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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[茄子:ナス🍆]食生活について語ろう

2022年07月29日 | 美容ダイエット
◎茄子Eggplant・Brinjal なす
  ナス科Solanaceous、インド原産です。中国を経て日本に渡来し平安時代の記録にあるのですが年代は、はっきりしていません。江戸時代に栽培方法が記載され外来種の影響は受けていないと思われ日本各地で各種の品種が生まれています。
品種が多く、色は、紫が多くを占めていますが、他に緑、白、縞、黒紫色が、形としては、長卵形、卵形、長形、丸型、きんちゃく型、コナスがよく知られ、地域特有のものもあります。
 果菜類に属し、根菜類・葉菜類とともに、色がナスに似ているカボチャ(別名:トウナス)、きゅうりなどのウリ科、トマト・ナス・ピーマンのナス科とともに野菜として利用しています。スイカ・ウリ・メロンはウリ科、イチゴはバラ科で果実類に分類しています。


語源として茄(なす)は植物をさし、茄子(なすび)は果実をさすという説、実がよくなる「成す」「為す」にちなんだ言葉、夏実から変化した名前と由来として諸説いわれています。


ナスは高温、日照を好みますが乾燥に弱く、栽培にわらを敷き水やり(乾燥時朝夕)が行なわれています。1年生草本で露地栽培では3、4月に種まき、5月に植え付け、茎は高さ60cm内外、不整形の卵円形で互生し、茎葉とともに紫色を帯びています。花のガクも黒紫色で5-7裂し花冠(かかん)は淡紫色で、ガクと同じように5-7裂しています。やや下向きに開花し紫色をして花は通常1個づつ葉腋につきます。開花後1ヶ月で実をつけ早どりして食用にしています。その果実の形態は品種により異なります。
 センナリナスは卵形の小型のナスで皮が薄く漬物に適しています。アオナスは果実が緑色で主に奈良漬に使われています。

北海道早生(わせ)から九州まで晩生(おくて)を栽培していますが高知県、埼玉県などを主産地としています。最盛期は、7~9月の盛夏にあたり旬となりますがハウス栽培により年間を通し出荷しています。
秋茄子は、盛夏の暑い時期に枝切りし新芽を伸ばした枝に実った茄子を収穫します。
ナスの黒紫色を生かした料理が好まれ、100度以上の乾式加熱の油通しするとアクの成分が変化して甘みが増し、色素が保たれ、見た目もよく、青臭さが除けます。漬物には、みょうばん(硫酸アルミニュウムと硫酸カリウムの化合物:0.2~0.3%使用)、釘(鉄分)と反応すると輝きのある紫、青色が保たれます。なすに含むアントシアニン系色素は、金属と結合し色が固定し酸性で赤、アルカリ性で青になり紫色などに定まり、きれいな色が保たれます。


あく(ポリフェノール:クロロゲン酸)抜きは、切ったら水につけますが長時間の水浸は色素が溶け出すので注意しましょう。漬物(塩、糠、辛子、麹、粕、シバ漬け)、味噌汁の実、煮物、揚げ物、焼きナス、油味噌の直火焼きと応用範囲がひろくあります。淡白なナスには肉との相性が良く挽肉のはさみ揚げ、味付けを濃い目にし豚肉との煮物もよいでしょう。
茄子の漬物は、変色を防ぎ、鮮やかな色を保たせるために、下漬けで塩分濃度18%内外の塩水で漬け込んだり、焼きミョウバンを原料の0.2-0.3%や古釘0.3-0.4%をナスとともに漬け込んでいます。漬け込んでいる最中に乳酸菌によって酸性になりますが、アントシアニン色素は酸性で赤、アルカリ性で青になる性質によりナスは赤紫色になり安定します。アントシアニン系色素には、重金属と結合して変色する性質があり鉄(釘)あるいは、ミョウバンを水に溶かすと硫酸アルミニウムと硫酸カリウムになり、これらの存在によって結合し青紫色に固定するのです。


生100g中でエネルギー22kcal、水分93.2g、タンパク質1.1g、脂質0.1g、炭水化物5.1g、灰分0.5g、ナトリウムTrmg、カリウム220mg、カルシウム18mg、マグネシウム17mg、リン30mg、鉄0.3mg、亜鉛0.2mg、銅0.06mg、マンガン0.16mg、ビタミンA効力:17μg、ビタミンD:(0)μg、ビタミンE:0.3mg、ビタミンK:10μg、ビタミンB1:0.05mg、ビタミンB2:0.05mg、ナイアシン0.5mg、ビタミンB6:0.05mg、ビタミンB12:(0)μg、葉酸32μg、パントテン酸0.33mg、ビタミンC4mg 食物繊維2.2gを含みます。


色素は、デルフィニジン配糖体Delphinidin glycosideとし存在するナスニン(紫)、ヒアシン(青)のアントシアニン系色素です。
アントシアン系色素Anthocyanin pigmentsは、植物系色素であり、その色素は、カロテノイド系色素、クロロフィル系色素、フラボノイドFlavonoid系色素に分類しています。そしてアントシアニン(Anthocyanin)系色素は、フラボノイド系(アントシアニン類、フラボン類など)に属しています。
アントシアニジン Anthocyanidin(アグリコン) 配糖体を加水分解して糖(グルコース、ガラクトース、ラムノースなど)とに分解する配糖体として存在します。橙色から 赤紫色を経て青色に至るまでの多くの果皮、花色、紅葉の発現に関与しています。
糖鎖の他に、コハク酸やマロン酸Malonic acidなどの有機酸が結合していることもあり(アシル化アントシアニン Acylated anthocyanin)糖や有機酸が付くことで、安定しています。
水酸基の数が多いほど青味を増す傾向であり、水酸基が一つのペラルゴニジンPelargonidinは橙赤色、2つのシアニジンCyanidinは赤紫色、3つのデルフィニジンDelphinidinは青紫色を呈します。
6種類のアントシアニジン(ぺラルゴニジン、シアニジン、デルフィニジン、ペオニジン Peonidin、ペチュニジンPetunidin、マルビジンMalvinidin)に大別し、それぞれ異なる色調がみられています。
アントシアンが作られるためには、果実の中のでんぷんが糖に変わることと、低い気温の中で太陽の紫外線をいっぱいにうけることが必要で新たに合成しているのです。 アントシアニンは、アミノ酸であるフェニルアラニンから生合成し、この生合成の過程に関与する遺伝子が解析されており、アントシアニン生合成過程の転写因子であるMyb(ミブ:Myeloblastosis)遺伝子が重要な働きをしているといわれています。このMyb遺伝子は、紫外線や低温が必要で、紫外線か低温にさらされないと赤い色素のアントシアニンは合成できないとしています。アントシアニジンと糖、有機酸の結合の仕方によって多くの種類があります。


ナスニンNasunin (なすの紫・青紫色)もそのひとつで、ナス植物の特有の成分で葉、花、果実のきれいな色素となっています。水に溶けやすく、熱、光、添加物等によっても変色しやすく酸性で赤、アルカリ性で紫、青色に、さらに暗緑色となる不安定な色素で水溶液のphによって変化しています。
鉄などの金属と結合すると安定します。
  赤紫色の針状結晶で水溶性であるので長時間の加熱は避けたほうが色素を保てます。鉄分により青みを帯びた紫色になります。ナスの皮の部分に含まれるポリフェノール・アントシアニン系、デルフィニジン配糖体Delphinidin glycosideのひとつであり加水分解でデルフィニジン1分子、グルコース2分子、p-クマル酸p-coumaric acid 1分子を生じます。抗酸化作用、抗がん作用が注目されています。
 
 なすの皮の色でアントシアニン系の糖との化合物である配糖体で青色の色素をヒアシンHyacinといいます。アルカリ性で青い色を出して、鉄やニッケル、アルミニウムの金属イオンと結合して安定した塩(えん)を作りより青色が濃くなります。一緒に含まれる紫色は、ナスニンNasuninといいます。
皮を生かした料理法が見た目にも美しく、健康にもよいのです。民間療法で痛み止め(へたの黒焼きが虫歯の痛み止め)、むくみ解消によいとし知られています。
 
ナス科Solanaceousの植物としては、ナスの他に、じゃがいも、ペピーノ、トマト、ピーマン、トウガラシ、クコ、ホウズキ、煙草、ハシリドコロなどあり熱帯から温帯にかけ、多くが草本で世界で約2000種、日本には約20~30種程が自生、または栽培しています。野菜や薬草として利用されるほか、アルカロイドを含み有毒植物もあリジャガイモ(ソラニンSolanine)、はしりどころ(アコニチンAconitine)を含んでいます。ナス科の植物はアブラナ科、ウリ科、マメ科の野菜と共に連鎖障害を起こしやすいといわれるので適切な土壌の管理を必要としています。


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