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世界不平等レポート2018



ファクンド・アルヴァレド、ルカ・シャンセル、トマ・ピケティ、エマニュエル・サエズ 、ガブリエル・ズックマン編(徳永優子・西村美由起訳),2018,『世界不平等レポート2018』みすず書房.(8.24.2019)

 さまざまな経済指標を丹念に分析し、世界各国における富と所得の不平等の変遷と現状を明らかにした好著。
 「世界の所得の不平等は、収束方向に働く力(新興国の急速な成長)と拡散方向に働く力(各国内の不平等の拡大)の両方によって形成される」(p.242)、この重大な知見が、多数のグラフ化されたデータにより、実証されている。
 高価なので、図書館から借り出して読んだほうが良いだろう。

目次
本書の概要
Ⅰ 『世界不平等レポート2018』の目的は何か
Ⅱ 世界的な所得不平等に関するわれわれの新しい知見とは何か
Ⅲ 民間財産と公共財産の所有の変化が不平等に関して問題になるのはなぜか
Ⅳ 世界的な富の不平等に関するわれわれの新たな知見
Ⅴ 世界的な不平等の今後と、それに対する取り組み
はじめに
第Ⅰ部 WID.world プロジェクトと経済的不平等の測定
第Ⅱ部 世界的な所得不平等の傾向
2.1 世界的な所得不平等の動向
2.2 各国間の所得不平等の傾向
2.3 各国内の所得不平等の傾向
2.4 アメリカ合衆国における所得の不平等
2.5 フランスにおける所得の不平等
2.6 ドイツにおける所得の不平等
2.7 中国における所得の不平等
2.8 ロシアにおける所得の不平等
2.9 インドにおける所得の不平等
2.10 中東における所得の不平等
2.11 ブラジルにおける所得の不平等
2.12 南アフリカ共和国における所得の不平等
第Ⅲ部 公的資本と民間資本の動向
3.1 世界各地の富/所得比率
3.2 先進国における総国富/国民所得比率の推移
3.3 旧共産主義国の比較
3.4 中国における資本の蓄積、民有財産、不平等の拡大
3.5 ロシアにおける民有財産の増加
第Ⅳ部 世界の富の不平等の推移
4.1 世界の富の不平等──推移と今後の予測
4.2 世界各地の個人財産の不平等の推移を比較する
4.3 アメリカ合衆国における富の不平等
4.4 フランスにおける富の不平等
4.5 スペインにおける富の不平等
4.6 イギリスの富の不平等
第Ⅴ部 経済的な不平等と闘う
5.1 世界の所得の不平等は今後どうなるか?
5.2 富裕層における不平等の拡大と闘う──累進課税の役割
5.3 世界規模の租税政策──世界金融資産台帳の必要性
5.4 貧困層における不平等と闘う──教育を受ける機会と高報酬の仕事を得る機会の平等化
5.5 過去からのメッセージ──政府は未来に向けて投資せよ
結 論
付 録

全世界の研究ネットワークを駆使して不平等の最新動向を、隔年で報告。

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