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社会学で描く現代社会のスケッチ



友枝敏雄・山田真茂留・平野孝典編著,2019,『社会学で描く現代社会のスケッチ (ファーストステップ教養講座) 』みらい.(8.7.2019)

 若い人にも興味をもってもらえそうなテーマが先で、社会学の概念は問いに答えていくうえでのツールでしかないという位置づけなので、読み進めていくうちに自然と社会学の概念や知見が身につく、良いスタイルになっていると思う。各章が短く、多彩なテーマで社会学談義が展開されているが、なんせ章の数が多い。最後まで読みとおすのは、多少根気がいるかもしれない。
 本書で社会学に関心をもってくれる人が増えればいいなとは思うが、さて、どれくらい売れるだろう。

目次
序章 21世紀の日本社会を生きる――今、大学で学ぶこと
第1部 常識を疑う
第1章 友人とは誰のことか?
第2章 「絆」を強くすれば自殺は減るのか?
第3章 美容整形のきっかけとは?
第4章 日本人は宗教を信じていないのか?
第5章 「未熟」な若者がフリーターやニートになるのか?
第6章 日本人がオリンピックで日本代表を応援するのは当たり前か?
第7章 「いい人」がボランティアになるのか?
第8章 「オタク」は孤独か?
第2部 社会の謎を解く
第9章 なぜ「スマイル」は0円なのか?
第10章 なぜ結婚する人が減っているのか?
第11章 なぜいじめを止められないのか?
第12章 なぜ若者はSNSにはまるのか?
第13章 なぜ原発は東京にはないのか?
第14章 なぜ「家族」を求めるのか?
第15章 なぜネット上で「炎上」が生じるのか?
第16章 なぜ<体育会系>は就活が人気なのか?
第3部 社会の未来を考える
第17章 「格差と不平等」にどう向き合うか?
第18章 「子どもの貧困」にどう向き合うか?
第19章 「地球環境問題」にどう向き合うか?
第20章 「大規模災害」にどう向き合うか?
第21章 「人口減少」は地域社会をどう変えるか?
第22章 「移民」は社会をどう変えるか?
第23章 21世紀における社会と公共性
文献リスト
事項索引
人物索引

大学等で初めて社会学にふれる学生のためのテキスト。日頃疑問に思っている現代社会のさまざまな現象を、社会学の視点からわかりやすく解説。社会学という学問によって現代社会のいくつかの断面を平明にスケッチすることを試みた。興味のあるテーマから読み進められる構成で、社会を深く知るために最適な1冊。

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