軽便鉄道

戦前、沖縄にも鉄道網があったということをご存知だろうか?

(クリックすると拡大された画像が表示されます)

この鉄道網は1945年の沖縄戦により破壊されてしまった。
それ以来2002年にモノレールが那覇空港～首里で開通するまでの60年間、沖縄には鉄道網は全く存在していなかった。
鉄道網の代替として沖縄の人々は車を持つようになった。
沖縄では一家に一台ではなく一人一台といわれるほど車の保有率が高い。

平成5年度の国・県道の実延長及び改良延長は復帰時(昭和47年)に比べ、それぞれ 1.22倍、 2.17倍と大幅に伸びてきたものの、自動車の保有台数は、実に3.73倍に伸びており、道路整備の伸びをはるかに上回っています。このため、中南部都市圏では慢性的な交通渋滞が発生しており、自動車の移動性も低下しています。
ゆいレールについてより

鉄道がないとなにがつらいかというと車を持たない(もてない)人の交通手段が狭まってしまうということだ。
那覇から他の都市へ移動するには車のほかにはバスしかないのだが、交通渋滞がひどすぎて使い物にならない。
そのおかげで、私は沖縄出身だが那覇以外の地域のことはほとんどわからない。
両親が自営業を営んでいるので沖縄の他の地域へ旅行をしたことなんかはほとんどなく、学生なので車ももてない。
ゆえに、沖縄の有名な観光地(海水浴場やスキューバができるところ)にはほとんど行ったことはない。
福岡や関東の友人・知人から
"沖縄出身だから海によく行くでしょ"
といわれるが、那覇に住んでいたころの私には↑の理由で"海で泳ぐ機会"すらなかった。
"海で泳ぐことには興味がなかった"と彼らには答えるようにはしている。

沖縄戦というのは多大な人命を奪っただけでなく、鉄道網の破壊という社会インフラに壊滅的な打撃を与えたということを知ってほしい。