見出し画像

本と音楽とねこと

オパールの炎

桐野夏生,2024,オパールの炎,中央公論新社.(7.11.24)

一九九九年に日本でピルが承認される約三十年前に、ピル解禁と中絶の自由を訴える一人の女がいた。派手なパフォーマンスで一躍脚光を浴びるも、その激しいやり口から「はしたない」「ただのお騒がせ女」などと奇異の目で見られ、やがて世間から忘れ去られてしまう―。謎多き女をめぐる証言から、世の“理不尽”を抉りだす圧巻の傑作長篇!

 よほど女性史に疎い者でない限り、本作で語られる塙玲衣子が中ピ連の榎美沙子のことだと気付くはずで、フィクションとことわっているとはいえ、彼女が「失踪」して以来の去就を、関係者の証言というかたちで、大胆に事細かに描き出していることに驚く。

一世を風靡した女たちの消息 「榎美沙子」「ケバルト・ローザ」「やまのべもとこ」

 本作では「孤独死」したことになっているが、ほんとうのところはどうなんだろう。

 去就を知りたいけれどもまったく情報がない、そんな気になる人を題材にした小説が、おもしろくないわけがない。


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事