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その日、法廷の審理は7時間にも及んだ。昼の休廷の時、依頼人たちと一緒に食事に出ると、子供の祖母は「今日のお昼は私がごちそうしますよ。断らないでくださいね。それじゃあ、あまりにも義理人情に欠けるというものです」と言った。
私は「実は今日のお昼は、ごちそうしてほしいと思っていたんですよ。そうでなければ義理人情に欠けますからね。でも条件があります。牛肉麺(牛肉入りうどん)を一杯だけ、3元を超えては駄目ですよ」と応えた。祖母は、嬉しそうに「好、好(ハオ)」としきりにうなずいていた。
1人1杯ずつの牛肉麺のはずだったが、5元もする炒め物が2皿も余計にあることに私は気付いた。なんともやりきれない気持ちになって、思わず食堂を飛び出したが、それでは祖母を傷つけてしまうと思い、また引き返して来た。牛肉麺のどんぶりを手に取ると、店の入り口あたりに立ったまま、麺を無理やり流し込んだ。
これは演技でもなんでもない。
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