東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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リハビリテーションを共に支える職人「義肢装具士」

2016年12月14日 | 紹介
当院では、週に1度、当院に回復期病棟に入院中または回復期病棟に入院したことのある、あるいは外来リハビリテーションに通院中の患者さんに「装具外来」というサービスを提供しています。
その際、業者から義肢装具士を派遣して頂き、義肢・装具の修理・作製を行っています。

義肢・装具を知らない方々もいらっしゃることでしょう。
そこで、まずはこの義肢・装具について少し紹介させていただきます。
そして、当院にご足労頂いている義肢・装具士の声をお伝えします。

義肢・装具ってなに?
義肢は、ケガや病気により手足を失ったときに使う人工の手足のことです。
パラリンピックの競技でよくみかけるのではないでしょうか。

装具は、ケガや病気によって手足が自由に使いにくくなったときに使います。
装具の使用目的には、これまでのように機能しなくなった手足を治療するために使うもの、あるいは機能の回復は難しいもの、損失した機能を補うために使うものがあります。

義肢装具士とは、これらの道具を作製するプロ達のことを指します。
当院では、義肢装具士による装具の修理・作製の場面が多々あります。
対象の年齢層は幅広いですが、上述したように、当院に回復期病棟に入院中または回復期病棟に入院したことのある、あるいは外来リハビリテーションに通院中の患者さんで、医師が義肢・装具が必要であると認めた方に限られます。

当院で活動している義肢装具士にインタビューしてみました!!

1. なぜ義肢装具士になったのですか
若かりし頃、何かを作る仕事に就いて手に職をつけたいといろんな仕事を紹介している本を読んだところ、その中に義肢装具士という仕事が紹介され、職人的なところがあって面白そうな印象を受けました。
そして、何よりやりがいがありそうだと思ったからです。

2. 患者さんの装具を作るにあたり、どのような思いで作っていますか

装具を着けると歩きやすい、前の装具よりこっちの方が軽くていい、着けやすくなった、装具のベルトの色が選べてよかったなど、機能、外観ともに、少しでも気に入ってもらえるような物を作りたいと思っています。

3. 今後の意気込みについて語っていただいてもよろしいでしょうか
患者さんにとってどんな装具が一番いいのかを、ご本人、ご家族の方、医師、リハビリテーション科スタッフ、義肢装具士ともに皆さんで模索しながら作っていきたいと思っています。

装具の修理・作製は機械には決してできないことです。
患者さんやご家族の声、医師やリハビリテーション科スタッフを含めた方針や内容の検討、装具を着用した患者さんがどういった姿勢になるか、あるいは動き方をするかといった生きた情報を基に装具を作ります。
だからこそ、生きた情報を活用する、その道のプロである義肢装具士が必要なのです。
筆者がいつも思っていることは、「そういったチームの思いの詰まった装具とともに患者さんの目標に繋げたい」という一心で、仕事に向かっています。
装具に関してそういった意識を持てるのも、現場で義肢装具士がしていることを目の当たりにしているからだと思います。
当院に来て頂いている義肢装具士は、義肢・装具の作製のみではなく、仕事に対するその姿勢でそう思わせてくれる素晴らしいリハビリテーションチームの一員です。


写真:基本的な装具であるプラスチック短下肢装具

C1(PT)

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