Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

5月1日(木)のつぶやき その5

2014-05-02 01:55:23 | つぶやき・・・?


先週の水曜日、


実家の母を、東京駅まで見送った帰り道・・・




かねてより気にかかっていた


奥村土牛さんの描かれた富士山と桜の花が見たくなり

雨の降る坂道を歩いて、山種美術館にて開催中の



『特別展 富士山世界文化遺産登録記念「富士の桜と春の花」』(5月11日まで)

に行ってまいりました。


たくさんの画家の描いた富士山が、並んでいる中で



奥村土牛作の、雪を頂いた富士山・・・


雲間から、青いお姿を見せている富士山・・・



その前に立ち


さわやかな色合いを目にして、なぜでしょうか



不意に、涙がにじんできました。




絵の中に込められたものが、そうさせたのか?


観ている私の中にある…何ものかが、そうさせたのでしょうか?



続いて、桜を描いた作品が、並ぶ中


やはり、奥村土牛さんが、何度か色々な季節を通して吉野を訪れて


88歳で描かれたという「吉野」の桜の風景は、


とてもやさしい、やわらかな色合いが広がっています。




添えられた作者の言葉には、


「華やかと言うよりも気高く寂しい山であることを知った。」とあります。



その絵から受ける、さやさしい色合いの印象と


画家に見えている風景の中の「寂しさ」というお気持ちが


すぐにつながらず、不思議に思えてなりませんでした。




けれど・・・目を閉じてみれば、


いつしか美しい花は散りゆき、葉桜となり


紅葉したのち、また葉も散ってゆく・・・



その移ろいゆく風景も、その中に描かれているからなのかもしれませんね。











メモ:ふと「寂しさ」という言葉を想い出し…

真っ先に浮かんだのが、子どもの頃に
一枚札として覚えた百人一首でした。

【百人一首講座】
むらさめの露もまだひぬまきの葉に 霧立のぼる秋の夕暮
寂蓮法師
【長岡京小倉山荘】より

ogurasansou.co.jp/site/hyakunin/…







ツツジが、草の上に、落ちている。春の、命の、弔いの、花のように。朱、てんてんと、落ちている。


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