EQペディア/エラリイ・クイーン事典

エラリイ・クイーンの作品(長編・短編)に登場する人物その他の項目を検索する目的で作られたブログです。

ワールド・シリーズの犯罪

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*ワールド・シリーズの犯罪

語学春秋社(1985)のカセット・ブック《ミッドナイト・シアター》より。

【ラジオドラマ】

☆事件

 イーグルス対ラークスのワールドシリーズ第6戦、9回裏2死満塁。
 観戦者の眼は、大リーグきっての強打者スパークスのバットに釘づけとなった。第3戦まで火を噴く勢いの“アンクル・サム”に! 
 だがどうしたことか、快音はついに聴かれなかった。まるで別人のようなスパーキー……それもそのはずだった。彼が手にしていたのはアンクル・サムではなかった。愛用のバットは盗まれていたのだ。
 消えたバットの怪。イーグルス敗北の危機! 真犯人は誰か? 最終第7戦までにバットは戻るのか?
 試合開始までわずか3時間の余裕しかない。エラリー・クイーン探偵事務所に緊急の電話が入った。


☆登場人物

スパークス(スパーキー) …… イーグルスの主砲
リリー …… スパーキーの新妻
マックルーン(マック) …… イーグルスの監督
デイトン …… イーグルスのオーナー
バック・フィッシャー …… イーグルスの選手
コリンズ …… ラークスの監督
パゴーリ …… ギャンブラー
エラリー・クイーン …… 探偵
ニッキー・ポーター …… エラリーの秘書
リチャード・クイーン …… エラリーの父、警部
ヴィーリー …… クイーン警部の部下、巡査部長


☆コメント

元ネタは1942年10月放送のラジオドラマです。

ところで、見てお判りでしょうが一部レギュラー陣の名前が原作とは異なってます。ニッキーは Nicky Porter、そして部長刑事は Sergeant Veely なんですな。


(Matorjiska)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界一下劣な男

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*世界一下劣な男

『世界の名探偵コレクション10 ☆7エラリー・クイーン』(集英社文庫)

【ラジオドラマ】(1940年)

The Adventure of the Meanest Man in the World


☆事件

シルベスター・ゴールは世界一下劣な男だった。職業紹介所を経営する彼は、仕事を求めてやってきた貧しい人々に職を斡旋する際に常に借用書を書かせて給料の何割かをピンハネしていた。
ウィル・キーラーの妻も息子もゴールに仕事を紹介してもらいにきたが、やはり借用書を書かされた。そのときゴールの事務所に乗り込んできたのがウィル。彼はかねてからゴールのやりくちに腹を立ており、一人でゴールの事務室に乗り込んでいった。そしてゴールがウィルの娘のマッジに手を出そうとしていたことを罵り、そんなことをしたらゴールを殺してやると言った。その後、外で待っていた妻子と合流すると、ウィルは彼らとマッジが解雇されたことを告げた。しかし、背に腹はかえられないキーラー夫人はもう一度話をしようとゴールの事務室のドアを開けた。そのとき夫人と息子のジャックは首にレターナイフを突き刺されて苦しんで絶命するゴールを見た。結局最後にゴールと面談したウィル・キーラーがゴール殺しの被疑者として裁判にかけられた。被告人の弁護士は陪審員のなかにエラリイ・クイーンとニッキー・ポーターがいることを知り、かすかな希望をいだくのだった。



☆登場人物リスト

エラリー・クイーン・・・探偵
ニッキー・ポーター・・・エラリー・クイーンの秘書
ウィル・キーラー・・・貧しい男
アニー・キーラー・・・ウィルの妻
ジャック・キーラー・・・キーラー夫妻の十八歳の息子
マッジ・キーラー・・・キーラー夫妻の娘(登場しない)
シルベスター・ゴール・・・世界一下劣な男
ピエトロ・コルッチ・・・雑役夫
ライリー・・・ビル管理人
ショウ・・・キーラーの弁護士
ラッセル・・・地方検事
ゴダード判事・・・裁判長
プラウティー博士・・・検視官補佐
看守・・・拘置所職員
陪審員、証人、廷吏、傍聴人他


☆コメント

被告に犯行は不可能だったというエラリイの論理はいいですね。
エラリイとニッキーが揃って陪審員っていうのがなんか笑えるけど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイヤモンドを二倍にする男

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*ダイヤモンドを二倍にする男

『世界の名探偵コレクション10 ☆7エラリー・クイーン』(集英社文庫)所収

*ダイヤを二倍にする男の冒険

『死せる案山子の冒険』(論創社)所収


【ラジオドラマ】(1940年)

The Man Who Could Double the Size of Diamond


☆事件

 「ダイヤモンドの大きさを二倍にすることができる」と主張する男が現れた。スポンサー協力の要請に興味を惹かれたケニヨンは、同業者らとも相談の上、検証の場を設ける。絶対に不正ができないよう見張られた金庫室内で、貸し与えたダイヤモンドを1週間以内に大きくして見せろという注文を、その男ラザラスは了解し、かくして世紀の実験は始まった。
 ところが1週間後、ラザラスは不首尾を理由に期限延長を願い出る。とりあえずは承知したものの、不安にかられたケニヨンは金庫室を調べ、そこでダイヤモンドが影も形も失くなっているのを発見する。慌てて仲間に連絡し、自分はエラリイの元へ駆け込んだケニヨン。だが隠し場所も無く、厳重に警戒されて密室も同然の金庫室から、どうやってダイヤモンドを持ち出すことができたのか? 
 そこへヴェリーから、ラザラスが他殺死体で発見されたとの報告が入る……

(Matorjiska) ☆詳細


☆登場人物リスト(集英社文庫)

エラリー・クイーン・・・探偵
ニッキー・ポーター・・・エラリー・クイーンの秘書
クイーン警視・・・エラリーの父親
ヴェリー部長刑事・・・警視の部下
ラザルス教授・・・発明家
ケニヤン・・・アメリカ人の宝石商
ヴァン・ホーテン・・・オランダ人の宝石商
ブライス・・・イギリス人の宝石商
マッセ・・・フランス人の宝石商
クック医師・・・身体検査をした医者

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

重なった三角形

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*重なった三角形

『名探偵の世紀』森英峻・山口雅也編(原書房)所収


【ラジオドラマ】(1940年)

The Double Triangle


☆事件

ある日、エラリーの元へ憔悴しきった青年が押しかけてきて、「このままでは自分は殺人を犯すかもしれない!」と叫ぶ。
しかも「誰を殺すのか解らない」とも。

驚いたエラリーとニッキーが尋ねてみたところ、青年の妻は浮気しているらしい。
嫉妬に駆られた夫はエラリーに頼む。「妻を見張ってその浮気相手をつきとめて警告してほしい」

かくしてエラリー、ヴェリーの手も借りて浮気調査に乗り出すが、件の妻は見張りのさなかに殺されてしまう。
直前に彼女を訪れた婦人の証言によれば、彼女の浮気相手はその女の夫だった。
婦人の家を急襲したエラリーたちは、そこでもうひとつの死体を発見する……

(Matorjiska)


☆登場人物リスト

エラリー・クイーン・・・探偵
ニッキー・ポーター・・・その秘書
クイーン警視・・・エラリーの父親
ヴェリー部長刑事・・・クイーン警視の部下
サミュエル・プラウティー医師・・・検死医補
オーソン・ベイリー・・・簿記係の青年
ベイリー夫人・・・その妻
J・タイラー・モンロー・・・保険外交員
モンロー夫人・・・その妻
ダニエル・オギンズ・・・郵便配達夫
チェスター・スミス・・・電気掃除機のセールスマン

そのほか、じゅうたんの行商人、八百屋の小僧、洗濯屋、刑事たちなど




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サソリの拇指紋の冒険

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*サソリの拇指紋の冒険

『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』(ぶんか社文庫)所収

【ラジオドラマのノヴェライゼーション】

The Adventure ofthe Scorpion Thumb


☆事件

クリスマスの翌日、とある証券取引事務所の社長から、2万5千ドル盗難事件の調査依頼が舞い込む。
問題の金庫に近づけるのは本人以外には共同経営者と事務長しかいないが、そのふたりとも嫌疑をかけるなんて問題外だとの主張に興味を引かれたエラリーは快諾し、さっそく現場に赴いた。
が、共同経営者は真相究明は却って不幸を招くだけだと暗に仄めかし、それを証明すべく、新年のパーティーに彼を招待する。
そして乾杯の席。事務長の娘との婚約を発表した共同経営者は不意に倒れて死んだ。酒に毒が入っていたのだ……
犯人は誰か?



☆登場人物

エラリー・クイーン…探偵
ニッキー・ポーター…その秘書
クイーン警視…エラリーの父親
ヴェリー部長刑事…クイーン警視の部下
ハーバート・ウェーバー…会社社長
スティーブン・マッケイ…同社共同経営者
デイヴ・ロビンソン…同社事務長
シーラ・ロビンソン…その娘
コンラッド・ロング…パーティーの招待客
ヴィオラ・ウェーバー…ハーバートの妻、シーラの姉
テンプル博士…科学者


(Matorjiska)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チェリーニの盃の冒険

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*チェリーニの盃の冒険

『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』(ぶんか社文庫)

【ラジオドラマのノヴェライゼーション】

The Adventure of the Cellini Cup


☆事件

旧友のギャラリーの息子に誘われて、オークションに列席したエラリー。
この日の目玉は、“ベンヴェヌート・チェリーニの失われた盃”。競りは白熱し、結局、6万5千ドルで落札された。
しかし、直後に遅れてきた客が、より高値を提示してもらい受けようと申し出る。だが、落札者にも譲れない事情があった。
さらに、この盃は元所有者だった男が自ら二束三文で売り払ったにも関わらず、ギャラリーに詐取されたと主張して返還を求めているいわくつきの品だった。
そしてその晩、ギャラリーから電話がかかってきた。不意に停電したという。
万一を恐れて駆けつけたエラリーだったが、闇をついて現れた曲者に盃を強奪されてしまった!


☆登場人物

エラリー・クイーン…探偵
ニッキー・ポーター…その秘書
クイーン警視…エラリーの父親
ヴェリー部長刑事…クイーン警視の部下
パーカー氏…ギャラリーのオーナー
バート・パーカー…その息子
ケリー・ショウ…その婚約者
ケンドール…「盃」の元の所有者
ジェイコブ・グロス…「盃」の落札者
オーヌ・オオクラ…コレクター


(Matorjiska)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニック・ザ・ナイフ

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*ニック・ザ・ナイフ

『法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー』(角川文庫)所収

【ラジオドラマ】(1945年)


☆事件

若い女性が襲われる事件が連続。「ニック・ザ・ナイフ」と仇名された殺人鬼によって、すでに31人もの犠牲者が出ていた。
32人目の女性は駆けつけた巡査のおかげで危うく命を取り留める。
警察は彼女の近辺にいた男3人を取り調べるが、いずれも決め手に欠けていた。
ならばと囮捜査に乗り出すエラリーとニッキー。果たして犯人を突き止めることができるのか?

(Matorjiska)


☆登場人物

エラリー・クイーン・・・探偵
ニッキー・ポーター・・・エラリーの秘書
クイーン警部・・・エラリーの父
ヴェリー巡査部長・・・警部の部下
エンディコット巡査・・・警部の部下
ジェーン・スティプリー・・・被害者
スノー・サマーズ・・・麻薬中毒者
J・K・ホッジス・・・精神障害の男
ヴァンドルフ・ラトナー・・・肉屋

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カインの烙印

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*カインの烙印

『ミステリマガジン』1999年12月号

【ラジオドラマ】


☆事件


☆登場人物

エラリイ・クイーン・・・犯罪研究家
ニッキー・ポーター・・・エラリイの秘書
クイーン警視・・・ニューヨーク市警察本部警視
ヴェリー部長刑事・・・クイーン警視の右腕
ジョン・カイン・・・変人の億万長者の老人
マードック・・・カインの年とった召使
“デュード(気取り屋)”・カイン・・・ジョンの息子。恐喝者
“キラー(人殺し)”・カイン・・・ジョンの息子。プロボクサー
“シュガー”・カイン・・・ジョンの娘。ナイトクラブのオーナー
オーティス・・・弁護士
パーカー・・・オーティスの助手


☆コメント

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暗闇の弾丸

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*暗闇の弾丸

『ミステリマガジン』1978年4月号

【ラジオドラマ】


☆事件

「あなたは今日の午後、5時59分に死ぬ」
鉄道王ファーナムの元に届けられた手紙は、はっきりと死を予告していた。
その時刻には彼と姪、彼女の婚約者、召使と護衛の5人で急行列車に乗っていると聞いたエラリイは同行を決意、ニッキー、警視、ヴェリーらとともに警備に当たる。
万全の監視体制と思われたが、問題の時刻に急行はトンネルに突入、辺りは真っ暗になる。
次の瞬間銃声が轟き、光が戻った時には、ファーナムは口を撃たれてすでに絶命していた。
犯人は誰か? エラリイが「ハウダニット」に挑戦する。

(Matorjiska)


☆登場人物

エラリイ・クイーン・・・探偵
ニッキー・ポーター・・・彼の秘書
クイーン警視・・・彼の父親
ヴェリー部長刑事・・・クイーン警視の部下
キップ・ファーナム・・・億万長者の鉄道王
ブロッコ・・・彼のボディーガード
マックス・・・彼の召使
ジョアンナ・・・彼の姪で相続人
ディック・ホーリイ・・・ジョアンナの婚約者
車掌・・・メイン急行列車乗務

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

重傷の帰還将校の謎

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*重傷の帰還将校の謎

『ミステリマガジン』2002年5月号

【ラジオドラマ】


☆事件

 戦闘で両脚を奪われ、失意のうちに帰国したセンター中尉は元ブルックリン警察の殺人課刑事で、クイーン父子やヴェリーとも旧知の間柄だった。病院のベッドで彼は見舞いに現れたエラリイ一行に訴えかける。「なぜこんなはめになったのかわからない」
 聞けば、重要な極秘の任務遂行に当たって万全の措置をとっていたにもかかわらず、相手の罠に完全に陥ってしまったのだという。20倍もの敵に正確な場所で待ち伏せされ、正確な時間に不意打ちを受けた彼らはひとたまりもなかった。ふたりの仲間は命を落とし、中尉だけが辛うじて命を取り留めたのである。
 スパイが将校クラブで働いていた現地人だと聞いたエラリイは、そこでの中尉ら3人の言動を再現させる。最後の晩餐となった暇つぶしの会話を――



☆登場人物

エラリイ・クイーン・・・探偵
ニッキー・ポーター・・・エラリイの秘書
クイーン警視・・・エラリイの父
ヴェリー部長刑事・・・警視の部下
ジャック・センター中尉・・・米国軍人
“テックス”・・・米国軍人
インディアナ・・・米国軍人



☆コメント

戦時下のエラリイ・クイーン第3弾。1944年7月のEQMM掲載時の序文には、米国政府の要請で書かれたものである旨が記されています。
『沈んだ軍艦』『一本足の男』と同様、不用意なおしゃべりが死を招くって訓話ですな。今回よけーな口を利いた報いをうけるのは兵隊さん本人。前2作では故郷の家族だったり、国内の支援部隊だったりでしたが、ついに前線にまで対象が及んだというわけか。連合軍と言えど、やはり状況はそれなりに厳しくなっていたんだろーな。
主役のセンター中尉が、真珠湾攻撃の翌日に入隊したという設定なので、再び日本軍が仇役です。例によってヴェリーさんはラストでひと言言わずにはおれん(^^;)

 You'd have caught those dirty Japs flatfooted――

(matorjiska)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

呪われた洞窟の冒険(幽霊洞窟の冒険)

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*呪われた洞窟の冒険(論創社『ナポレオンの剃刀の冒険』*60分ver.)
*幽霊洞窟の冒険(光文社『EQ』1969年9月号*30分ver.)

【ラジオドラマ】(1939年)

The Adventure of the Haunted Cave

☆登場人物

 エラリイ・クイーン(Ellery Queen)……探偵
 ニッキー・ポーター(Nikki Porter)……その秘書
 クイーン警視(Inspector Queen)……ニューヨーク市警察勤務
 ヴェリー部長刑事(Sergeant Velie)……同上
 コリンズ教授(Professor Collins)……テカムセ・ロッジの主人
 スーザン・コリンズ(Susan Collins)……その妻
 コリン・モンタギュー(Colin Montague)……幽霊実在論者
 ローラ・モンタギュー(Laura Montague)……その娘
 アレクサンダー・リュイス(Alexander Lewis)……幽霊懐疑論者 
 ゲイブリエル・ダン(Gabriel Dunn)…… 木樵り
 フィンチ(Finch)……コリンズ邸の家令


☆事件

 ろくに連絡もよこさぬまま、予定を延長して休暇満喫中のニッキーからようやく電話がきた。風光明媚な山荘で、主人夫妻に手厚くもてなされているが、気がかりなのは幽霊が出るらしいこと。エラリイは笑い飛ばすが、他にも男手はあると聞かされ慌てて現場へ直行、警視と彼曰く“かねてから幽霊とヤツが対面したらどんなことになるか見てみたかった”ヴェリーを連れて合流する。
 さて、問題の場所は山荘の裏手にあり、かつて追剥に絞め殺された犠牲者のうめき声が今も聞こえるという洞窟。その真偽を巡ってモンタギューとリュイスのふたりが24時間張り込むことになったが、当日モンタギューが約束の時間になっても現れない。いや、すでに洞窟内にいるらしく、まっすぐ入り口へ向かう彼の足跡だけが残っている。状況は彼が相手を出し抜いたことを暗示していたが、いくら呼びかけても出て来ないのを懸念したエラリイは中へ入り、そこで当人が扼殺されているのを発見する。
 出入り口らしいものは、今彼が入ってきたルートを除けば天然の岩窓があるが、その外は断崖絶壁で眼下には湖が広がり、ここから入ることは到底不可能だ。しかしもう一方の入り口には被害者自身の足跡しかないとなると、犯人はいったいどこから侵入してどこから逃走したのか?
 やがて警視は、山荘滞在者の多くがモンタギューの死で利益を得ることを知る。論敵のリュイスはコレクションを贈られることになっており、コリンズ教授は彼の生命保険金の受取人であり、そしてコリンズ夫人は故人のかつての妻で、しかも法的に離婚が完了していなかった。しかし誰の仕業にせよ、どうやって足跡も残さずにやってのけたのか。それともモンタギューは本当に洞窟の幽霊に殺されたのか?
 さらに、新たな死人が出る……

☆コメント

なお、このストーリーには60分尺と30分尺(1944年4月13日放送“Dead Man’s Cavern”)の2ヴァージョンがあって、後者では第二の殺人がはしょられてるそーです。

(Matorjiska)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

案山子と雪だるまの冒険

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*案山子と雪だるまの冒険

『EQ』(光文社)1999年1月号掲載

【ラジオ・ドラマ】(1940年)

The Adventure of the Scarecrow and Snowman


死せる案山子の冒険


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

放火狂の冒険

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*放火狂の冒険

『EQ』(光文社)1982年7月号より。

【ラジオドラマ】(1940年)

The Adventure of the Fire-Bug


☆登場人物

 エラリー・クイーン   探偵
 ニッキー・ポーター   その秘書
 クイーン警視      エラリーの父親
 ヴェリー部長刑事    クイーン警視の部下
 スウィーニー       火災保険会社の外交員
 ファーガスン       煙草・文具店主
 フェリル         室内装飾店主
 マダム・デラージュ   婦人帽子店主
 ジェイコブ・ティンカー  質店主
 サイモン・ティンカー   ティンカーの知恵遅れの弟
 ヒリヤード         消防署長
 ほかに消防士、警官、野次馬など大勢


☆事件

 その頃クイーン家界隈では火災が立て続けに3件発生しており、どれも明らかに放火と見られることから警察は保険会社に協力して捜査に当たっていた。折りしも、その社の外交員がエラリーを訪ねてくる。彼はかつて保険金詐欺に絡んで服役した前科があるため、今度の事件にも関与しているのではと会社から疑われていたのだ。
 あくまで潔白を主張する外交員の濡れ衣を晴らすため、エラリーとニッキーも調査に加わる。それによると3件の被災者はいずれも同じ家主の店子で、破産同然の損害を被っており、保険金などは雀の涙程度にしかならないことが判明した。さらに、その家主は質店の主人だが極めつけの因業で悪評高く、しかも炎に異常な興味を示す知的障害の弟がいるという……
 エラリーは家主に目をつける。一連の火事で、彼が何らかの利益を得るのではないか――だがその矢先に4件目の火事が発生。燃えているのは何と質店だった! 
 焼け跡から見つかった黒焦げのブリキ缶が、エラリーに告げた真相は?


☆コメント

ちょっと化学の知識が必要ですが、謎解きとしては上出来のレベルにあると言えます。
動機の特定、手段の特定から論理に従って容疑者を絞り込み、最後の一行(実際にはニッキーとヴェリーの唱和)で犯人に言及する流れは、多少大げさに言うなら『フランス白粉』に匹敵します。
まあ、知恵遅れ云々はいかにもブラフですぐ見抜かれるでしょーが(^^)

(matorjiska)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハネムーン・ハウス

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*ハネムーン・ハウス

【ラジオドラマ】(1940年)

The Honeymoon House

☆登場人物

エラリー・クイーン  …… 探偵
  ニッキー・ポーター  …… その秘書
  クイーン警視     …… エラリーの父親
  ヴェリー部長刑事   …… クイーン警視の部下
  ミスター・バレット  …… B.&B.小火器会社の社長
  スティーヴ・バレット …… その息子
  ジャック・ベンソン  …… 同社の若き共同経営者
  ストライカー     …… その重役
  ジョイス・ケント   …… ストライカーの秘書
  タトル        …… バレット家のアジロンダック・ロッジ管理人


☆事件

 B.&B.小火器会社社長バレットの目下の懸念は、重役秘書のジョイス・ケントに関することだった。このしたたかな若い女性は美貌を武器に社長令息スティーヴに取り入っていたが、結婚が許されそうにないと見るやさっさとその親友ジャック・ベンソンに鞍替えしたのである。しかもふたりは明日にも挙式すると言う。
 ベンソンはバレットの現共同経営者でもあるが、実際は父親の死でその座を譲り受けただけの無能な青年だった。それが計算高いジョイスを妻に迎えたら会社はどうなるか? さらに二重に裏切られた形のスティーヴとの間はすでに険悪を極めているらしい。苦悩するバレットへ、追い討ちをかけるように不吉な情報が届く。社内に展示されていた拳銃と矢がいつのまにか消え失せてしまったのだ。
 翌日、泥酔したスティーヴの乱入で水を注されたものの、無事披露パーティーを終えた新婚夫婦はハネムーンを過ごすべく、バレット家の別荘へ向かう。だがジョイスを抱き上げたベンソンが足を踏み入れたとたん銃声が鳴り響き、我に返った時にはすでに彼女はこめかみを撃ち抜かれ、物言わぬ亡骸と化していた。その上、慌てて救援を求めに外へ飛び出した彼が戻ってみると、死体の心臓には何者かの手で矢が突き立てられていた。
 偶然同地を訪れていたクイーン警視の要請に従って、捜査に加わるエラリーとニッキー。「恋心を弄ばれた男の仕業じゃないか?」
 しかし奔放だった被害者のこと、容疑者は決して少なくない。スティーヴはもちろん、上司のストライカーもその魅力に囚われていたひとりであり、別荘管理人のタトルに至っては何とジョイスの元夫だったのだ。
 ここへ来て、エラリーはある仮説に達する――


☆コメント

えー、このラジオドラマの<読者への挑戦>は珍しく歯切れが悪いです。

"This time he cannot make a cut-and-dried solution; he can only conjecturel."
(今回は、一分の隙もない解答を提示することはできません。推測の域を出ないのですから。)

実際、この犯行にはあるものが必要なのですが、それが何であるか、そして犯人がそれを持っているかの提示が、<挑戦>までに明確にされていない。これではブーイングが出ても仕方ないだろう。
もっとも、確かにある程度見当はつくので以下

"But his conjecture follows the most logical theorizing."
(とはいっても、この推測は、論理的な思考を重ねた結果なのです。)

と続くんですが(^^;)、はて、読者の反応や如何に。


 ……全然判らなかったマトリョーシカ

(Matorjiska)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネズミの血の冒険

2008年05月16日 | ラジオドラマ他
*ネズミの血の冒険

【ラジオドラマ】(1940年)

The Adventure of the mouse's Blood

『EQ』(光文社)1982年9月号掲載


☆登場人物

 エラリー・クイーン        探偵        
 ニッキー・ポーター        その秘書
 クイーン警視           エラリーの父親
 ヴェリー部長刑事         クイーン警視の部下
 サム・バックリー         スポーツ・アナウンサー
 ジョニー・キルゴア        ヘビー級ボクサー
 ルウイ              キルゴアのマネージャー
 メンフィス・スラッツ・メイヨー  プロ野球投手
 ピーウィ・ロビン         著名な騎手
 ドッティ・デール         著名な女子水泳選手
 マウシー             ゆすり屋
ほかに拳闘ファン、野球場の観衆、競馬ファン、刑事たちなど大勢


☆事件

 4人の男女がいた。いずれも人気と実力を兼ね備えたスポーツ選手たちだが、共通点がもうひとつ。みな、同じ男に脅迫されていたのだ。大金を支払わなければスキャンダルを明るみに出すと。そして今度の金曜日の晩に、要求された金を持って男の自宅へ出向かねばならなかった。
 4人の関係者から相談を受け、恐喝者に制裁を加える目的で現場に張り込んでいたエラリーとニッキーは、金銭の授受が終わった頃を見計らって中へ乗り込む。ところが邸内は停電で真っ暗。そして闇に揺らめく蝋燭の灯に浮かび上がったのは、胸を刺された男の死体だった。
 犯人は4人のうちの誰かに違いない。だが彼らはすでに口裏を合わせてしまったらしく、何を聴いても完全黙秘。
 突破口を模索するエラリーの視線が、ふと廊下の壁についた血痕に注がれる。何者かの手がなすりつけた、一筋の被害者の血に……


☆コメント

まさにラジオならではの台本です。すなわち映像ならひと目で判ることを、科白で遠回しに描写するってあたりが(爆)
決め手になるのは短編集にも頻出するおなじみのネタですが、新鮮味は無いし、論理の詰めもいささか甘いよーな。例によって消去法で、4人のうち3人までが排除されたから、残るひとりが本ボシつーのは、それはそれなりに筋が通ってるんだけど、だからって裏を取らなくてもいいわけじゃなかろ。
もう少し有無を言わさぬ証拠と、それに伴う論理のアクロバットが無いと、凡作の謗りを免れないんではないだろか。
実際、EQ読者の反応もイマイチのよーでした。

(matorjiska)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする