宮中には宿直勤務がありました。
どうやら若い貴公子のお仕事だったようです。
雨の夜の品定めで知られている「帚木の巻」で、光源氏、頭中将、左馬頭、藤式部丞の四人が、
源氏の私室で、女性論、いや妻論を戦わしていました。
そうそう、宮中には光源氏の私室があったのです。
桐壺の更衣(光源氏の母)が暮らしていた局を自分の部屋として使っていました。
光源氏はいろいろと口に出せない秘密があったせいでしょうね、うっかりしたことは言えないとばかりに聞き手に徹しています。
三人のうちのひとり、光源氏の親友と呼ばれている頭中将(とうのちゅうじょう)は、葵の上の兄でした。 義理の兄弟です。
源氏は左大臣家の婿殿、頭中将は右大臣家の婿殿。 どちらも気が張るところへ帰るのが嫌で、宿直勤務を喜んでいました。
このふたりについてはいずれまた。
左馬頭(ひだりうまのかみ)、藤式部丞(とうしきぶのじょう)は、源氏や頭中将よりは格下でした。
このまま帝へお仕えするか、それとも思い切って地方官(受領)になったほうが良いのか、微妙な地位にいたからです。
末は大臣が約束されている、光源氏や頭中将とはちがい、宮中に残っても出世の限界が見えていました。
都落ちして地方官になれば、貴族としての地位は下がるけれども豊かな収入が保証されています。 さてどうしようか。
悩みを抱えた二人の貴公子は、どんな妻を娶るかにも真剣だったのだと思います。
この時代の貴族社会では妻問婚が主流でしたが、地方官の場合は少々ちがうんですね。
地方官は一族郎党みな引き連れて赴任地へ行きますから、妻とは同居が原則でした。
四六時中一緒に暮らすとなれば、細かいことにも注文が付きます。
家政能力は高くあって欲しいが、かといって実用一点張りの見てくれの悪い女ではがまんできない。
嫉妬深い女は嫌だ。 しかし淡泊な女には他に男がいるかもしれない。
真剣で具体的な妻論が展開されたのです。
それに比べると、光源氏にしても頭中将にしても元服と同時にしかるべき地位の女性と結婚しています。
第二夫人、第三夫人を探すにしてももっと身分が高い人でなくてはならない。
この場で話題になる女たちとはほとんど縁がなかったのです。
そんな女たち、夕顔、空蝉がこの巻で話題となって、それが次の巻に繋がっていったのですからわかりやすくて面白い。
帚木は「玉鬘系」の先頭の物語です。
若い頃は、この玉鬘系、b系、傍系と呼ばれる一連の物語が特に好きでした。
満を持して玉鬘が登場したときは、文字通り目が丸くなりましたっけ。
ところで、左馬頭、藤式部丞がその後どうなったのか私は把握していません。
源氏物語に登場する男たちは役職名で書かれているために消息を辿るのが難しいのです。
どうやら若い貴公子のお仕事だったようです。
雨の夜の品定めで知られている「帚木の巻」で、光源氏、頭中将、左馬頭、藤式部丞の四人が、
源氏の私室で、女性論、いや妻論を戦わしていました。
そうそう、宮中には光源氏の私室があったのです。
桐壺の更衣(光源氏の母)が暮らしていた局を自分の部屋として使っていました。
光源氏はいろいろと口に出せない秘密があったせいでしょうね、うっかりしたことは言えないとばかりに聞き手に徹しています。
三人のうちのひとり、光源氏の親友と呼ばれている頭中将(とうのちゅうじょう)は、葵の上の兄でした。 義理の兄弟です。
源氏は左大臣家の婿殿、頭中将は右大臣家の婿殿。 どちらも気が張るところへ帰るのが嫌で、宿直勤務を喜んでいました。
このふたりについてはいずれまた。
左馬頭(ひだりうまのかみ)、藤式部丞(とうしきぶのじょう)は、源氏や頭中将よりは格下でした。
このまま帝へお仕えするか、それとも思い切って地方官(受領)になったほうが良いのか、微妙な地位にいたからです。
末は大臣が約束されている、光源氏や頭中将とはちがい、宮中に残っても出世の限界が見えていました。
都落ちして地方官になれば、貴族としての地位は下がるけれども豊かな収入が保証されています。 さてどうしようか。
悩みを抱えた二人の貴公子は、どんな妻を娶るかにも真剣だったのだと思います。
この時代の貴族社会では妻問婚が主流でしたが、地方官の場合は少々ちがうんですね。
地方官は一族郎党みな引き連れて赴任地へ行きますから、妻とは同居が原則でした。
四六時中一緒に暮らすとなれば、細かいことにも注文が付きます。
家政能力は高くあって欲しいが、かといって実用一点張りの見てくれの悪い女ではがまんできない。
嫉妬深い女は嫌だ。 しかし淡泊な女には他に男がいるかもしれない。
真剣で具体的な妻論が展開されたのです。
それに比べると、光源氏にしても頭中将にしても元服と同時にしかるべき地位の女性と結婚しています。
第二夫人、第三夫人を探すにしてももっと身分が高い人でなくてはならない。
この場で話題になる女たちとはほとんど縁がなかったのです。
そんな女たち、夕顔、空蝉がこの巻で話題となって、それが次の巻に繋がっていったのですからわかりやすくて面白い。
帚木は「玉鬘系」の先頭の物語です。
若い頃は、この玉鬘系、b系、傍系と呼ばれる一連の物語が特に好きでした。
満を持して玉鬘が登場したときは、文字通り目が丸くなりましたっけ。
ところで、左馬頭、藤式部丞がその後どうなったのか私は把握していません。
源氏物語に登場する男たちは役職名で書かれているために消息を辿るのが難しいのです。
今読み返すと男たちはずいぶん若いのに、こんなふうにいっぱしの口をきいて女の品定めをしていたなんて生意気に思えます(笑)。
本当の女性の強さや素晴らしさは長い年月かけないとわからないだろうし、男性には一生わからないのかも知れません。
頭中将が25~26歳、源氏は17歳だったと思います。あとのふたりはその間。
でも話しの内容はずいぶんオッチャンです、ほんとに。(ー_ー;)
所帯じみている。。。
そういえば、わたくし、男性のよさが未だに分かっていない気がします。(爆笑)
思考回路自体がぜんぜん違うから、所詮分かり合えないのかな。
♪男と女の間には~深くて広い川がある♪
あれ?深くて長いだっけ?
そのほうが語呂がいいですし、多分合ってる。