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第21回:EPDMの配合とは(・ω・)?

2021-01-20 21:08:39 | 技術っぽいこと
ゴム関連のお話、第21回は「EPDMの配合」についてです。

ゴムの配合というのは硬度や最終製品用途で色々と変わるので決まったものがあるわけではないので、私がこれまで触ったり見たりした配合の傾向とかを書いていきます。

まず、私が思う一般的(基本的)なEPDMの配合や物性のイメージとしては、

・硬度DuroA⇒70前後
・全体の配合部数⇒300phr~350phr(カーボン配合)
・TS(3号ダンベルの引張強度)⇒≧10MPa、EB(3号ダンベルの破断伸び)⇒≧300%
・耐熱性:130℃×72h⇒TS、EBの変化率が2桁程度(硫黄架橋)
・耐寒性:50%脆化温度⇒≦-60℃
・耐オゾン性⇒よっぽどのきつい条件でなければノンクラック

あたりでしょうか。

全体の配合部数について、EPDMポリマーは低分子量~高分子量のグレードが幅広くありますが、中程度の分子量のポリマーならおよそ上記のくらいかな、と思っています。
最近では某メーカーで総部数500phrでもTSが10MPa以上出せるといって売り出している高分子量ポリマーもあったりします。
こういうポリマーは逆に高充填配合にしないとポリマー分子量の高さ故に加工性が悪くなってしまいます(EPDMは樹脂っぽい性質もあるのでボロボロになってしまいます)
ちなみに、これがカーボンを使わない白色配合の場合、私の経験では総部数はどんなにがんばっても250phrぐらいまでが精一杯と思います。
これはシリカやタルクで補強すると、未加硫生地がカッチカチになるためです。

TSが≧10MPa、EBが≧300%というのは、基本物性としては最低限これくらいは欲しいよね、という部分もあります。
ただ、これは硫黄架橋の場合の話で、PO架橋の場合はEB≧100%という感じでしょうか。

耐熱性に関して、EPDMは耐熱性はそんなに悪くありません。
上には130℃と書きましたが、昨今は高耐熱性の要求が高くなっているのでEPDMでも150℃は欲しいところかもしれません。
その場合は老防CDやイルガノックス1010のような耐高温老防と老防MBの組み合わせ+PO架橋という配合系にすると72時間くらいなら比較的耐えてくれるかと思います。

耐寒性に関して、EPDMは耐寒性はそこそこ良い方です。よほど変な配合にしなければ脆化温度も-60℃前半くらいはいけるでしょう。
あえて言うなら、ポリマーインデックスでC3量(プロピレン量)が高めのポリマーをチョイスするとより良くなる方向にもっていけます。

耐オゾン性に関して、ポリマー主鎖は飽和結合(=二重結合が無い)が基本なので非常に良いです。
静的オゾン試験の場合、80%以上に伸長させても耐オゾン老防を入れなくてもクラックは入りません。


……他にも書こうと思えば色々書けますがキリがないのでこの辺で。
配合に関しては自分で色々な原材料を触って使って練って…ということをした方がいろいろ理解できると思うので、是非積極的にあれやこれやを配合してみるといいと思います。

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