奈良野英介の不思議体験

私の個人的な、不思議で神秘的な体験を綴ります。
合理性も論理性もない、低級な内容です。ご了承ください。

1)神社の壁から飛び下りてきた赤い服の人間

2009-04-16 11:07:50 | 日記
 子供のころというのは、誰でも不思議な体験をしているものだと思います。ただそのときは、不思議でもなんでもなく、ふつうのことなので、いつの間にか大人になるにしたがって、忘れてしまうものなのでしょう。

 私が生まれた家は、田舎のふつうの大家族の家でした。すぐに近くに東武日光線が通っていて、子供のころは、電車が行き過ぎたときにレールの継ぎ目を車輪が刻む音が大好きで、そのリズムが自然と体のなかに入ってきていると思います。が、それはふつうのことですね。

 子供のころ、というと、もちろん記憶があるのは5、6歳くらいからです。その前は、体に紐をくくられ、大黒柱にその紐が繋がれていて、私は鎖につながれた犬のように、大黒柱の回りをハイハイしていた記憶がなんとなくあります。ほんとうにそんなことがあったほど、よく動く子供だったようです。

 さて、家から少し離れたところに、氏神を祭る神社がありました。おそらく産土神社にあたるのでしょう。よく遊んだところです。今になって知ったことですが、ここは、漫画家美水かがみさんのマンガ「らき☆すた」の舞台になり最近急激に有名になった埼玉県の鷲の宮神社の分社で、鷲神社という神社でした。夏の旧盆のお祭りのときには、奇妙で刺激的な獅子舞に魅せられたものです。獅子の動きにゾクッとする怖さと魅力があったのです。もう数十年も前のことです。

 この神社で、私が一人で遊んでいるときのことでした。
 田園地帶の大河の側にある村の神社ですから、社殿はぼろぼろだったと思いますが、奥には拝殿があります。私がそこまで歩いて行ったときのことでした。
 私の目の前数メートルのところに、奥の拝殿の社の天上近くの壁から大きな赤い飛翔体が落ちてきたと見ると、それは、薄汚れた赤い服を着て右肩を出したままの、浅黒い肌の若者でした。
「わたくしは、神様だよ」
 なんとその、社殿の壁を突き破り眼前に飛び下りてきた浅黒い顔が手招きしたように思えました。
「ヤバイ」
 とっさに私は後ずさりし、家に逃げ帰りました。