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写真で綴る花鳥風月:Kachofugetsu spelled out in photographs

ネジバナ、夏の野草は光が似合う

2021-06-16 | 花・花木

[写真は3枚]

先日の早朝写真散歩で撮ったネジバナ。

草丈が20㎝もなく花もせいぜい5mmほどと可憐な花。

こんなに小さな花にも関わらず朝日に照らされて美しく輝く。

 

 

この花は陽当たりが良い芝生であれば梅雨後に良く伸びる。

野草・雑草扱いで刈り込まれてもすぐに育つ。

原産は日本・熱帯アジア・ヨーロッパ・オセアニア。

日本では北海道から九州までと分布範囲が広い。

日本原産の花にあって絶滅の恐れがないと聞く(※1)

 

※1:ネジバナの花粉には接着剤のようなものがついている。

それを使って虫に花粉を運ばせ受粉を促している。

ネジバナの種は数十万個と言われ、大量の花粉を一気に虫に運ばせる戦略のようだ。

たくさんの種ができるということはそれだけ生存する確率を増やせる。

それが絶滅の恐れがないと言われる所以なのだろう。

 

 

ネジバナは一般的に知られる管理が難しいものとは違うが、れっきとした蘭の仲間。

可憐な花を拡大して撮ると

 

「なるほどランの花」

 

他にも管理がしやすいランの仲間に梅雨の季節では最盛期を終えているシランがある。

ただ、私は陽当たりが良いところを好むネジバナの方が好みだ。

 

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それにしても何故、身(茎)をよじる姿を選んだのか。

草丈は伸びてもせいぜい40から60cm前後。

茎の周囲(色んな方向)に種を付けて少しでも生息域を広げようとする生命の意思(※2)の表れか。

陽当たりが良いところで成長するその特徴から逆光に映える姿はなお美しい。

 

近所では雑草の中からところどころ頭を持ち上げたように咲くネジバナ。

いつか群生したところを探して可憐な花の集まりを撮ってみたい。

 

※2:神経細胞を持たない植物は「思考しない=意思を持たない」と言われている。

ただ、最近の研究で食虫植物などはカルシウム化合物の体内移動によって動きをもたらすことが分かってきている。

だとすると他の植物の成長やわずかな動きにもカルシウム化合物(またはそれに類するもの)が関わっている可能性が高い。

それはあたかも意思を持つかのように見える。

転じて「生命の意思」と考えてもよいのではないだろうか。

 

<余談>

ネジバナには別名がいくつかあるが、その一つが「捩摺(モジズリ)」

由来は現在の福島県に伝わるねじれ模様が特徴の型染である「信夫捩摺(しのぶもじずり)」が語源。

また、百人一首で詠われた

 

「陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり 誰(たれ)ゆゑに乱れそめにし われならなくに」

 

詩の意味は

 

「陸奥の信夫捩摺の乱れ模様のように、私の心は忍ぶ恋のために乱れています。このように乱れたのは私ではなくて貴方のせいですよ。」

 

ネジバナの花言葉である「思慕」は多分にこの詩(うた)が由来と思われる。

 

ちなみに季語は「夏」

山野草愛好家の中ではもう一つの別名である「小町蘭(こまちらん)」という呼び方が人気だそう。

『夏・こまちらん・思慕』を題材に俳句を読めたら美しい詩になりそうだ。

 

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