青岸渡寺は西国三十三霊場の一番札所だ。
大体の人は一番札所から順々に巡って行きたいと思うものだろうが、
ここに一番札所を最後の巡礼地に選ぶ天の邪鬼がいる事をお伝えしたい。
天の邪鬼? 天の邪鬼? いやいや違いますよ。
予定は未定とはよく言ったもので、巡り巡って青岸渡寺が残ってしまった
訳で、特別に理由あって、ここを最終地点に選んだ訳ではありません。
青岸渡寺は僕の住む大阪からは一番遠い札所で、交通費もその分高額に
なり、足が遠のいてしまったのも事実です。
だから、最後くらいは特急電車でスムーズに行こうと、行きはくろしお号、
帰りはオーシャンアロー号と、南紀の海岸線を大いに楽しむ事にしました。
三十三所を終える自分への御褒美じゃないけれど、珍しくお土産も買った
し、車内販売の駅弁も買って食べたりもした。
まるっきりのレジャー気分でした。
JR紀伊勝浦駅で熊野交通バスに乗り換え、青岸渡寺まで25分ほど。
この日近畿地方は大方が雨模様だったが、ここ勝浦は薄日もさし、雨具の
必要はなかった。
これで三十三所と番外札所の三所の全てにおいて、雨に会わずお参りが
出来た事になる。
観音様に感謝だ。
青岸渡寺
バス停留所から熊野那智大社と青岸渡寺まで、長い階段が続く。
先日の近江国の二寺で少し膝に不安を感じてはいたが、これで
つらい階段登りも最後と思い、一気に登れた。
朱塗りの美しい熊野那智大社にも参詣をし、ついに青岸渡寺に辿り着く。
観音様に手を合わせ、最後に残った納経帳の一番札所の空白頁を埋めて
もらう。
満願の瞬間が訪れた。
満願といっても、たくさんの観音仏に会いたいとか、色々なお寺や名所
を訪ねたいとかで始めた西国巡礼。
僕にはとくに高尚な願いも、悲痛な願いも無かったのです。
それでも三十三所の御朱印を戴ければ、天空に巨大な龍が現れ「何でも
一つだけ願いを叶えてあげよう」と言われはしないかと、巡礼の後半は
考え続けていた。
曇天の那智山。さすがに龍は現れなかったけど、僕は一つだけお願いす
る事にした。
それは昨年に父親を亡くし、淋しい日々の中にいる妻に、今一度どんな
形でもいいから、何かの方法でお父さんに逢わせてほしいと。
亡き者は帰って来ない。それと判っていても、どうか逢わせてあげてほ
しいと、三十三観音に心で叫んだ。
それは補陀落山まで届いたか僕には判らないけど。
これで三十三所の巡礼旅も終りです。
けど全てのお寺・観音仏にもう一度お逢いしたい気持ちはますます強く
なりました。
だから、また機会があれば、お参りに行くつもりです。
最後に三十六寺の巡礼で出逢った、全ての人と全ての仏様にありがとう
です。
大体の人は一番札所から順々に巡って行きたいと思うものだろうが、
ここに一番札所を最後の巡礼地に選ぶ天の邪鬼がいる事をお伝えしたい。
天の邪鬼? 天の邪鬼? いやいや違いますよ。
予定は未定とはよく言ったもので、巡り巡って青岸渡寺が残ってしまった
訳で、特別に理由あって、ここを最終地点に選んだ訳ではありません。
青岸渡寺は僕の住む大阪からは一番遠い札所で、交通費もその分高額に
なり、足が遠のいてしまったのも事実です。
だから、最後くらいは特急電車でスムーズに行こうと、行きはくろしお号、
帰りはオーシャンアロー号と、南紀の海岸線を大いに楽しむ事にしました。
三十三所を終える自分への御褒美じゃないけれど、珍しくお土産も買った
し、車内販売の駅弁も買って食べたりもした。
まるっきりのレジャー気分でした。
JR紀伊勝浦駅で熊野交通バスに乗り換え、青岸渡寺まで25分ほど。
この日近畿地方は大方が雨模様だったが、ここ勝浦は薄日もさし、雨具の
必要はなかった。
これで三十三所と番外札所の三所の全てにおいて、雨に会わずお参りが
出来た事になる。
観音様に感謝だ。
青岸渡寺
バス停留所から熊野那智大社と青岸渡寺まで、長い階段が続く。
先日の近江国の二寺で少し膝に不安を感じてはいたが、これで
つらい階段登りも最後と思い、一気に登れた。
朱塗りの美しい熊野那智大社にも参詣をし、ついに青岸渡寺に辿り着く。
観音様に手を合わせ、最後に残った納経帳の一番札所の空白頁を埋めて
もらう。
満願の瞬間が訪れた。
満願といっても、たくさんの観音仏に会いたいとか、色々なお寺や名所
を訪ねたいとかで始めた西国巡礼。
僕にはとくに高尚な願いも、悲痛な願いも無かったのです。
それでも三十三所の御朱印を戴ければ、天空に巨大な龍が現れ「何でも
一つだけ願いを叶えてあげよう」と言われはしないかと、巡礼の後半は
考え続けていた。
曇天の那智山。さすがに龍は現れなかったけど、僕は一つだけお願いす
る事にした。
それは昨年に父親を亡くし、淋しい日々の中にいる妻に、今一度どんな
形でもいいから、何かの方法でお父さんに逢わせてほしいと。
亡き者は帰って来ない。それと判っていても、どうか逢わせてあげてほ
しいと、三十三観音に心で叫んだ。
それは補陀落山まで届いたか僕には判らないけど。
これで三十三所の巡礼旅も終りです。
けど全てのお寺・観音仏にもう一度お逢いしたい気持ちはますます強く
なりました。
だから、また機会があれば、お参りに行くつもりです。
最後に三十六寺の巡礼で出逢った、全ての人と全ての仏様にありがとう
です。