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EQペディア/エラリイ・クイーン事典

エラリイ・クイーンの作品(長編・短編)に登場する人物その他の項目を検索する目的で作られたブログです。

ホーセイ,ジェニー

2007年12月10日 | 人物事典(ハ行、他)
*ホーセイ

ジェニー・ホーセイ(Jenny Hosey)

『双頭の犬の冒険』(『エラリー・クイーンの冒険』に収録)に登場。

ニュー・イングランドの海岸に近いニュー・ベッドフォード郊外にある古風な宿屋《双頭の犬》の経営者ホーセイ船長の娘。一見すると農家の娘風だが、よく見ると、小豆色の髪をした若くて美しい娘で、教養のある口のききかたをする。学校でギリシャ語を専攻していたことがあるという。彼女は、宿帳の署名を見て、突然やってきた客が有名な探偵のエラリイ・クイーンであることを知ってびっくりした。

エラリイ・クイーンという名前は本名ではないと、J・J・マックは初期の作品の序文で力説していたようだけど、すでにそんなことは忘れられて、どうでもよくなっている(笑)

(Eirakuin_Rika)

パクストン,チャールズ・ハンター

2007年12月08日 | 人物事典(ハ行、他)
*パクストン

チャールズ・ハンター・パクストン(Charles Hunter Paxton)

『靴に棲む老婆(生者と死者と)』に登場する青年顧問弁護士。親子2代にわたってポッツ家の民事事務を担当している。
前項のシーラ・ポッツとは相思相愛の仲だが、両人とも結婚するなら相続排除&解雇するとコーネリアに仄めかされており、婚約には至っていない。

(Matorjiska)

ブラス,ヘンドリック

2007年11月21日 | 人物事典(ハ行、他)
*ブラス

ヘンドリック・ブラス(Hendrik Brass)

『真鍮の家』に登場する元貴金属商。ニューヨーク州フィリップスキルにある真鍮張りの屋敷に、召使とふたりきりで住んでいるエキセントリックな老人。
大富豪を自称しており、総額600万ドルの遺産分与を謳ってジェシイ・シャーウッド・クイーン以下8人を招く。
が、同行したクイーン警視の調査によるとその正体は不明瞭かつ眉唾の極みで、財産の存在も疑わしく、すべてが巧妙な詐欺でないとは言いきれない……


(Matorjiska)

プライアム,デリア

2007年09月16日 | 人物事典(ハ行、他)
*プライアム

デリア・プライアム


『悪の起源/THE ORIGIN OF EVIL』に登場する、妖艶な人妻。

デリアの母は、カリフォルニアの旧家の生まれでありながら、ニューイングランド生まれの他宗の男と結婚し、そのために家族から勘当され、デリアが幼い頃に死んでしまった。その後、デリアは母の家族に引き取られ、正式に育てられ、修道院でしつけを受け、家柄と伝統の誇りを守らされてきた。

成長したデリアは、家族から逃れるため、愛してもいない男と結婚して、一人の男の子をもうけるが、夫は結婚三年目に死亡。そんなときに、宝石商のロージャー・プライアムと出会った。デリアはロージャーに惹かれ、「地獄までついていこう」という気持ちになる。そして、ロージャーがデリアを連れていったさきは、まさに地獄だった。

本性を顕にしたロージャーは、すさまじい所有欲と自尊心のかたまりで、常に人を支配せずにはいられない暴君だった。その暴虐ぶりは彼の下半身が不随となった後も十五年間続いていた。それでもデリアは貞節な妻を演じ続ける。夫を捨てて逃げようとしないのは、母の生家の人たちに対するデリアの意地を示す選択だった。

(Eirakuin_Rika)

ポッツ,シーラ

2007年09月15日 | 人物事典(ハ行、他)
*ポッツ

シーラ・ポッツ

『靴に棲む老婆』に登場する、すてきな赤い髪の、小柄でほっそりとした娘。おてんばで、さわやかで、はつらつとしている。製靴業で莫大な財をなしたコーネリア・ポッツと、その二番目の夫スティーヴン・ブレントとの間に生れた、三人のまともな子どものひとり。


(Eirakuin_Rika)

ポッツ,サーロウ

2007年09月15日 | 人物事典(ハ行、他)
サーロウ・ポッツ(Thurlow Potts)

『靴に棲む老婆』に登場。

製靴業界の女帝コーネリア・ポッツの最初の結婚で生まれたキ印総領息子。外見は母に似て、小柄でふくれた腹と細い足を持ち、のっぺりした顔に嵌め込まれた石炭のかけらのような黒い目は邪悪な光を放っている。しかしその発散するなエネルギーは母に比べればはるかに劣る。コーネリアの劣化コピーといったところである。気が短くて、些細なことに憤慨するサーロウは、その傷つきやすいプライドを守るために裁判にうったえることしばしば。おかげでポッツ家の顧問弁護士の仕事の大部分がサーロウの名誉毀損訴訟の手続きに捧げられている。

そのサーロウが銃を十四挺も買い込んだ。これからは自分を侮辱した者には決闘を挑むというのだ。そしてサーロウは、父親違いでまともな精神を持つ弟のロバートがサーロウの行状を批判したことに腹を立て、弟に決闘を申し込むことになる。西部劇のガンマン気どりの平原の恐怖王“Terror of the plains”。


(Eirakuin_Rika)

ポッツ,ルーエラ

2007年09月15日 | 人物事典(ハ行、他)
*ポッツ

ルーエラ・ポッツ(Louella Potts)

『靴に棲む老婆(生者と死者と)』に登場。
製靴会社社長コーネリア・ポッツとその前夫バッカスの長女。44歳独身、どちらかというと不美人の類に属する。
自らを天才発明家と信じ、絶対に磨耗しないという特殊プラスチックの開発に連日連夜没頭中。


(Matorjiska)

ハルキス,ゲオルグ

2007年07月28日 | 人物事典(ハ行、他)
*ハルキス

ゲオルグ・ハルキス

『ギリシャ棺の謎/The Greek Coffin Mystery』に登場するギリシャ系の美術商。

ただし登場するときには死体になって棺に入っている。死因は心臓麻痺で、自然死である。ハルキス家はニューヨークでも古い家系で、隣接する教会の教区員をほとんど二百年も続けている。したがってハルキスの遺骸は、市内に埋葬を禁じる法律の条項の適用を受けず、第五アヴェニューに面した教会とハルキス邸とのあいだにある、ニューヨークでいちばん古い私有墓地の一つに葬られる。もちろん防腐処理はされるのだが。

生前、失明したハルキスは極力人手を借りないような生活をこころがけていたが、服装選びだけは自身ではどうしようもなく、その点は従弟で知的障害者のデミー(デメトリオス)に頼っていた。

エラリイは、ふとしたことから、実はハルキスは目が見えていたのではないかと疑うが・・・


(Eirakuin_Rika)

フレンチ,サイラス

2007年07月20日 | 人物事典(ハ行、他)
*フレンチ

サイラス・フレンチ

『フランス白粉の謎/The French Powder Mystery』に登場。

百貨店フレンチスの会長で、リヴァーサイド・ドライヴの下町よりのハドソン川に面した邸宅に住まうが、第五アヴェニューと三十九番通りの交差する角地に建つ百貨店の六階にもアパートメントを持っている。

六十五歳になる、むっつりしたふとりじしの男で、半白の髪は鋼鉄の光を帯びていた。

秘書のウィーヴァーによると、世間には珍しい善良で純真な人物。寛大でもあったが、麻薬のような悪習には容赦しなかった。悪習防止協会の会長を勤める。

妻のウィニフレッドは後妻で、連れ子のバーニス・カーモディーはウィニフレッドと先夫ヴィンセント・カーモディーとのあいだに生まれた娘である。
サイラス自身は先妻とのあいだにマリオンという実の娘をもうけている。


(Eirakuin_Rika)

ブリンカーホッフ,マイラ

2007年07月16日 | 人物事典(ハ行、他)
*ブリンカーホッフ

マイラ・ブリンカーホッフ

『首つりアクロバットの冒険』に登場する女軽業師。
――マイラは、猫のような敏捷さと、猫のもつ、ものうげな緑色の瞳をした、小柄な張り切った美人だった。(井上勇訳)

空中ぶらんこでのしなやかな回転と、ものうげな微笑で、《アトラス一座》を有名アクロバット・サーカス団にした功労者だったが、色好みが彼女の命とりとなった。



(Eirakuin_rika)

ファブリカント夫人

2007年07月15日 | 人物事典(ハ行、他)
ファブリカント夫人


『帝王死す』で、家政婦のおばさんとしていきなり登場したファブリカント夫人。
<ファブリカント夫人は真空掃除機を差し込もうとして部屋の向うで大きな尻をもちあげていたところだった>(大庭忠男訳)

『帝王死す』では、ベンディゴ島へ出立するエラリーが、
<いくらかのお金を与えて、部屋のことを頼んでおき、荷ごしらえをした>
となっているので、信用度は満点だったのでしょう。

ファーストシーンのみの登場で台詞もなく、そのまま消えたのかと思いきや『クイーン警視自身』で名前が出てきます。ジェシー・シャーウッドとクイーン警視との会話に登場。

<「あなたのアパートは、だれが受け持っているんですか?」
「ミセス・ファブリカントという女だ。一週間に一度来てくれるはずなのだが――」
「その女はもう二ヵ月も顔を出してやしませんよ」>(青田勝訳)

信用度はどうなってしまったのでしょうか。


初登場から20年後の『心地よく秘密めいた場所』で、みたびの登場を見ます。
さて、20年もたつと無口のおばさんもかなりの勢力を獲得するのか、

<「夕めしは煮えてるんです。ミセス・ファブリカントが、彼女の名高い―あるいは名うてのと言うほうがいいかな―アイルランド風シチューを作っておいてくれたんでね。ファビーは今日早引けしたから―」
「おれはそんなに急いで食わんでもいい」と警視は急いでいった。
(中略)
「ファビーのシチューは、デレハンティーの家のセッターに食わせてしまえばいい、あの犬はアイリッシュなんだから」>(青田勝訳)

と、雇い主であるクイーン父子が面と向って抗議できない恐るべき存在となっているのでした。


(SergeantVelie,Matorjiska,Eirakuin_Rika)



フォックス,リンダ

2007年07月15日 | 人物事典(ハ行、他)
*フォックス

リンダ・フォックス

『フォックス家の殺人』に登場する若妻。
スロカム(ライツヴィルの隣町)の孤児院から引き取られ、タルボットとエミリーのフォックス夫妻の養女として育てられる。
タルボットの弟のベイアード・フォックスが妻殺しで有罪となった後、タルボットとエミリーは甥のデイヴィーを引き取った。
それ以来、ひとつ屋根の下で暮らしてきたリンダとデイヴィー。
<二人の結びつきは単なる血のつながりよりも強かった---それは浮浪児同士という秘密によって織り出された神秘的なつながりだった>

第二次大戦に出征したデイヴィーが休暇で帰ってきたとき、リンダはデイヴィーと結婚する。デイヴィーが21歳、リンダが20歳のときだった。

一年後、デイヴィーは空軍大尉として華々しい戦果をあげ、故郷の英雄として凱旋した。だが実際は“神経精神病事故者”として軍務を解除されたのだった。二人の結婚生活に暗雲がただよいはじめる。「いつも朗らか」をモットーにするリンダだったが、強迫観念に取り憑かれたデイヴィーは無意識のうちにリンダの首を絞めようとした。

夫の心の病の原因が、十二年前のベイアードによる妻殺しにあると考えたリンダは昔の事件の真相の解明をエラリイ・クイーンに依頼する。

<エラリイはしばらく彼女の顔を見つめていた。
「ねえ、リンダさん」彼はやがて口を切った。「よほど深く愛している女性でなくては、こんな巧妙な---じつにすばらしい---解決法を思いつくものじゃありませんな。けれども---」>(青田勝訳)

再調査の結果デイヴィーの父ベイアードの無実が証明される見込みは百万に一つと考えるエラリイだったが・・・

ひたむきに夫を愛するリンダの健気さと、父の有罪が再確認されたならリンダと別れるつもりだと宣言するデイヴィーの心意気がエラリイを動かす。


(Eirakuin_Rika)

ブラッド,トマス

2007年07月15日 | 人物事典(ハ行、他)
*ブラッド

トマス・ブラッド


『エジプト十字架の謎』(『エジプト十字架の秘密』)に登場する、二番目の首なし死体の主。

大金持ちの敷物輸入商で、ルーマニアからの移民と称していたが、ブラッドという名前はルーマニアにある地名から採ったもので偽名だった。彼の共同経営者でギリシャ人だというヨット乗りのメガラの名前もギリシャの地名から採った偽名。最初の被害者である小学校長アンドルー・ヴァンも、その帰化証明書で生国とされているアルメニアにあるヴァンという地名から採った偽名を使っていた。外国生まれの謎の三人に共通する過去の秘密とは?


(Eirakuin_Rika)


フラー,サラ

2007年07月15日 | 人物事典(ハ行、他)
*フラー

サラ・フラー


『オランダ靴の謎/The Dutch Shoe Mystery』に登場。

大金持ちのエービゲール・ドールン(アビゲイル・ドーン)夫人の世話係。中年の婦人で、何年もアビーに付き添っていた。婦人の相談相手であり、お友だち(コンパニオン)でもあった。

弁護士のフィリップ・モアハウスによると、サラは移り気で、いばり散らしていて、宗教気違いで、アビーとはいがみあっていた。

アビーは慢性の糖尿病患者で、オランダ記念病院のジャニー博士みずからが一日三回のインシュリン注射をするのが常だった。ところが、事件の前夜、ジャニー博士は仕事の都合でどうしてもドールン家へ来ることができず、アビーの娘のハルダに注射を打ってもらおうと電話した。あいにくハルダは留守で、電話に出たのがサラだった。サラは怠慢にも、ジャニーの伝言をハルダに告げるのを忘れてしまった。そのため、翌朝アビーは病院の階段のてっぺんでめまいをおこし、転落して胆嚢破裂という事故に遭ってしまう。



(Eirakuin_Rika)

プライス,ルシール

2007年07月15日 | 人物事典(ハ行、他)
*プライス

ルシール・プライス

『オランダ靴の謎/The Dutch Shoe Mystery』に登場する正規看護婦。

中背で、髪は栗色、いききとしたばら色の肌と澄んだ目の持ち主である。
ジャニー博士の助手をしていて、犯行現場となった手術用控え室にジャニー博士らしき人物が入って来たのを目撃している。手術着を着て、びっこをひいて歩く、いかにもジャニーらしき人物は、控え室にいるあいだ、ひとことも口をきかなかった。だが、ジャニーの気性をよく知っているプライス看護婦は、そのときは変だとは思わなかった。


(Eirakuin_Rika)