Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

石巻・・・日和山公園から。

2012-08-10 10:28:06 | 地域の暮し
思いたって・・・


家族三人で、石巻市にある「日和山公園」を目指して旅をしました。



やはり・・・いつもの旅とは、なんとも違う、緊張感の漂う・・・


気持ちの引き締まるような、どこかに戸惑いと逡巡を抱えた旅になりました。



途中、海沿いに広がっているとても美しい風景も…



ただ、それとして楽しむことを、どこか拒むような…気がしてならなくて。



それは、考えてみれば、


その景色を観る側の「私のこころ持ちによるもの」なんだろうと、気づくのですけれど。



そこにたしかに人が暮らしていたはずの痕跡を目にしたときの


どうにもならない悲しさや、せつなさ、やるせなさ・・・それは、言葉が出てくる前に


身体の震えと涙とになって、一気に溢れ出してきます。



そして、松尾芭蕉も、かつて訪れたという  


石巻市内も見渡せる小高い日和山公園からの眺めは、

「こころ旅」にお手紙を下さった方のおっしゃる通り


広々とした海を臨む、とても美しいものだったことは一目でわかりました。

          


ただ、いま見えている風景は、一年半前の震災ですっかり変わってしまっているとのこと。


神社にお参りして、石巻の復興や人の暮らしが早く立ち直りますようにとお祈りしました。


         


           



それから、やはり海のほうへ向かおうと、車で海岸沿いへ坂道を降りて



新しく舗装されたらしき道路に出るあたりに差しかかると・・・



なんともあたり一面、ほとんど背丈の高い雑草しか生えていない・・・


遠くに、ところどころ壊れた家が残っているだけの平地に行き当たりました。



道の脇にテントが張ってあり、写真や新聞記事を掲げてあって


お近くに住んでいらしたという方が、震災当時の様子を語ってくださいました。



「自治会の役をしていて、何も持たずに出来るだけ声をかけて、山のほうへ逃げて助かった」そうですが


この地域の方が、大きな被害に遭われ、ここはまだ大丈夫と想って亡くなられた方も多かったとのこと。



日和山が、離れ小島のように見えるほど、周りに津波が押し寄せてきたとのこと。


津波だけでなく、火災が起こり、近くの小学校も燃えてしまい


大きな病院も、機能できない状態で、いずれ取り壊されるそうです。


また、この土地で暮らすことは、もうできずに、公園になることが決まり

集団で移転の話が出ているが、なかなか、解決には至っていないそうです。



少し山側に住んでいる同級生という女性もいらして、石巻に暮らしている方々のお気持ちを


ほんの短い時間でしたが、お聴きすることができました。



ただ、ほんのひと時、訪れただけの私たちにできることは・・・


お話を伺って、少しでもそのお気持ちをお聴きして、皆さんの復興をこころより願い、応援し続けること


でしょうか…



「がんばろう!石巻」の看板を前に、手を合わせ・・・



夏空を見上げて、この気持ちをつよく心に刻みつけました。



       



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