絵葉書ロマン譚 絵葉書資料館ブログ

絵葉書を通して、古き良き時代にタイムスリップ

妖精の世界

2014-08-08 16:55:22 | 企画展
イギリスでは昔話を「フェアリーテールズ」と呼びます。
彼らが起こす珍事やそれに巻き込まれた人々が
紡ぐ物語は、聞く人を夢中にさせました。





Dorothy Wheeler A
FAIRY TALE Children's BAMFORTH





妖精はおふざけが大好きで、
人間に魔法をかけて悪戯します。
そのため説明できない不思議な現象や
光景を妖精の仕業と思われていました。
自分たちの掟やプライベートを荒らさなければ、
褒美を与え仕事のお手伝いもしてくれます。





L.M.Hine
Fairies and Bubbles Verse






また妖精は悲しい出来事を癒す存在でもありました。
人が森で行方不明になったり、姿を消したりした場合、
妖精にさらわれたと信じられました。
さらわれた子どもや若者たちは、
妖精の不思議な国に連れていかれます。
そこで病や老いの心配もなく、
幸せに暮らしているというものです。
日本でいう神隠しに近い考え方でしょう。





Hilda.T.Miller
Joiningin
the Fairy Revel




実際森で消息不明になることは死を意味し、
遺体を見つけることも困難です。
しかし死を妖精の仕業と置き換えることで、
残された人の心は慰められました。
妖精は陽気で尊き目に見えない隣人。
魅力的なキャラクターは
今も人の心を惹きつけてやまないのです。





次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は9月5日の予定です


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