gooブログはじめました!

健康的食生活のための情報を発信です。
1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[農薬使用基準]食生活について語ろう

2022年06月30日 | 美容ダイエット

・農薬使用基準Agricultural chemical use standards のうやくしようきじゅん
 1kg当たりの食品中に残留する農薬の限度(mg)はppm(濃度単位:百万分の1)という単位で表しています。
※ppm(Parts Per Million) 試料中の物質の量を百万分の1で表示する単位1ppmは、1mg/1kg、1cc/1kl、1cm3/1m3の汚染物質です。
健康被害の防止の観点から農薬を適正に使用することで農作物を病害虫・雑草から守るだけではなく、人畜の健康や環境への安全を守るために必要です。
そうしたことから農薬使用者が遵守しなければならない責務や、取り組むように努める事項について法律で定められています。これらは「農薬使用基準」と呼ばれ、この基準に対して違反があった場合には、罰則を定めています。
国内では食品への残留農薬が最も多く、添加物、環境汚染物質、食中毒菌などへの不安があります。
これからの季節、農薬の使用が多く日本ではどのようにして定められているのか検証してみました。
日本における農薬の安全性の規制は、農薬使用基準が農林水産省、厚生労働省、環境省の3つの省が協力しておこなっています。
農林水産省
 農薬の輸入販売、製造するためには、農薬取締法に基づいて農林水産大臣の登録を受けなければなりません。
登録申請には、薬効・薬害試験、慢性毒性、発がん性など各種の毒性試験、残留試験など効力や安全性に関するさまざまのデータを提出する必要があります。
環境省の農薬の登録保留基準に照らし検査を行い、総合的に評価して適正な使用方法が定められ登録されます。
厚生労働省の食品衛生法に基づき残留農薬基準が定められている農薬について使用者が遵守(じゅんしゅ)することが望ましい基準として農薬安全使用基準を定めて農薬の適正使用を図っています。
環境省
 農薬取締法に基づいて毒性、残留性に関し登録を保留するかどうかの基準(農薬の登録保留基準)として
1)作物残留に係わるもの
2)土壌残留に係わるもの
3)水産動植物に対する毒性に係わるもの
4)水質汚濁(おだく)に係わるもの
について設定しています。
各種試験のデータがこの基準に抵触する農薬については登録が保留となりその農薬は販売することができません。
厚生労働省
 食品衛生法に基づき農産物ごとに食品の規格基準として薬事・食品衛生審議会で検討され残留農薬基準を設定し、その基準に合わない農産物の販売、輸入等を禁止して食品の安全性確保を図っています。

農薬の登録数(商品数)は、2020年2月29日現在4263件、有効成分は593種類、現在、農産物の種類ごとに延べ8000以上の基準が定められています。
農薬は新しい薬剤が次々に登録、その一方、販売量が減少などの理由で登録失効する薬剤もあり、農薬の種類は常に入れ替わり、これまでに日本で登録を受けた農薬は24,357件とのことで、そのうち20,094件はすでに失効しているようです。

残留農薬基準
無毒性量の決定
 急性・慢性毒性試験 突然変異性、遺伝子毒性、催奇形性、発ガン性試験がおこなわれています。
慢性毒性試験として動物実験などから最大無作用量(人が一生涯食べつづけても影響を受けないと推定する量)に安全係数の1/100にして一日摂取許容量ADI(Acceptable Daily Intake)を推定しこの数値(国民健康栄養調査)を下回るように定められいいます。
一日許容摂取量(ADI)の設定
ADIは、動物実験によるさまざまな試験結果から実験動物に全く影響が認められない無毒性量を基に人がその残留農薬が一生摂取されても影響を受けない体重1kgあたりの量として定めています。

ポジティブリスト制度Positive list system
平成18年5月29日からポジティブリスト制度(使用して良い農薬)が施行され758農薬等について5年間をメドとする暫定基準がリスト化を適用しています。
それ以前は、残留基準が定められていたのは250農薬で基準値のないものは原則として販売禁止などの規制はできませんでした。国際的に使用が認められている農薬は700から800ともいわれて、輸入食品が増大するなかで、食の安全の確保をしているのかという問題の指摘がありました。
平成18年にポジティブリスト制度の導入によって、暫定基準値が設けられた農薬と従来基準があった農薬は基準値で規制し799農薬等に残留基準の設定をしています。
基準値のないものは一律基準の0.01ppmで規制しています。
各種基準は、各種の試験データに基づき専門家による評価審議の上の設定です。
例えば柑橘類で黒点病の防除には、希釈倍数が「2,000倍」で、10 アール当たりで500L(200~700Lに使用可能)の散布液を調製する場合には、250g(500L÷2000倍、水和剤の場合は1L=1000gと考える)の製剤を3回以内で用いられます。
また、散布使用時期が「収穫7日前まで」との記載でされている場合、かんきつ園に温州みかんや甘夏など、収穫時期が違う品種を栽培している場合は注意が必要です。
りんご類で黒星病の防除には、希釈倍数が「2,000倍」で、10 アール当たりで500L(200~700Lに使用可能)の散布液を調製する場合には、250g(500L÷2000倍、水和剤の場合は1L=1000gと考える)の製剤を5回(開花後3回)以内で用いられます。
また、散布使用時期が「収穫14日前まで」との記載でされている場合、りんご園に数種の収穫時期が違う品種を栽培している場合は注意が必要です。
輸入品については、収穫後のポストハーベスト農薬が食品添加物として使われていることがあります。
主に輸入品のフルーツ類に、収穫後に農薬の散布が行なわれるポスト(後)ハーベスト(収穫)が、アメリカからの輸入品に多く、貯蔵や、輸送に際して害虫、カビなどの発生による損失を防ぐことで、食品添加物という名目で入っています。日本ではポストハーベストといわれる収穫後に使用される農薬は、規制を受け、保管の為のくん蒸以外許可していません。
有機栽培としてハウス栽培で有機JAS規格が認められているようです。人工照明の使われる工場生産などでは、有機食品の認定はできないとしています。
農薬の使用量の比較は、日本の高温多湿の風土など、さまざまのいろいろな要素が絡みあいます。世界各国とも果樹は農薬使用量が多い傾向です。
次に水稲やばれいしょの類が、続いて大豆、とうもろこし、小麦は比較的少なくて済むようです。アメリカの農業ではトウモロコシ、麦類の栽培が多くを占めています。日本では高温多湿で病害虫の発生が多く農薬を多く必要とするのです。
同じ作物で比較すると、大豆では日本は5.5kg/haでアメリカの約2倍としています。
一方、ブドウの殺菌剤では日本の農薬使用量は30.9kg/haで、アメリカとイタリアの3分の2、フランスの2分の1、スペインの約2倍くらいです。国、風土によって異なります。その国の気候等の違いで発生する病害虫や雑草の種類・量が異なるためです。
|農薬は本当に必要?|教えて!農薬Q&A|農薬工業会 (jcpa.or.jp)
https://www.jcpa.or.jp/qa/a6_06.html

2009年の古い資料ですが農地面積あたりの農薬使用量として
日本13.2kg/ha 韓国13.2kg/ha、オランダ9.0kg/ha、英国3.5kg/ha、ドイツ3.2kg/ha、ノルウエー0.6kg/ha、フランス3.3kg/ha
農薬使用量 世界 ランキング 2021 - Google 検索で詳細を見ることができます。
残留農薬の対策方法として近年行われているのがオゾンやオゾン水です。酸化作用を持つオゾンは、殺菌や脱臭などに広く使われています。オゾンが農薬との反応で、農薬が分解し無害化、残留性がなく食品添加物として使われています。オゾン水は除菌のみならず野菜・果物の鮮度保持も認められます。
食の安全について、主に農薬使用基準の観点から取り上げてみました。世界の人口増加による食糧不足とのかねあいもあり、それぞれに利用目的を明確にして、食の安全・食品ロス問題に取り組んでいくことが大切ではないでしょうか。


ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。

 

 


この記事についてブログを書く
« [アニサキス]食生活について... | トップ | [◎パインナップル]食生活につ... »

美容ダイエット」カテゴリの最新記事