EQペディア/エラリイ・クイーン事典

エラリイ・クイーンの作品(長編・短編)に登場する人物その他の項目を検索する目的で作られたブログです。

プライアム,デリア

2007年09月16日 | 人物事典(ハ行、他)
*プライアム

デリア・プライアム


『悪の起源/THE ORIGIN OF EVIL』に登場する、妖艶な人妻。

デリアの母は、カリフォルニアの旧家の生まれでありながら、ニューイングランド生まれの他宗の男と結婚し、そのために家族から勘当され、デリアが幼い頃に死んでしまった。その後、デリアは母の家族に引き取られ、正式に育てられ、修道院でしつけを受け、家柄と伝統の誇りを守らされてきた。

成長したデリアは、家族から逃れるため、愛してもいない男と結婚して、一人の男の子をもうけるが、夫は結婚三年目に死亡。そんなときに、宝石商のロージャー・プライアムと出会った。デリアはロージャーに惹かれ、「地獄までついていこう」という気持ちになる。そして、ロージャーがデリアを連れていったさきは、まさに地獄だった。

本性を顕にしたロージャーは、すさまじい所有欲と自尊心のかたまりで、常に人を支配せずにはいられない暴君だった。その暴虐ぶりは彼の下半身が不随となった後も十五年間続いていた。それでもデリアは貞節な妻を演じ続ける。夫を捨てて逃げようとしないのは、母の生家の人たちに対するデリアの意地を示す選択だった。

(Eirakuin_Rika)

ドッド,セバスチャン

2007年09月15日 | 人物事典(タ行、他)
セバスチャン・ドッド博士 (Dr.Dodd)

『ダブル・ダブル』に登場する医者。

1948年に、故マイロ・ウィロビイ博士の後任としてライツヴィル総合病院の医長に就任。宅診で2ドル、往診で3ドルという安い診察料で、貧しい農民や下町の貧乏人たちを専門に診察し、“町の聖者”と呼ばれていた。
彼の患者だった“町の陰者”にして守銭奴のリューク・マッケイビイから多額の遺産を贈られ、一躍時の人となる。
肉づきがよく頑丈な巨体の持ち主であるドッド博士は、しかしどこか心配性に見えた。意外にも迷信深い博士は、何かを恐れていたのだ。

ポッツ,シーラ

2007年09月15日 | 人物事典(ハ行、他)
*ポッツ

シーラ・ポッツ

『靴に棲む老婆』に登場する、すてきな赤い髪の、小柄でほっそりとした娘。おてんばで、さわやかで、はつらつとしている。製靴業で莫大な財をなしたコーネリア・ポッツと、その二番目の夫スティーヴン・ブレントとの間に生れた、三人のまともな子どものひとり。


(Eirakuin_Rika)

ポッツ,サーロウ

2007年09月15日 | 人物事典(ハ行、他)
サーロウ・ポッツ(Thurlow Potts)

『靴に棲む老婆』に登場。

製靴業界の女帝コーネリア・ポッツの最初の結婚で生まれたキ印総領息子。外見は母に似て、小柄でふくれた腹と細い足を持ち、のっぺりした顔に嵌め込まれた石炭のかけらのような黒い目は邪悪な光を放っている。しかしその発散するなエネルギーは母に比べればはるかに劣る。コーネリアの劣化コピーといったところである。気が短くて、些細なことに憤慨するサーロウは、その傷つきやすいプライドを守るために裁判にうったえることしばしば。おかげでポッツ家の顧問弁護士の仕事の大部分がサーロウの名誉毀損訴訟の手続きに捧げられている。

そのサーロウが銃を十四挺も買い込んだ。これからは自分を侮辱した者には決闘を挑むというのだ。そしてサーロウは、父親違いでまともな精神を持つ弟のロバートがサーロウの行状を批判したことに腹を立て、弟に決闘を申し込むことになる。西部劇のガンマン気どりの平原の恐怖王“Terror of the plains”。


(Eirakuin_Rika)

カーロ,メーリアス

2007年09月15日 | 人物事典(カ行、他)
*カーロ

メーリアス・カーロ(Marius Carlo)

『最後の一撃』(The Finishing Stroke)に登場。スペイン、イタリア、アイルランドの血を引く青年作曲家。
独創性は欠くものの、それなりの才能を持ちあわせているのは事実なのだが、本人はコンプレックスの塊で自らを卑下する傾向があり、他人に対して常に皮肉で武装している。
友人ジョンの婚約者ラスティに横恋慕中。


( Matorjiska )

スチュアート,トーランド

2007年09月15日 | 人物事典(サ行、他)
*スチュアート

トーランド・スチュアート(Tolland Stuart)

『ハートの4』(The Four of Hearts)に登場。
ハリウッド女優ブライズ・スチュアートの父。変人の大富豪。

マグナ撮影所宣伝部長サム・ヴィックス曰く、
 「石油で儲けた半気○いで、チョコレート山中に100万ドルもかけて建てた、部屋が40もある豪華な宮殿みたいな別荘にお抱え医師とたった二人だけで住んでいる」
芸能記者ポーラ・パリス曰く、
 「自分の家のポーチから見た隣の峯の眺めが、かつて彼に煮え湯を飲ませた“ばかやろう”の横顔に似てるという理由で4万ドルもかけてその峯を爆破させた経歴の持ち主」
 「茶さじで水をすくって飲み、タバコやコーヒー、茶などの嗜好品や白パンは健康に悪いとして摂らない」


(Matorjiska)

ポッツ,ルーエラ

2007年09月15日 | 人物事典(ハ行、他)
*ポッツ

ルーエラ・ポッツ(Louella Potts)

『靴に棲む老婆(生者と死者と)』に登場。
製靴会社社長コーネリア・ポッツとその前夫バッカスの長女。44歳独身、どちらかというと不美人の類に属する。
自らを天才発明家と信じ、絶対に磨耗しないという特殊プラスチックの開発に連日連夜没頭中。


(Matorjiska)

デュプレ,エミリーン

2007年09月15日 | 人物事典(タ行、他)
*デュプレ

エミリーン・デュプレ


『災厄の町』『フォックス家の殺人』などに登場するライツヴィルの住人。

町の宣伝屋(町の金棒引き)と呼ばれるほど、うわさ話が好きな婦人で、ダンスと演劇の教師をしている。<丘通り>の、ライト家に隣接するジム・ハイトとノーラの小さな家の向かいに住んでいる。

エリー・マーチン判事の妻クラリスに「世の中には生まれつき他人の迷惑になることをいいふらして歩く人間がいるものだ」と聞こえよがしに言われる。

パトリシア・ライトに言わせると「ゲッベルス宣伝相よりも活躍しているわ!」


(Eirakuin_Rika)