エンライト株式会社|林朋子のESノート 

=職場改善とメンタルヘルス向上を支援する、ESコンサルティング=
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女性リーダーを目指す人への3つのメッセージ

2012年10月17日 | 女性活躍

「なぜ、女性のリーダーは少ないのか」というテーマについて、フェイスブック社のCOO(最高執行責任者)シェリル・サンドバーグという女性の取締役が話していたことの引用です (スーパー・プレゼンテーションというNHKの番組です)。

企業内制度の話ではなく、職場に留まりたいと考えている女性が、個々人で出来ること、について彼女は3つの事を言っていました。

ともすると制度を整えることばかりに目がいきがちですが(もちろんこれも大事)、働き続けたいと考える女性自身の意識や行動の有り方について、大変、共感を覚える内容でした。

1.自分自身を大切にして、ちゃんとテーブルについて交渉すること 
「女性は男性に比べて自分の能力を低く見積もる」というデータがある。最初から“自分は補助です”みたいな心構えでは出世はできない。

2.夫と対等になること(夫を本当のパートナーにする)
共稼ぎで子供がいる場合、「女性は男性に比べて、2倍の家事を行い、男
性の3倍の育児をしている」というデータがある。
家庭内の仕事(家事・育児)こそが世界でもっとも大変な仕事なのだから、夫婦が本当のパートナーとして協力し合うことが大切。

3.仕事を辞めるまではアクセルを踏み続けること
結婚して子供を持ちたいと考え始めた瞬間から、多くの女性は家事や育児の時間をどうやって確保するかを考え始め、出世を望むこともしないし新しいプロジェクトに手を挙げることもしなくなり、気が抜ける。
結婚する前から、いつか結婚する日のことを考えて無意識にアクセルを緩めている女性も多い。早すぎる段階で決断してはいけない。
職場を離れようと決断するその時まで、絶対にアクセルを緩めてはいけない。

バリバリ型の女性達の”やる気”を削ぐもの

2012年09月28日 | 女性活躍
女性は、結婚や出産が仕事に与える影響が大きいこともあり、仕事に対する意識は男性に比べて多様化している、ということを9月3日のブログで書きました。

東京都産業労働局の調査結果では「ゆるゆる型」「そこそこ型」「バリバリ型」という3つに分類されていました。

私の場合は、社会人スタート時は「そこそこ型」、6年目くらいから「バリバリ型」へと変化していったように思います。

女性社員の育成に力を入れている企業も随分増えてきましたが、一口に女性社員の育成、といっても、それぞれの“型”に合わせた育成方法があると思っています。

今日は「バリバリ型」についての話です。

「バリバリ型」の管理職を目指している女性達と話をすると、「男性と同じように扱って欲しいのに、女性扱いされて嫌だ。」と言う人が多いです。

私が聞いてきた「バリバリ型女性のやる気を削ぐ“女性扱い”」の例です。
 ・同僚男性がミスした時よりも、自分のミスに対して上司が甘い
 ・女性の割に頑張っているね、とか、女性の割に優秀だね、と言われる
 ・突発的なトラブルで、休日出勤や深夜までの業務が発生したような時に
  「後は男性で何とかするから 女性は先に帰って良い」と言われる

「バリバリ型」の女性達に共通しているのは「女性扱いしないで、公平に扱って欲しい」だと思います。
「ゆるゆる型」や「そこそこ型」の女性とは大きく異なる点だと思います。

余談:仕事上では女性扱いされることを嫌うバリバリ型も
   「レディースランチ」に不満を言っている人に出会ったことはありません。

働く女性の仕事に対する価値観

2012年09月03日 | 女性活躍
男性より女性の方が、結婚や出産が仕事に与える影響が大きいこともあり、
女性の仕事に対する意識は、男性より多様化しています。

某調査会社のリサーチによると、大雑把に分けると3つのカテゴリになるようです。

1.ゆるゆる型:11.3%
   補助的な仕事で誰かの役に立つことで満足感を高めるタイプ。
   責任ある仕事を任されることや、自分が前面に立って仕事をすることは望んでいない。

2.そこそこ型:63.3%
   仕事にやり甲斐を求めるが、私生活とのバランスを重んじるタイプ。
   上司の下で、任された範囲で、成果を出していくことで満足感を高めるタイプ。

3.バリバリ型:12.2%
   管理職を目指して働き、仕事のために私生活を多少犠牲にすることは厭わないタイプ。
   女性社員として特別扱いされることを嫌う人が多い。

男性に比べて女性は、”ゆるゆる型”と”そこそこ型”の割合が高いです。
(因みに、3分類の男性版は、2.9%:42.0%:45.8%だそうです。)

仕事に対する価値観の違いは、どれが「良い」とか「悪い」という見方をするのではなく、
多様な価値観を持っていることを前提にして女性活躍推進の取り組みを考えていく
必要があるのではないかと思います。

女性活躍推進の物差しが、仕事の中身よりも、結婚や出産で辞めない社員を増やすことや、
女性管理職の人数を増やすこと、だけに偏り過ぎてしまうと、女性社員にも男性社員にとっても
「働きにくい職場」になりかねないと思います。

資生堂の育児支援制度

2012年08月15日 | 女性活躍
資生堂には、育児中の美容部員のために「カンガルースタッフ制度」というものがあるそうです。
産休・育休が終わり職場に復帰しても、保育園の送り迎えなどのために、短時間勤務を希望する社員が多いのは、多くの企業に共通していることではないでしょうか。

同社では、子供を持つ美容部員1人1人に、夕方から閉店までの数時間、その人の影武者となって働いてくれるアルバイトを育成しているそうです。

数時間のアルバイトとはいえ、お客様の前で働かせるためには、約100時間の事前教育が必要とのことですが、それでも、販売力の高い優秀な美容部員が、育児を理由に退職してしまう人材流出のマイナスを考えると価値有りと判断しているとのことです。

業種にもよりますが、接客などに代表される、翌日に回すことができない仕事の場合、1名減の穴埋めは、どうしても同じ職場のメンバーに負担がかかります。そのため、優秀な人材ほど周囲への迷惑を気にして、育児を理由に退職してしまうケースは多いです。

資生堂の「カンガルースタッフ制度」は、優秀な人材流出を止める効果と同時に、同じ職場で働くメンバーへの負荷の軽減という点で、とても有益だと思います。

どれだけ職場のメンバー同士の人間関係が良くて理解があったとしても、担当者として働く従業員の業務量増加によるストレスがゼロになることは有り得ませんので、育児中の社員にとっても、それを支える職場のメンバーにとっても、仕事に対するモチベーションを失うことなく働き続けたくなる職場創りにつながるのではないかと思います。