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だっくす天国+わくわくハンドメイド

ダックスが好き、編み物も好き

ホタルの乱舞

2021年06月07日 | 日々の暮らし

真夜中でも、ぼんやり明るい我が家周辺では、ホタル見物なぞ、ある筈もないが、私の故郷では、今の時期、家の裏手の川でホタルが飛んでいた。

ホタルの幼虫は、「清流にしか生息できない」ので、ここらの「全国的に汚染度ワーストワンの川」じゃ、居る訳ないっか。

幼い頃、ホタルは「取り放題」だった。どんくさい私の網に、いとも簡単に捕まってくれた。

それを籠に入れて持ち帰り、うっとりと眺めていたなあ。

最近ホタルを見たのは、何時だったか?思い起こしてみると、私は5年位前にホタルを見たのだった。

それは「イタリアのルッカ」という人口3万人にも満たない村に、どんな経緯だったか忘れたが「イタリア料理を習いに行った」のだった。

お料理教室は、その村の山の頂上にあった。そんな僻地とは知らずに、行ったら、タクシーは、車1台すれ違うのも難しいような未舗装の道路を、山の天辺まで土煙をたてて走って行く、徒歩だと2時間はかかる距離だった。

 

漸く頂上へ着いたら、そこは、「山のあこら辺からここら辺までワタシの敷地です、あなたの部屋はルームメイトとシェアします」と同部屋になった彼女を紹介されて、さあ、合宿の始まりだった。

彼女はキルギスから来たと自己紹介をした。えーっと、それが何処か分からない私に、彼女は中央アジアを指さして、「魚の目のような湖がある国だ」と教えてくれた。

日本が大好きだとも言った。でも、今でも、日本に行くには、「日本人の知り合いが居て、その人がOKしないと行けないの」と悲しそうな顔をした。

山の天辺で電波は悪く、彼女が、こうやって(と手を大きく降って)電波をキャッチするのよと言われ、ソナアホナと思ったものである。

部屋は石造りの牢屋みたいな所で、ちゃんと暖炉もあるんだけど「100年以上燃やしてません」てな趣だったし、窓が「内開き」だったのに、たまげた。

 

そこでの一カ月は、最高だった。何より、初めて「和食が恋しい」と思わなかった。それほどイタリア料理は「ンマイ」のである。

テーブルには、「オリーブオイル、岩塩、レモン」しか並ばないけど、ハーブは3万坪はあると言う畑に摘みに行くし、可愛いテリア犬も居た。

 

残念ながら、ヤツは日本語を理解してくれず、勿論英語も知らないので、意志の疎通は出来なかったけど。

そこでは、3食を自分たちで作る。そのレシピを今でも大事に持っている。

 

シェフは、色んなイタリアの家庭料理を教えてくれた。

朝7時起床して、朝ご飯、昼ごはん、デザート、夕食と作っていると、へとへとになる。

 

夜になると、街灯なぞなく、真っ暗な窓から、ワインを飲みながら、眼下の村の灯りを見るともなく見ながら、ルームメイトとお喋りするのが日課だった。

 

そして、日曜日だけ村に下りる事を許可されていた我々は、ある日、タクシーを呼んで、ルッカの村に繰り出し、思いっきり遊んだのである。

 

午前零時頃タクシーでお城まで帰って、タクシーのテールランプが遠くに去って行った後、振り返ると、薄暗い空に、そびえたつ真っ黒のお城。灯りは無い。無いのに、そこらに、何かきらきらした小さな光が見えるのである。

 

あれぇ?と目を凝らしたら、「ホタル」だった。それは私が今迄見た中で、一番豪華なホタルの乱舞だった。

立ちすくんでいたのは、数分、秒にして300秒くらい?その間に足を300か所くらい噛まれた(泣

キンカン持って行っててヨカッタわ。

 

(追加)食事の時、ワインを飲まない人は、「水」を飲む。この水をサーブしてくれるのが、図体はでかい(多分190センチはある)イケメンだけど、イタリア語しか話さないお兄ちゃんだった。

 

そして、一人一人に「あくあ」「ふりざんて」と聞いてくれる。最初こそ、何を言うちょるのか、さぱーり分からなかったが「あくあ」は普通の水、「ふりざんて」(と巻き舌で)は発泡水だと判明して以来、少しづつ彼と意思疎通が出来るようになったのである!すげ・・・

 

語学なんてね、使わねばならない環境に置かれたら、嫌でも覚えるもんだと痛感したのだった。あー、もう一度行きたい!!