2025年に入り、中国共産党の党首・習近平は、政権発足以来13年間で最も深刻な内外の困難に直面していた。中国国内外でその動向が大きな注目を集めており、特に以下の七つの出来事が象徴的だ。
まず第一に、シンガポール前首相リー・シェンロン夫人であるホー・チン氏が、習近平を痛烈に批判する記事をSNSでシェアした件が挙げられる。2025年4月21日、ホー・チン氏は「習近平は12年間、まるでギャングのボスのように振る舞い、常に他者に『拒否できない提案』を突きつけてきたが、今になって被害者たちに、友人やパートナーとして自分を受け入れるよう求めている」とする論評をFacebookで転送した。この投稿は、大きな反響を呼んだが、削除されることはなかった。
シンガポールはこれまで中国共産党(中共)に比較的友好的な立場を取ってきた。歴代指導者は、頻繁に中国を訪問し、時に中国側の立場を擁護する発言もしてきた。しかし、これまで中国に対して、公然と厳しい言葉を発したことのなかったホー・チン氏が、突然習近平批判の記事を拡散したことは、非常に象徴的な出来事と言えた。
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習近平が直面する内外7つの危機
2025年、中国の習近平は内外で深刻な困難に直面する。外交孤立や党内動揺、米中対立などで権力基盤が大きく揺らいでいる。
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