あの「千夜一夜物語」に登場する、魔法のランプでおなじみのアラジンである。中国では「千夜一夜故事」といい、アラジンの名は中国音で阿拉丁(A La Ding)と表記している。その阿拉丁が現代中国に甦ったという。
現代っ子の阿拉丁、その最初の願いは邸宅だった。ランプの魔神は高塀に囲まれた大邸宅を用意する。贅をこらした調度品の数々、執事、召使たちも。
次の願いは美女だった。魔神は世 . . . 本文を読む
衆議院議員選挙である。今回は総選挙であったから、最高裁判事の信任を問う国民審査があった。例の判事の名前の上に✖をつけさせられるやつである。
判事は任命後初めて行われる総選挙の際、この審査を受ける。その後は前回審査から10年を経過するごとに再審査がある。✖票が有効票の過半数に達すれば、その判事は罷免される。最高裁判事は15名、そのうち今回審査の対象となる判事は5名であった。
さて、投票の実 . . . 本文を読む
江戸、といえば、徳川家康(1542~1616)か。いや、それより前の太田道灌(1432~1486)だ。家康に先立つ足利将軍義政の長禄元年(1457)に江戸城を築いている。そして道灌といえば、あの「蓑を借るの図に題す」だろう。
孤鞍衝雨叩茅茨 孤鞍雨を衝いて茅茨を叩く
少女為遺花一枝 少女為に遺る花一枝
少女不言花不語 少女は言わず花語らず
英雄心緒乱如糸 英雄の心 . . . 本文を読む
総選挙である。総選挙といえばこのところは「AKB48」であるが、ここでは衆議院議員を選出する選挙である。このとき、最高裁判所判事に対する国民審査も併せて実施することとし、これについては憲法第79条第2項に「最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする」と定めてい . . . 本文を読む
中国を代表するネット企業のひとつ、騰訊(Tengxun/英語名テンセント)は、微軟(Weiruan/米国マイクロソフト社の中国名)とタイアップして、2014年、人工知能による対話プログラムを開発した。ネットユーザーからの質問に応答するタイプのChat Botで、「おしゃべりロボット」の名は、小冰(Xiabing/冰=氷)という。彼女はもともとマイクロソフト社が提供、2014年以来お喋 . . . 本文を読む
しかし、である。広辞苑によれば、接続詞。しかしながら、の略か。①すでに述べたことと両立し難いようなことを両立するとして述べるのに使う語。そうではあるが。けれども。②すでに述べたことに対比的なことを続けて述べるのに使う語。「絵は上手だ。しかし、字は下手だ」③感動を込めて話題を持ち出すのに使う。それにしても。「しかし、大きいね」などとある。しかし、しかしはしかしである。
& . . . 本文を読む
一期一会、という。「一期一会の縁」などと使う。利休の弟子宗二の『山上宗二記』に「一期に一度の会」とあり、転じて「一期一会」となったという。広辞苑によれば、生涯にただ一度まみえること、一生に一度かぎりであること、とある。
人はその生涯に数えきれないほどの人に出会う。何でも話しあえる友人、ずっと一緒にいたいと思う恋人。そして家族や親戚。人と出会っているその瞬間は一度きりのもの。その一瞬を大切にし . . . 本文を読む
RIDDLE、という。英語で、なぞなぞのことである。そしてきょうは「なぞなぞの日」である。頓智で名高い一休さんにちなんで一月九日「なぞなぞの日」となったという。
そこで、なぞなぞをひとつ。
これは、ひところアメリカで流行った〔riddle〕である。
いわく
医者と弁護士がレストランで食事をとっていた。
突然、医者が天を向いて叫んだ!
「おお、神さま、妻が来ています」
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モンテスキューといえば、その主著『法の精神』で知られるフランスの政治思想家にして法学者である。ルイ14世による絶対君主制の治世下にあって初めて三権分立を説き、アメリカ合衆国憲法やフランス革命に強い影響を与えたといわれている。
この高名な著作が出版されたのは1748年、わが国でいえば江戸中期にあたる。モンテスキューはそこで「日本の法律の無力さ」と題して章を割き、「ほとんどすべての罪は死をもって . . . 本文を読む
日本人の平均寿命である。
男:80.79 歳 女:87.05 歳
厚生労働省によれば、調査期間2015年における女性の87.05歳は4年連続の世界一、男性の80.79歳も世界第3位の長寿を誇っているという。いまや、わが国は世界一の長寿国である。しかし、男女の差は6年もある。
なぜ、女のほうが長生きするか?
女性の寿命が男性より長いのは日本だけではなく、世界的な傾向らしい。WH . . . 本文を読む
芥川龍之介の『杜子春』を読んだとき、なんだかこれは心理テストみたいだな、と思った。おなじ芥川の『蜘蛛の糸』を呼んだときにも、これこそよくある心理テストだ、と思ったものである。どちらも、ひっかけ問題というか、巧妙に仕掛けられている。
・・・・杜子春は老人の戒めも忘れて、転ぶようにその側へ走りよると、両手に半死の馬の頸を抱いて、はらはらと涙を落としながら「お母さん」と一声叫びました。
こ . . . 本文を読む
浪人、である。主家を離れ、禄を失った武士のこと。正確には牢人というが、その多くが各地を放浪するところから、浪人と呼ばれるようになったともいう。江戸時代の身分制度とされる士農工商、しかし、このなかに浪人という身分はない。士ではない、農工商でもない。苗字帯刀を許され、武士に準ずる扱いを受けながら、浪人は農工商らの庶民と同じく町奉行所の管轄下に置かれていた。寺子屋の師匠や道場の師範代な . . . 本文を読む
林田民子、身長158cm。幼いころから「小さい民ちゃん」と呼ばれていた。小さい民子は、やがて「チータ」と呼ばれるようになる。のちの水前寺清子である。
しあわせは 歩いてこない
だから歩いて ゆくんだね
一日一歩 三日で三歩
三歩進んで 二歩さがる
デビュー以来、水前寺清子は「涙を抱いた渡り鳥」や「いっぽんどっこの唄」などの男唄を着流しで歌って人気をよん . . . 本文を読む
2016年、ひつじ年である。羊とのかかわりは古く、人に飼いならされて8000年という。西ユーラシアとそこから広がっていった南北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどに住む人びとにとって羊は身近な動物である。一方、明治以前の日本には羊という生き物は存在しなかった。
しかし、江戸時代、道中合羽はウール仕立てであったという。あの木枯し紋次郎もウールの合羽をまとっていたのだ。あっしには関わり . . . 本文を読む
除夜の鐘が聞こえている。この1年が去って、また新しい年を迎える。なぜか感慨深い気持ちにさせられるひとときである。除夜の鐘は、多くの寺では108回撞かれる。なぜ108回か。この数については一般に煩悩説がよく知られている。
煩悩とは、衆生の心身をわずらわし悩ませるいっさいの妄念のこと。眼・耳・鼻・舌・身・意の六根、そのそれぞれに好・悪・平があって十八類、そのまたそれぞれに浄・染があって三十六類、 . . . 本文を読む