goo blog サービス終了のお知らせ 

EVERYTIME WITH MOVIE

アナキンのBLOG

あの頃から今まで 思いは夢の中

興福寺 南円堂

2008年11月29日 | 西国三十三所
奈良シネマデプト友楽の一階にあるモスバーガーは、お気に入り
のスポットのひとつだ。
その日の気分のバーガーとホットコーヒーなど飲んでから、仏像
めぐりに出掛けるのが、奈良に来た時のパターンになっている。
この日は以前からの約束で、妻と二人、南円堂へ向かう前に立ち
寄った。
店員さんの応対も良く、妻も気に入ったようだった。



さて南円堂なのだが、ここはもう何度も訪れているお堂ではある
が、西国三十三所の巡礼という事で、初めて堂内に入る事もあり、
否が応でも期待は広がるのです。

不空羂索観音様は実に神々しく優しさに満ちたお姿だった。
仏像によっては威厳のあまり恐れ多く、近寄りがたい仏様も居ら
れるが、南円堂の不空羂索観音様からは包み込むような母なる愛
を感じさせて頂いた。
東大寺三月堂の不空羂索観音様とは、また違ったオーラがありま
す。一度比べられたら如何でしょうか。
それが仏像鑑賞の楽しみ方の一つだと思うんですけどね。
あくまでも仏像は見に行くのではなく、拝みに行く、もしくはお
会いに行くという気持ちが前提ですが。
それから僕の妻は何故か持国天さんと目が合い、何かを感じたら
しい。
それもまた仏像を知る楽しみの一つかもしれません。
仏像は自分の仏性を探し出してくれるために、あなたの前に現れ
るのです。

興福寺では、中金堂の再建を今行っている最中です。
新しいお堂が出来て、興福寺の珠玉の仏像群がどのように配置さ
れるのかと、今から楽しみにしている僕なのです。



その後、興福寺国宝館で阿修羅さんなどにお会いし、奈良町へと
足を運んだ。
久しぶりの奈良町はすっかり観光地化していて、とくに外国人客
の多い事に驚かされた。
そんな中、元興寺はとても落ち着いた佇まいを見せてくれました。
ここだけは秋の香りが流れ、古の都へと思いを馳せさせてくれま
した。



菩提山 穴太寺

2008年11月29日 | 西国三十三所
京都駅に着いた時から、すでに遠足気分の自分がいた。
亀岡までのJRは保津峡あたりのワクワク感が好きなのです。

昔、中学生の時。友達三人で鈍行列車に乗り香住へキャンプに出かけた。
行商のおばぁさんたちも乗り合わせ、のんびり旅を味わえた。
あの頃の路線は今のトロッコ列車のラインで、列車のドアも解放された
車両で楽しい思い出になっています。

ノスタルジック気分で亀岡に降りたった。今ではベッドタウンとなった
のか、住宅の数は凄いものになっていた。
それでもバスに揺られ穴太寺に近ずくにつれて田園風景は広がり、遠足
気分に拍車をかけた。

穴太寺の山門をくぐれば、さほど広くはないが、落ち着き趣のある境内
に朝の空気が気持ちが良い。
本尊は聖観音様。とても美しいお姿でした。
それと、なで仏で有名な釈迦涅槃像様。
布団の中で横になってるお釈迦様に、自分の身体など気になる部分と同
じ所をなでれば、心身共に平穏になれると伝えられています。
そして願いが叶えられた人は、新しいお布団を奉納されます。
お釈迦様、一体どれだけのお布団をお持ちなのでしょうか。
僕は天の邪鬼なのか、敷布団もいいなぁと思い、悪い頭とひねくれた心
をなでてお祈りしてきました。

もう一度違った季節に、ここに来られたらいいなぁと思い、またバスに
揺られていました。

帰りは二条駅でおりて、映画鑑賞。
いつでも映画と共にありです。


紫雲山 中山寺

2008年11月24日 | 西国三十三所
久しぶりに訪れた中山さん。
中山さんと親しみを込めて呼ばれるだけ、この寺は開放的で、
いつも多くの参拝者が後を絶たない。

この前に訪れたのは、娘ができて腹帯をお返しに来た時。
あれから十年以上は経ったんだとの思いで、仁王門を見上げる。

本堂までの参道に立ち並ぶ灯篭。
娘が生まれる前に腹帯を貰いに来た日。その灯篭はみんな倒れ
ていた。阪神淡路地震のすぐ後の事だった。
あの頃、人も街も皆傷を背負って暮らしていた。
今は美しく花に囲まれた姿が、儚い時を感じる。

本堂に登る階段にできているエスカレーターとエレベーター。
これは妊婦や子供連れ、ご老人に思いやりのあるいい物だ。
僕もこの日は登りだけ利用させてもらった。
この寺は微笑みに満ちた寺でもある。
赤ちゃんを中心に家族の幸福がいつも咲いている。
カメラやビデオに収まるおじいちゃん、おばあちゃんの笑顔が
やさしくて可愛い。
他人の身ながらも自然と笑みがこぼれる。


御本尊の十一面観音様はインドの王妃をモデルにしたという
だけあり、とても上品なお方でした。


今回は初めて、一人電車で来たので、気楽にゆっくりしていた。
そしていつしか僕は静かな納骨堂にいた。
静寂と永遠が同居したような空間に心奪われた。
そこを訪れていた老いた母と娘さんの邪魔にならぬよう静かに
仏様に手を合わして後にした。

この日は中山寺の二つの顔を見せられ、その奥深さに感動し
ました。
あの赤ちゃんもやがて、人生の辛さを味わい、わずかな幸福の
日々を思い生きていき、そして人生の終焉に何を見るのか。
そんな思いで、僕は妻の実家のお墓がある三田に向かった。

駅を降りてお供え物を買い、墓地までゆっくり歩いた。
お墓は草が生い茂っていた。
一時間の草むしりでスッキリしたお墓に花を添え、手を合わせ
般若心経を唱えた。

今日は来て良かった。心の中でそう思った。

風猛山 粉河寺

2008年11月17日 | 西国三十三所
JR粉河駅を降りてトンマカ通りという商店街を行く。
粉河寺まで続く綺麗に整備された街路は、休日だったせいか
人もなく、お店も大半が閉まっていて、なにか平日午前中の
テーマパークを歩いている気分になった。

しかし和歌山のお土産って何があるんだろう?
いい所なんだから、もっとアピールできる物があってもいい
と思う。

そんな事を思いながら大門をくぐりぬける。
それぞれのお堂、みんな風格があり、鎌倉時代の広大な伽藍
が想像できる。
そのうち中門あたりから人の数も多くなってきた。
有名な粉河寺庭園で写真を撮り、本堂のほうへと上がると、
いるわいるわ巡礼の人波!朱印帳を持って納経所へ連なる
列はどこまであるのか。
なにせ218年ぶりの御開帳。仏像マニアならずともそのお姿
を観んと全国から駆けつける訳です。

この千手観音様がまた美しい!遠路来た甲斐がありました。
しかしこの観音様は千手堂の本尊さまです、粉河寺自体の
御本尊様は開帳のしきたりがない絶対秘仏なのです。
その御本尊様。お堂の地中に安置され、誰もそのお姿を観た
者はいないそうです。
はたしてどの様なお姿なのか、はたまた本当に地中におられ
るのか、まったくの謎なのです。
その真実は仏様にお参りする者の心にあるのです。
仏様がいないと思う者には、見つかりません。
仏様をイメージすることが大切なんでしょうね。

団体巡礼さんたちと一緒に一時間ほど並んで御朱印を頂き、
電車の時間に間に合うようにトンマカ通りを駆け抜けて
行きました。


紀三井山 金剛宝寺

2008年11月16日 | 西国三十三所
紀三井寺の階段は231段。
なんの事はないと高を括り、登り始める。
息は上がらないが足が重い!
やっぱり衰えてきている。

それでも止まる事はなく登りきった。

境内で一休みする僕の眼前に広がるは和歌の浦の絶景。
子供の頃に海水浴に来たのを思い出す。
いいなぁと見とれる。

新仏殿が美しい、そしてなにより本堂。
風格がある、趣がある、威厳がある。
そして本堂奥の大光明殿へ。

梵天様・帝釈天様に挟まれ秘仏の千手観音様と本尊十一面観音様が
僕を迎えてくれる。
御本尊の十一面観音様はとても素朴なお姿で、絢爛な衣装を纏った
観音様を想像していた僕の浅はかな想いを一掃してくれた。
紀三井寺は有名で、派手なイメージを持って山に来た、「そうじゃな
いんだよ」と微笑み語りかけてくださる観音様。
そんな浅はかな自分が可笑しかった。

本堂の仏像の数々にも感動!紀三井寺凄い!
そして圧巻の新仏殿の大千手十一面観音菩薩!

また桜の頃に来て観たい。
そして感動を引きずりつつ次の粉河寺へ向かった。

京都清水寺

2008年11月13日 | 西国三十三所
清水さんに最初に訪れたのはいつだったか、記憶が定かではない。
もちろん何度訪れたかなんて、覚えているわけもない。
けど僕には思い出たくさんのお寺。

そして今回のお参り、西国三十三所巡礼という事で、やっぱりこのお寺に
決めてスタートしました。
西国三十三所結縁御開帳は20年9月から22年5月まで、本尊秘仏の公開と
いうことで仏像ファンにはたまらない企画なのです。
また半数近くは初めてお参りするお寺なので、仏閣や門前町も楽しみにし
てる次第です。


音羽山清水寺

あまりにも有名なこの寺、春には桜が、秋には紅葉が誘い多くの人が舞台
をめざし五条坂・清水坂を登って行きます。
さてその本尊は十一面千手観音様ですが、普段は御前立ちの観音様が全国
からお参りの老若男女に愛と慈悲のオーラでそこにおられます。
黄金にひかり、細く長い手が高く差しのべられた姿はありがたい気持ちに
させてくれます。
そして三十三年に一度の本尊の秘仏、十一面千手観音菩薩様。
黒く派手さのない姿は、悠久の時を越えた何かが、静かに深く心に響き、
全てのの人を魅了させてくれます。
来て良かった、お逢いできて良かったと僕は一人つぶやいていました。


観音様巡りの旅、ますます期待が広がり、いいスタートが出来た思いで
一杯でした。
この秋は11月30日までで、また来春の3月1日から5月31日まで御開帳です
今回の結縁御開帳を見逃せば、この次に本尊様に逢えるのは25年後です。
是非訪れてみて下さい。