[地中海料理]食生活について語ろう

・地中海料理 Mediterranean diet　ちちゅうかいりょうり
　　 スペイン、イタリア、ギリシャ、モロッコの4カ国の料理で主にオリーブ・🍅トマト・ヨーグルトを使います。2010年に世界遺産に登録しています。
 
ユネスコ無形文化遺産Intangible Cultural Heritageに初めて「食」関係のものが登場したのが2010年です。
世界では自国の食に関する分野をユネスコの世界無形文化遺産として登録する動きがあり、フランス美食術、地中海料理、メキシコの伝統料理、2011年にトルコの伝統料理(ケシケキ[麦がゆ])といった食文化が社会的慣習として登録がありました。
2013年には登録の４ヵ国に加えキプロス、クロアチア、ポルトガルの追加登録をしています。和食は2013年12月5日に5例目です。同時に和食に続き、韓国の「キムチとキムジャン文化」の登録も決まっていました。
地中海料理は、「その景観から食卓にいたるまで、食材の栽培と収穫、漁猟、保存、調理、食事に関する知識、技術、伝統の集合である」と定義しています。
特定の鶏肉や地域の料理ではなく、オリーブ、🍅トマト、ヨーグルト、🍷ワイン、穀物（コムギ）などを主とした地中海沿岸地域の特徴的な食事が認定対象となっています。
食事形式に加え、地中海沿岸地域の生活スタイルが良好な健康をもたらすことが証明されている点を評価し、認定につながっているようです。
1)地元ならではのオリーヴオイルを習慣的に用いつつバランスよく穀物、新鮮な果物、野菜を毎日摂り、蛋白源としては適量の乳製品、豆類、魚介類、肉（主に羊肉・鶏肉）を摂取している。
2)地元ならではの適量のワインを飲みながら会話を楽しみゆっくり食事をする。
3)地域社会の信念を尊重している。
ことを挙げています。
　味はもちろん、食事全体のバランス、伝統や人とのつながりを大切にする食事といった生活習慣が、選ばれたポイントになっています。食習慣は社会的慣習や儀式のなかで重要な役割を占めています。収穫祭としてのハロウインの祭りや歌われる歌や、物語・伝説などの口頭伝承にも食べ物に関する事柄が表現されることがあります。
その土地で収穫される新鮮な農作物、豊かな海の幸、全てが身の回りの自然への愛着を育み、地域社会の一員としての誇りを高めることにもつながるとユネスコは説明しています。
「地中海料理は、その景観から食卓にいたるまで、作物の栽培と収穫、漁猟、保存、調理、食事に関する知識、技術、伝統の集合である」という意味はそこにあるのでしょう。
　ダイエット(食事・常食)という言葉には、食事のみならず「食事を含めた生活スタイル」の意味が込められています。地中海料理は、ただオリーヴオイルを使った料理やワインを飲んでいるというだけでなく、ゆっくりと皆で歓談しながら、人と人の交流を深めつつ食事をするというスタイルのようです。
   
　　ユネスコ(UNESCO:国連教育科学文化機関)が管轄する世界自然遺産や世界文化遺産とはまったく別な枠組みで、2003年に採択し2006年に発効した新しい条約（「無形文化遺産の保護に関する条約」）です。
世界遺産としては1972年の採択からの長い歴史をもっています。「食」といっても、料理そのものが登録されたわけではなく条約には「食文化」の項目はなく、「社会的慣習」としての登録となっています。
条約が定義する「無形文化遺産」は、「慣習、描写、表現、知識及び技術並びにそれらに関連する器具、物品、加工品及び文化的空間であって、社会、集団及び場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として認めるものをいう」と定義しています。
芸能（民族音楽・ダンス・劇など）、伝承(口承による伝統及び表現)、社会的慣習、儀式、祭礼、伝統工芸技術）自然及び万物に関する知識及び慣習を対象としています。
地中海料理は社会的慣習の分野であり、スペイン、ギリシャ、イタリア、モロッコなど合わせての申請ですが、それぞれの国全体のことではなく、「メキシコの伝統料理」もメキシコの国のすべての話ではないとしています。
限られたコミュニティで伝統として継承されてきたものが対象となっています。
方法には、フランス方式の広く申請する方法と、メキシコ方式の小さい村の大豆の豆料理、2つの方法があるようでした。
一方、「フランスの美食術」は、フランスの国全体としてもっている慣習として登録しています。そして、日本はこの「フランス方式」での登録をしているのです。適切な保護がされなければ、登録を抹消されることだってあるといいます。

 

 

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