
試運転初日は思ったほどのパニックにしならず意外にも整然と撮影が出来ました。名物だった余市停車を利用した金五郎山への追っ掛けも難なく出来ました。 88,04,24 蘭島―塩谷 試9163レ TRI-X スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED画像 TMY スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
この頃、国鉄の解体・新会社設立と言う砂を噛むような喪失感を味わう毎日でした。出勤してもならず者呼ばわりされ会社側どころか他労組からも冷たい目で見られていた時期で唯一の救いは所属していた職場が差別職場で国労組合員しかいないのでお互いに心の傷をいたわりながら過ごせる事でした。
そんな中、うれしいニュースが念願だった復活C62が現実のモノとなり04月24日から試運転が開始されると言う事でした。日本から現役蒸機がなくなり蒸機=保存となってから理想を現実としたのがこのC623号機の復活でした。ヘッドマークはなしで急行”ニセコ”を彷彿させるためにスハ43系・44系で組成された旧客で運転ともなれば大人しくしていろと言う方が無理な要望でした。
私たちの世代は日本の現役蒸機を体験出来たギリギリの世代でした。先日訪れた宇田郷のコンクリート橋でD51を撮影した事をご同行いただいた湘南チサ區様に話したらその世代の違いに驚いていました。この世代の違いとは鉄ちゃんの永遠の課題でもあります。私は東北線の客車組成の普通列車を見て、乗って、撮影しての世代ですがそれを羨ましいと言う人がいます。逆に私ならC62重連”ニセコ”を撮影した少し上の世代が羨ましくてたまりません。そんな事もあり復活したC623号機に人並み以上に期待を寄せたのが私たちの世代の鉄ちゃんだったのです。
私の鉄ちゃん人生で三つの宝としているのはブルトレ11本体制の東海道線と特急列車がひっきりなしに走り抜ける全盛期の東北線を見届けた事、そして中国を訪れて現役の蒸気機関車を見て思う存分撮影出来た事、そしてこの復活シロクニをこの目で復活初日と涙を流しながら撮影した最終運転日を見届けたと言うことです。それだけにあの88,04,24は私にとって忘れられない日でもあります。

気が付けば鉄道を撮影して40年以上が経ちますがその中で一生忘れられないカットとの1枚がこのカットです。天気も良いし羊蹄山と言い煙と言い申し分なく、この後もこんアングルで何回か撮影しましたがこのカット以上のモノはありませんでした。 当然、周囲の顰蹙覚悟で激Vコールの雄叫びをあげた事は言うまでもありません。 88,04,27 倶知安―小沢 試9163レ TMY スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED