みーばぁ整体室より: 体の謎とバトルの日々

みーばぁ整体室の現場では、病気や痛みや体の謎を解きつつ施術が進みます。謎が解けると施術も上手くいく。それが楽しいの。

Aちゃんの想い出1/高熱で脳炎を発症してから・・

2013-06-30 | 子どもの整体

Aちゃんがお母さんに抱っこされて来室したのは、平成5年。

今から20年前の12月で、・・来月、3歳の誕生日を迎えるとのこと。

色白のお顔がほんのりピンク色にそまって、

まるで「愛らしい天使の子」のような女の子でした。

 

けがれのない、無垢な微笑みを浮かべた愛らしい女の子が・・、

まさか、脳萎縮 障害児 だとは・!・・・!

-------------(脳障害児には、天使のような愛らしい子がいるそうです)

 

Aちゃんは、昨年(2歳)までは、ふつうの女の子でした。

「ママ、ママ」とママの後を追い、ママに甘え、ママとお話する、

ごく普通の、かわいい女の子だったそうです。

 

沖縄で行われた結婚式に、Aちゃんは両親と出席し、

体調を崩し、風邪を引いて、高熱を出し、

その熱はAちゃんの脳を襲い、脳炎を来たし、

Aちゃんの脳は、萎縮してしまったのだそうです。

(高熱は人体のタンパク組織(脳を含む)を変性させ、結果硬縮します)

 

今のAちゃんは、お話もできません。

口から音を発するだけ。

お母さんの声も、声ではなく音として認識しているようでした。

 

Miz は 整体師の立場から、Aちゃんを、観察、考察しました。

(=立場上、医師の視点とは異なりますが、ご了承下さい)

例えば、こんなことに注目しました。 

1まず、首の角度。~~首がコックンと前のめり状態になっている。

2両足で立っていられない。ハイハイできない。

3体軸が2軸性ではなく、1軸性になっている。

(2軸性は左右の分岐が顕著で、1軸性は左右が確立せず回旋性の動きが顕著になります。詳しい説明は省きます)

体の右と左の関係に、特に注目しました。

4左手がダランとしている。

5体の動きが、右志向。~~右方へ、右方へと行こうとする。

6左側からの音声には反応しない。右側からの音声には反応する。

7左右の眼の焦点が合わない。両眼が右方に動く(=右視野)

8左の耳付近は冷たく、触ると嫌がる。 右の耳付近は温か。

       ______________________________ 


AちゃんはMiz 整体室に、月に2度、1年間通いました。

通常の整体は、失われかけた体の機能を取り戻す作業を行いますが、

Aちゃんの場合は、すでに消失した機能を、新たに構築する作業で、

人体機能の芯の部分に触れるチャンスと発見に満ちていました。

 

例えば、Aちゃんは1年後には

1お母さんが、左側から呼びかける声に反応するようになり、

2右回りしか出来なかったのに、左回りも出来るようになり、

3ダランとしていた左手も使って、オモチャを持つようなったり、

という改善が見られました。

 

幾ばくかの改善は見られたものの、

せっかく歩き出しても、大きな音がするとパタンと倒れたり、

普通の3歳児なら苦もなく出来るさまざまな動作を、Aちゃんはこなすことは出来ません。

普通の女の子とは、はるかに遠いAちゃんでした。

 

平成6年の12月末のこと、

Aちゃんのご両親がMiz 整体室にいらっしゃいました。

「いろいろ二人で相談した結果、、、」と切り出しました。

「Aちゃんを施設に預かっていただくことにして、

赤ちゃんを、もう一人作るという決断をしました」

というご報告でした。

 

ご両親は、とことん話し合ったのだと思います。

預かってくださる施設が見つかったことにも、感謝していました。

「そうねぇ・・・。それがいいかも、ねぇ」

 

一瞬、Aちゃんは、両親に見捨てられたの、と思いました。

いや、そうではない。

Aちゃんは、一般世間より施設という環境で育ったほうが幸せだろうと、両親は一生けん命、考えたのだと思います。

 

Aちゃんと同じ施設にK君もいて、その関係で、

お母さん同士は今も交流があるそうですが、お尋ねしたら、

Aちゃんは、施設でお元気で過ごしているそうです。

年の頃は・・・ 22歳になるかなぁ。 

  どんな乙女になっているでしょうね。

 


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