大垣市環境市民会議事務局ブログ

水の都・大垣で活動する環境市民会議の事務局から、環境にやさしい暮らしの情報発信をしていきます。

フランスのレストランで食べ残しを有料に。

2012年08月01日 | 環境エッセイ
昨日の日経新聞に、「ふーん」と思う記事を見つけましたので、ご紹介します。
フランスのバイキング形式のレストランで、食べ残した分を有料にするという店が出てきたとのこと、金額は2~5ユーロ程度で、実際にはこの罰金を科せられた人はほとんどいないようだとありました。
 バイキングのお店、日本にも沢山ありますね。ホテルでは朝食バイキングがむしろ標準になっているように思います。
そして、バイキングだと沢山お皿にとってしまいがち…結局食べきれず、食事をお皿に残したまま退席する、ということになってしまうことも。
 食べ残された食事はどうすることもできませんので、廃棄されることになります。レストランのオーナーは、きっとこの食べ残しの多さにあきれて、何とか減らしたいと考えたのでしょう。
 日本でも食糧の廃棄率が高いことは大変問題になっています。日本の家庭から出る食品廃棄物のうち4割は、手つかずまたは食べ残しで、まだ食べられるのに捨てられたものです。
食品関連事業者と家庭から出される食品廃棄物1900万トンのうち、可食部(食品ロス)と考えられるのは500~900万トン(平成20年 農林水産省資料) あるそうです。
 日本の食糧自給率はカロリーベースで39%(平成22年度・農林水産省資料)しかありません。60%を海外から輸入しているのに、廃棄率も劣らず高いのです。
一方、WFP 国連世界食糧計画によれば、現在世界では、7人に1人、9億2500万人もの人が飢餓に苦しんでいるそうです。とりわけ体力のない幼い子どもたちが、飢餓、栄養失調により命を落としているそうです。
フランスのレストランの試みは、「食」に関するこのような背景を考えた時、重要な意味を持つと思います。
食糧を生産するためには水・肥料・畜産の飼料など、貴重な資源を沢山使います。海外から沢山輸送するには、二酸化炭素も沢山排出しています。
私たちの食卓はとても豊かで、一年中何でも食べたいものが食べられるのですが、それは地球に大きな負荷をかけた食生活でもあります。
世界のあちこちで、温暖化が進み気候変動が起きています。干ばつで食糧生産が落ち込んでいるという報道もあります。
日々の食事は生きていくために大切なものです。同時に、食卓は世界とつながっている、という意識を持つことも同じように大切なことですね。
 レストランの勇気あるオーナーの試みに、私はエールをおくりたいなと思います。

 
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