・睦五郎Mud skipper Boleophthalmus むつごろう
ハゼ科、九州では、むつとも呼ばれる。日本では有明海、八代海[やつしろかい](熊本、鹿児島県の両県にまたがる)の砂泥地の干潟(ひがた)だけに珪藻類(淡水・海水に生える藻類)のあるところに生息する。
東南アジアに多く分布する。他県でムツゴロウに似たトビハゼがあるが体長8～10cmで小さい。
両目が頭より突き出し体長20cm程度、体色は暗褐色で白色の斑点を体表全体にちりばめ特に背びれ、尾ひれに密集して見られる。
昭和から平成(1990年前後)にかけて一時期絶滅の危機にあったが禁漁区、禁漁期、体長制限などの保護策が取られ最近徐々に持ち直している。干潮時に砂泥地を胸びれで這(は)い回り歩行、全身で跳ね上がって移動する。
12～3月頃まで越冬の時期で巣穴に潜(もぐ)っていることが多く産卵が5～7月で盛んにメスにアタックのためジャンプするオスの姿が見られ、4～8月にかけて捕獲し旬とする。
脂肪に富んだ魚で身が柔らかく、蒲焼、てりやき、塩焼き、煮付けにしている。
