は自分がキャリアーだと知っていた。彼らは僕を海から引き上げ、すぐに感染した。年寄りだったからかもしれない。俺にどうすればよかったと?君ならどうした?」
マーティンが辛うじて立ち上がり、よろよろとコテージから出て行きます。愛する奥さんに移さないためにも外に出なくてはならなかった・・
「でも、私たちも感染する可能性を知っていたでしょう?外に居るべきだったことも」ケイト。
「君が入れたんだ。僕にはどうにも出来なかった。だから、外に出さないように、リスクを話した・・そうするしかなかった。君に誓うよ。僕は誰も殺したいと思っては居ない」隙をみて逃げ出すジャック。
家の前では血を吐いてマーティンが倒れています。
息が出来ないマーティン。
ライフルを持って走り寄ったケイト。
銃口を自分に向けるマーティン。
「良くなるわ。良くなるわ・・」
苦しそうなマーティンに、弾丸を籠めるケイト。
銃砲とケイトの叫び声が重なります。
そして室内に居るジャックを見据えて・・
結局はどうすればいい?君ならどうするの答えは同じ・・
無線に電源を入れるジャック。
「それ動くの?」
「誰も出ない」
無線から声。
「連邦の皆へ、武装した危険な男が軍の基地から逃げ出しました。Private Jack Cormanが最後に目撃されたのは緑のコンバット服、どのような状況でもコンタクトしないように」
と無線が流れています。
「応答すべきよ。あなたが。やって!」ケイト
「俺には出来ない。マーティンが帰ってくるわけじゃないし」泣き声のジャック。
「彼らに顛末を話すべき。何をやったかね」
「彼らは助けてはくれない!」と無線を切って叫ぶジャック。
銃口を向けられて仕方なく無線をオープンにするジャック。
「応答願います」
「こちらはHMSーWalker そちらのIDをお知らせください。もし、Private Cormanの情報でしたら。なにか伝染病の徴候はありますか?でしたら、私たちは抗ウィルスワクチンがあります」と応じる女性の声。
「ケイト・・コレを信じる?彼らは嘘を言っている。真実じゃない」叫ぶジャック。
「マーティンを助けられなかったわ」
「彼らはワクチンなんて持っていない・・ケイト・・嘘だ。奴らはここにやってきて、俺たちを殺す。俺が一番わかってる!俺を信じてくれ。俺たちはこの島からは出られない」
バスン。ケイトはジャックを撃ちます。
ジェイミー・・当たり方半端ない・・痛いよこれ。
悲しいチェンバーミュージック。セロとバイオリン。
一輪車にマーティンをのせて船着場に運ぶケイト。
ボートに彼をのせていると、ケイトはいきなり眉間を打ち抜かれます。
軍用ヘリはとび去ってしまいます。
後は波の音だけ・・・
Jamie Bell ...Jack
Cillian Murphy ...Martin
Thandie Newton ...Kate
Jimmy Yuill ...Doug
Marilyn Mantle ...Mrs. Doug
BGM ロンドンメトロポリタンオーケエストラ
ロケーション Gwynedd, North wales &Inner Hebrides
あ~その・・・いいお話でした。場所も限定、主な俳優は3名。
でも実に効果的なスクリプトに演じ方。見せ場も心得ていて・・若いライター兼監督さんですが、いいお仕事してます。