朝5時半。鳴り出した目覚ましを慌てて止め、家族を起こさないように慎重に布団から出る。あれ?なんで早起きしたんだっけ?…そうだ!おだちゃんとバードウオッチング。眠たい目をこすりながら、急いで着替える。夏休みの初め、早朝バードウオッチングをしていたころを思い出すなぁ。なんだかウキウキしてきた。小さな声で、一応あいさつだけはして家を出る。
「行ってきま~す。」
真夏なら、かなり明るい時間だが、まだ外は薄暗かった。
「秋の気配やなぁ…。」
真悟が言っていた、「冬鳥」というのも、そろそろやってくるのだろうか。
「おはようあっくん!!」
「うわ!おっおはようおだちゃん。」
ちょっと前から、真後ろにたっていたらしい。存在感がなさすぎて、気配を感じない。うむ…恐ろしい。おだちゃんの格好は、半袖にジーパン。腕からは、虫除けスプレーのにおいがする。・・・?手に持っているのは…。
「あっ!双眼鏡!」
オッキー、タツと同じ、コンパクトタイプ。なさそうに思えて、意外とどこの家にもある、それが双眼鏡のようだ。
「あっくんの双眼鏡、なんかでかくてかっこええね。コゲラみたいなレア鳥でも、簡単に見つかりそうやし!!」
「あ、ありがと(もう、「レア鳥」とか覚えたんだ)。うん…いろんな意味で、すぐ見つかるかも。」
こうして、二人だけの、「偽レア鳥」探しの旅がスタートした。まぁ別に、バードウオッチングは楽しければいいのだから、おだちゃんがやる気なら、それでいいけど。
とはいっても、どこを探せばいいかわからないので、僕たちはまず林に沿って歩き始めた。ただ歩くより、何か話題を出そう。
「あのさぁ…。僕てっきり、おだちゃんはバードウオッチングには興味ないんかと思っちょったんやけど…。」
おだちゃんは少し迷ったようだが、きっぱり言った。
「うん、興味なかった。」
「あれ?やっぱし?」
「でもさぁ、思い出したんよね。4年生のとき五反田川(11話参照)で起こった事件!」
「…なんやったっけ??」
「ほら!あっくんと二人で見つけたやん!」
「あぁ!思い出した。あれか!」
「なんかあん時、すごい盛り上がったやん!?それ思い出したら、なんかバードウオッチングやってみようかな…と。」
「なるほどねぇ・・・。」
そう…あれは3年前。僕たちがまだ、小学4年生だったころのことだ。
「行ってきま~す。」
真夏なら、かなり明るい時間だが、まだ外は薄暗かった。
「秋の気配やなぁ…。」
真悟が言っていた、「冬鳥」というのも、そろそろやってくるのだろうか。
「おはようあっくん!!」
「うわ!おっおはようおだちゃん。」
ちょっと前から、真後ろにたっていたらしい。存在感がなさすぎて、気配を感じない。うむ…恐ろしい。おだちゃんの格好は、半袖にジーパン。腕からは、虫除けスプレーのにおいがする。・・・?手に持っているのは…。
「あっ!双眼鏡!」
オッキー、タツと同じ、コンパクトタイプ。なさそうに思えて、意外とどこの家にもある、それが双眼鏡のようだ。
「あっくんの双眼鏡、なんかでかくてかっこええね。コゲラみたいなレア鳥でも、簡単に見つかりそうやし!!」
「あ、ありがと(もう、「レア鳥」とか覚えたんだ)。うん…いろんな意味で、すぐ見つかるかも。」
こうして、二人だけの、「偽レア鳥」探しの旅がスタートした。まぁ別に、バードウオッチングは楽しければいいのだから、おだちゃんがやる気なら、それでいいけど。
とはいっても、どこを探せばいいかわからないので、僕たちはまず林に沿って歩き始めた。ただ歩くより、何か話題を出そう。
「あのさぁ…。僕てっきり、おだちゃんはバードウオッチングには興味ないんかと思っちょったんやけど…。」
おだちゃんは少し迷ったようだが、きっぱり言った。
「うん、興味なかった。」
「あれ?やっぱし?」
「でもさぁ、思い出したんよね。4年生のとき五反田川(11話参照)で起こった事件!」
「…なんやったっけ??」
「ほら!あっくんと二人で見つけたやん!」
「あぁ!思い出した。あれか!」
「なんかあん時、すごい盛り上がったやん!?それ思い出したら、なんかバードウオッチングやってみようかな…と。」
「なるほどねぇ・・・。」
そう…あれは3年前。僕たちがまだ、小学4年生だったころのことだ。