・季節の入浴Seasonal bathing きせつのにゅうよく
寒い季節には、お風呂に入って体の心から暖まるのが健康、美容、ストレス解消に役立っています。
この季節ならではのユズ湯がよく知られます。冬至(2020/12/21[月])に柚子湯に入れば、ひびやあかぎれを防いで身体を芯から温め、一年中風邪をひかない、と言われてきました。
*柚子Yuzu ゆず
ミカン科、中国揚子江上流原産とし、日本では和名抄(923~930年:平安時代)に柚、柚柑の記載が残されている。
かんきつ類の中では耐寒性があるといわれ四国、九州を主産地とする。常緑、樹高5mほどの小高木で枝に鋭い棘(とげ)をもち5月頃に白い花を咲かせ果実の大きさが径4~8cmの扁球形、重さ100g~120gぐらいで早いものは、10月より緑色の青ユズが収穫されるが、11~12月にかけて黄色の成熟したユズの収穫・出荷の最盛期を迎え旬とする。
表面に凹凸があって果皮のわたが厚く香り(d-リモネン:脂肪分解、脳の活性化作用・シトラール:リフレッシュ、ストレス解消)がよい。果汁の酸味(クエン酸:疲労回復)も強く甘味がなくそのまま生で食べることは少ない。
ペクチン(整腸作用)が多くマーマレードが作りやすい。ゆず味噌、ゆべし、羊羹(ようかん)、ゆず飲料に加工している。「身体に融通(ゆず)をきかせる」との語ろあわせもよく、ゆず湯は、この寒い冬至に合わせ身体を温め疲労回復、風邪予防、美容によい。
日本で古来より伝わる薬草風呂、また近年に知られるようになった入浴法、それにまつわるエピソードなどのご紹介をさせていただきます。
柚子湯
柚子湯の発祥は江戸時代中期の銭湯といわれている。冬至→湯治(とうじ)、ゆず→融通より、風邪や中風の予防に、保存の効く栄養価の高いかぼちゃを冬至に食べる風習が根付いたといわれる。
菖蒲湯
菖蒲湯は、室町時代(1400年代)に中国から蘭湯[らんとう:蘭草でフジバカマ(キク科)]として伝来して以来の風習だといわれている。蘭に代わって菖蒲「尚武」が勝負に通じることから、また菖蒲の葉を刀に見たてている。
薬草で、邪気を避け、悪魔を払うといわれる。
桃湯
江戸時代から「桃湯」という習慣もあって、夏の土用(7月20日頃~8月の初旬)中に桃の葉、若枝を風呂に入れると皮膚病、湿疹やアセモに効能があったと言われていた。
ラベンダー湯
10月10日の銭湯の日にラベンダーのの花茎(乾燥させたもの)を用い布の袋に詰め湯船に浮かべる。国際化時代に合わせ海外の入浴文化を取り入れようとヨーロッパで広く行われているラベンダー湯をとりいれたことによる。ハーブ浴のひとつで心身のリラックス、免疫力の向上などすぐれた薬効効果が知られている。
平成7年(1995年)より、スポーツと入浴は密接に関係していること、1010は「千(せん)」と「十(とう)」と読む語呂合わせにより東京公衆浴場商業協同組合により実施され全国的に広められている。
その他に身近な植物、薬草[ヨモギ・スギナ・びわの葉・ドクダミ・トウキ・芍薬]や果物、蜜柑、リンゴ、松の葉を入れた入浴があります。
岩盤浴[ブラックシリカ、ホワイトシリカ、天照鉱石、ラジウム石]、温泉[食塩、炭酸(重曹)、硫酸塩(硫黄・石膏・硫化水素)、アルカリ塩、ラジュウム、ラドン]、
サウナ、ヨモギ蒸し、酵素風呂[オガクズに薬草、野草酵素を混ぜると、酵素の自然発酵だけで、50℃~70℃にも温度があがります。発酵熱だけを利用した乾式温浴法で砂風呂にも似ている]などの入浴法があります。
お風呂は、それぞれに副交感神経を刺激し、温まり、保温効果もあり、香りや、色、泡などで疲労のたまった心身の癒しの効果があるのです。
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